TODAY'S
 
朝の情報番組からゴールデン、さらには昼のニュース番組にまで「話題の新店」「行列グルメ」のコーナーが並ぶ。


東京の人気店は“全国民向け観光ガイド”のように扱われ、地方局は地元密着の飲食店を丹念に紹介する。


日本人はそれほどまでに最新グルメ情報を求めているのだろうか。


正直に言えば、私は「ネタ不足」の側面もあると感じている。ジャーナリズムが担うべき権力監視や行政への切り込み番組表は、以前より影を潜めているように見える。


テレビ局や新聞社などのオールドメディアは、県や市が大口スポンサーである現実を考えれば、過度に踏み込んだ報道が難しい事情も理解はできる。


しかし、その結果として無難で安全な飲食特集、散歩番組へと流れてはいないだろうか。


  飲食店紹介は確かに合理的だ。店側は無料で宣伝でき、番組側は取材ネタを確保できる。


Win-Winの構図である。だからこそ量産される。大食い企画や個性派店特集など、制作側が工夫を凝らしているのも伝わる。それでも、どこか既視感が否めないのは事実だ。


散歩番組やグルメ番組で、出演者だけが楽しんでいるように映る瞬間はないだろうか。「ヤバイ!」が連呼されるともう耳を塞ぎたくなるのは私だけ?


視聴者が本当に知りたいのは、流行の店名よりも「なぜこの街が変わったのか」「なぜこの企業は成長したのか」といった背景や本質かもしれない。


  情報が浅く、感想が中心の番組に、物足りなさを感じる人が増えているのではないか。


その隙間を埋めているのが、配信サービスだ。Amazon Prime Video、ABEMA、Netflixが支持を集めるのは、尖った企画や骨太のドキュメンタリーがあるからだろう。


スポンサー構造に縛られにくいビジネスモデルが、多様なコンテンツを可能にしている。


  テレビは本当に視聴者を置き去りにしているのか。それとも、私たちが変わったのか。


今こそ問われているのは、数字が取れる企画ではなく、「信頼される番組」づくりではないだろうか。


グルメの次に来るテーマは何か。テレビが再びワクワクを届けられるかどうか、分岐点に立っている。