我が署には特殊な車両があります。
赤く塗装された(法律上、消防車は朱色です)大きな消防車の中に、ソレは納められています。
定期に行われる訓練場に着き、固定器具のアレを外すなどし、慎重にソレを降ろす作業にとりかかる…コレも訓練の一つ。
ソレの一部が見えてきました。
ソレを降ろした後は、まるでカーゴ便の様な空間が広がります。
ソレの正体とはパパパパッパパーン『水陸両用バギー!』
ドラえもんのポケットから出てきたような紹介になりましたが、これは極めてレアな車両。東京消防庁クラスは別として、大きな消防本部でも配備されていない所が殆どかと思います。
前後に隊員4名が乗車、凸凹道や水の中も走行可能、担架も載せられます。
ごっついタイヤが付いてて、ここにキャタピラーを装着すれば、更に困難な条件の元でも走行できます。
迷彩色を施し、迷彩色の服をまとえば軍隊?
ハンドルはオートバイを思わせるもので、キレ角は浅く、基本的には前・後進レバーがあるのみで操縦(運転)自体は難しくありません。
僕も操縦した事がありますが、結構な速度が出ます、そして跳ねます。急ハンドルを切ると遠心力もかかり、同乗する隊員はしっかり掴まってないと投げ出される危険もあります。要するに乗り心地は良くないって事ですね。
なお、このバギーにはナンバープレートがあり公道を走る事もできます。
この車両が災害現場で活躍する機会は殆どありませんが、取り扱いの訓練、運転は行わなければなりません。要は定期的にエンジンを回し、走らせないとメカものってダメになり、いざと言うときに動かないなんて事になってしまうからなのです…
実はこのバギー、海外では死亡事故も多発(横転・転覆により隊員が投げ出されるなど…)しており、悪路でも走行可能とは言え、急坂や窪みなどでは慎重に操縦しないと大事故につながると言う訳です。
毎度お馴染みの〆になりますが、このバギーも演習・訓練以外に使用されない事が市民のためであり、実戦投入されない事を願うのは言うまでもありません…ではでは (*・ω・)ノ
追記)
このバギー、何故か標準装備にドリンクホルダーが付いてるんです(笑) それからこの撮影は休みの日の見学時に撮ったものです、勤務中ではありませんので…あしからず。