
巨乳妄想症候群で完全に度肝を抜かれた話
東野圭吾さんの短編集**『黒笑小説』**を初めて読んだが、あらためて“天才の発想力”に脱帽してしまった。
2008年4月に発表された作品群でありながら、まったく古さを感じさせない。むしろ今読んでも「よくこんな視点を思いついたな」と感心してしまうブラックユーモアと風刺が詰まっている。
中でも忘れられないのが、タイトルからして強烈な**「巨乳妄想症候群」**という短編だ。
内容は読んだ人だけがニヤリとできる“東野ワールド全開”のブラックコメディ。
過去の人物や選考会の世界を皮肉たっぷりに描くストーリーも含めて、「もしかしてこの発想はご自身の経験から?」と勘ぐりたくなるほどリアリティがある。
想像力を軽々と飛び越えてくるアイディアに、ページをめくりながら何度も唸ってしまった。
東野圭吾さんといえば“ミステリーの巨匠”というイメージが強いが、実はブラックユーモアの切れ味も圧巻だ。
『白夜行』や『容疑者Xの献身』のような重厚作品を書いた同じ手から、こんなにも軽妙で毒気たっぷりの短編が生まれるとは…。
読めば読むほど、“底なしの引き出し”を持つ作家であることを痛感する。
今回『黒笑小説』を読んで、私の中で一つの決意が固まった。
**「東野圭吾の全作品制覇を目指そう」**というものだ。
ミステリーも、ヒューマンも、コメディも、社会風刺も、どのジャンルでも読者を離さない圧倒的な筆力。
好きな読書だからこそ、自然とその道のりも楽しくなる。
“読むほどにハマる作家”とは、まさに彼のことだと思う。
◆Abemaマイピックアップ
読書好きにおすすめしたいのが、
東野圭吾作品を読む時間は、日常のストレスから少し距離を置ける贅沢なひととき。
これからもページをめくるたびに新しい驚きと出会いながら、全作品制覇の旅を続けていきたい。
本当に東野圭吾さんに出会えてよかった。