
再びホワイトハウスの主となったトランプ大統領が、今また世界を沸かせています。
今回の主役は「関税」。対中国をはじめとする一連の“関税攻勢”は、まるでWWEのリングで繰り広げられるプロレスショーのようです。
敵役(ヒール)を明確にし、観客(国民)の声援を浴びながら、自らを“正義の味方”として演出しているのです。
トランプ氏が繰り出す関税は、海外製品に追加課税を行うことで国内産業を守るというもの。
対象は中国の鉄鋼、家電、EV部品など多岐にわたります。この“技”により、喜ぶのは主にアメリカ国内の製造業者。
とくに中西部の鉄鋼業、自動車関連産業、農機具メーカーなどは「仕事が戻ってきた!」と喝采を送ります。
さらに、トランプ氏の強硬姿勢は、経済的打撃を受けていた“ラストベルト”の有権者の心をつかみます。
「アメリカを再び偉大にする」というフレーズと共に、彼は再び“観客の声援”を集めるスター選手としてリングに立っています。
一方で、実際の影響は複雑です。関税によって輸入品価格が上がり、国内でも生活コストが上昇。
輸出企業にも打撃が及びます。それでもトランプ大統領は動じません。なぜならこれは“経済政策”であると同時に、“政治的ショー”でもあるからです。
リングの上では、敵がいてこそヒーローは輝く。中国やメキシコ、時に自国の企業すら“ヒール役”として名指しし、観客の感情を揺さぶる。
この構図は、まさにWWEさながら。わかりやすく、力強く、そしてエンタメ性がある。
喜ぶのは、国内の一部産業と、ヒーローを信じる支持者たち。
関税という名のボディスラムを世界に放ち、今夜もリング(国際社会)は揺れている――。

