
東野圭吾ファンの皆さんは『同級生』を読まれただろうか。
私は最近ようやく手に取ったのだが、読み終えた瞬間、「なぜもっと早く読まなかったのだろう」と思った。
1996年に発売された作品だと知り、さらに驚いた。30年近く前の作品にもかかわらず、今読んでもまったく色あせていない。
『同級生』は単なる学園ミステリーではない。事件の謎を追いながらも、青春時代特有の友情や恋愛、葛藤が丁寧に描かれている。
そして何より印象的だったのは、登場する少年たちの心根の美しさだ。
大人になると損得勘定で人を見てしまうこともある。しかし『同級生』の登場人物たちは、不器用ながらも真っすぐに人と向き合う。青臭いと感じる人もいるかも知れないが、その姿が実にカッコいい。
53歳になった今だからこそ、彼らの純粋さが胸に響いたのかもしれない。
私は東野圭吾作品をかなり読んできたつもりだった。しかし、まだ全作品を制覇したわけではない。
むしろ最近になって、「まだこんな名作が残っていたのか」と嬉しくなっている。
東野圭吾作品の魅力は、作品ごとにまったく違う顔を見せてくれることだ。『容疑者Xの献身』の切なさ、『白夜行』の壮大さ、『秘密』の感動、そして『同級生』の青春ミステリー。どれも読後感が異なる。
だからこそ、次はこの前読んだ、『殺人の門』上巻の続編となる下巻を読むのが楽しみで仕方ない。
『殺人の門』は、思春期の複雑な感情や人間関係がリアルに描かれている作品として知られている。さらに映画化も予定されており、再び注目を集めている。
私自身、中学生や高校生の頃には言葉にできなかったモヤモヤした感情がたくさんあった。嫉妬、劣等感、友情、孤独感――。当時は説明できなかった感情を、東野圭吾は見事に言語化してくれる。
それが多くの読者を惹きつける理由なのだろう。
53歳になった今でも、新しい発見や感動が待っている。本を読む楽しさに年齢は関係ない。
AI時代、むしろ人生経験を重ねた今だからこそ、若い頃には気付かなかった作品の奥深さに出会える。
『同級生』を読んで改めてそう感じた。
これから先も東野圭吾作品を一冊ずつ読み進めながら、新たな名作との出会いを楽しみたい。
そして『殺人の門』下巻がどんな衝撃と感動を与えてくれるのか、今から期待で胸がいっぱいである。