
子どもの頃、マンガを読むのが好きだった。ストーリーに夢中になり、キャラクターのセリフを自分に置き換えながら、知らない世界にのめり込む感覚が楽しかった。
やがて、マンガの中に登場する実在の人物に興味を持ち、自伝や伝記を読むようになった。偉人やアーティスト、スポーツ選手の人生を知ることで、
現実の世界にもドラマがあることを学んだ。そして、大人になるにつれ、本の魅力にどんどん引き込まれていった。
そんな中、テレビももちろん楽しかったが、なぜか心が落ち着くのは「ラジオ」だった。
音だけで伝えられる情報は、テレビと違って視覚の制約がない。
だからこそ、話し手の表情や情景を自由に想像できる。深夜にこっそりラジオをつけて、パーソナリティの語りに耳を傾ける時間は、どこか特別なものだった。
マンガから広がる世界
マンガの面白さは、単なる娯楽にとどまらない。名作には、歴史や文化、哲学が詰まっている。
たとえば『ブラック・ジャック』を読めば医療の世界に興味を持つし、『三国志』を読めば歴史にのめり込む。『スラムダンク』ならバスケットボール、『美味しんぼ』なら食文化と、マンガがきっかけで新たな分野に触れることも多い。
そして、好きなマンガの作者が「影響を受けた本」について語るのを知ると、自然と「その本も読んでみたい」と思うようになる。
自分が尊敬する人が読んだ本は、間違いなく面白いはずだからだ。
実際、手塚治虫は大量の海外文学を読んでいたし、井上雄彦は歴史や哲学に造詣が深い。
そうした背景を知ると、「本を読むことは、想像力を広げる行為なんだ」と実感するようになった。
ラジオの魅力──想像力を刺激するメディア
一方で、想像力を鍛えてくれたのは「ラジオ」だった。テレビは映像で完結するが、ラジオは「音」だけ。
だからこそ、話し手の表情や、スタジオの雰囲気を勝手に想像する楽しさがある。
特に、深夜ラジオには独特の空気があった。リスナーの投稿が読まれたり、パーソナリティがリラックスした雰囲気で語ることで、「この時間は自分だけのもの」という感覚が生まれる。
学生時代、好きなアーティストのラジオ番組を聴くのが習慣だった人も多いのではないだろうか。
音楽や映画の話、時には人生相談まで、まるで友達と会話しているような気分になれるのがラジオの魅力だった。
大人になって気づく「想像力」の大切さ
マンガや本、ラジオを通じて鍛えられた「想像力」は、大人になった今だからこそ、その価値がよくわかる。
仕事でも、家庭でも、「相手の気持ちを想像する力」はとても大切だ。
また、デジタルが進化した現代だからこそ、マンガや本、ラジオのような「受け手が想像する余白のあるコンテンツ」が貴重になっている。
動画やSNSの情報があふれる中、自分の頭で考え、想像しながら楽しむ時間は、心を落ち着かせる効果もあるのだ。
これからの楽しみ方
30代以降になると、忙しさに追われて「ゆっくりマンガを読む時間がない」「ラジオを聴く習慣がなくなった」という人もいるかもしれない。
でも、だからこそ、意識的にそういう時間を作るのは大事だと思う。
例えば、通勤時間にラジオを聴く。寝る前にマンガを一話だけ読む。
久しぶりに本屋へ行き、気になる伝記を手に取る。そういった小さな習慣が、日々のストレスを和らげてくれる。
そして、子どもがいるなら、ぜひ「想像する楽しさ」を伝えていきたい。
派手な映像や刺激的なコンテンツだけでなく、想像力を膨らませるような本やラジオの魅力も、一緒に楽しめたら素敵だ。
まとめ
マンガをきっかけに本へ、そしてラジオへ。子どもの頃に好きだったものが、大人になってからも生きている。
そして、それらを楽しむ時間こそが、日々の忙しさの中で心を落ち着かせ、豊かにしてくれる。
今だからこそ、もう一度「想像力を育てるコンテンツ」に触れてみてはいかがだろうか。
