衆議院選挙は与党圧勝、安倍政権継続の見通しとなりました。

偏向報道、情報操作…いろいろありましたが、終わった選挙結果に文句は言うなかれ…結果が全て、これが民主主義です。どうか日本を元気にしてくださ~い。


さて、ガラッと話を変え、久しぶりに救急ネタをお届けします、長話ですよ~(笑)

今回は『DNRとは何ぞや?』


DNR(do not resuscitate )、和訳すると『蘇生するんじゃない❗』です。


DNRって単語は、僕たち救急隊の活動現場に於いて、結構な割合で飛び交います。

例をあげましょう。
『90歳男性、自宅で意識を失いCPAのもよう(心臓、呼吸停止)、朝、起きてこないため家族が確認に行き発見した…』

こんな出場指令で現場に到着すると、家族が胸を押していたりします。119番を受けた指令員が電話口で胸を押すよう指示したことによるもので、口頭指導と呼ばれます。

そして救急隊は心配蘇生法を引き継ぎ、近くの病院に受け入れ要請を行います。
『○○救急隊のキムニィです、90歳男性目撃なしのCPA。心電図は心静止(全く動きがない)、家族がベット上で発見したもので時間が経っている感があります、受入れどうですか?』

すると電話対応した医師は…
『受け入れ可能です、DNRですか?』

このように、医師からDNRの確認を求められる事がよくあります。つまりは90歳と言った年齢的なこと、更に発見も遅く蘇生は難しく、蘇生できても予後不良が強く予測される事から、この人に対し特別な救命処置を行うかを確認する意味で聞かれるものです。

僕の場合、医師からDNRを訪ねられそうなケースでは、ホットラインの前に家族に…
『○○さんは心臓が止まり呼吸がありません。発見も遅く、年齢を考慮するとかなり厳しい状態です。誤解しないで欲しいのですが、口にチューブを入れたり、薬を射ったり、胸を強く押すことによって骨を折ったりすることもあります。可哀想だから、体を痛めることなく、特別な処置もやらないで下さいと言う方もいるんです…どうしましょう?』

答はほぼ…
『いえ、もう十分です、これ以上痛い思いをさせないで下さい…』

もちろん、救急隊は何も処置を行わず傷病者を搬送する事はできませんから、最低限の人工呼吸&胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行って搬送します。その場合でも、僕は肋骨を折らぬよう力を緩めて胸を押す事も考慮します。本来、この考えは正しくないのですけどね…そして次の様に心の中で呟きながら搬送するのです。
『ゴメンね、強く押さないと胸骨圧迫の効果がでないけど、発見も遅くて、重い病気もあるし、ご高齢…簡単に骨も折れちゃいそうだから、軽く押させてもらいますよ…』

救急車に同乗した家族も、情況を十分理解されてます。病院到着後、僕らに対し『ありがとうございました…』と、お礼を言われたりするのはこのためでしょう。

これらは超高齢者に限らず、癌の週末期医療を受けている人がCPAとなった時も同様です。もちろん、高齢者だから、癌の末期だから…と言って全てDNRを確認する訳ではありませんから誤解はしないで下さい。

救命が難しそうであっても、家族が切に蘇生を希望するケースではDNRを問う事などはしませんから…

一方でDNRの確認については、救急隊の中にはかなりのアレルギーを持つ者もいます。その理由は、救急隊は蘇生希望の有無を確認する必要がないと言った考えがあるからです。

助けて欲しいから救急車を呼ぶのである。我々救急隊は救命を目的として活動しているのだから、医師から家族にDNRを確認するよう訪ねられても、それに関しては答える必要はない、医師の考えが違うのでは?と、言う者も少なくありません。

救命士の言い分は判る気もしますし、一利あるでしょう。ただねぇ、ほぼ救命できないであろうと予測ががつく場合、そこまで固執しなくても良いのでは?と、僕は考えます…正解がどうかは判りませんし、これは賛否分かれるところでしょう。

消防が行う救急活動では、問題の生じた事案やレアな事案について、医師・救命士・市や県などの行政も加わり話し合いを持ち、今後の救急をより良いものにすることを目的とした、事後検証会と呼ばれる会があります。以前、その会で医師と救急隊の間でDNRの議論がありましたが、医師と救急隊の間には温度差もあったように思えました。但し、最近の傾向としてはDNRを家族に確認する救命士も増えてきた感がありますね…

因みに僕はDNRを家族に尋ねてトラブルに至った事は一度もありません。僕が救急車を呼ぶ逆の立場であったなら、DNR確認を求められても全く問題ありません…要は聞き方かもしれまんね。いきなり、ぶっきらぼうに…
『心臓、呼吸が止まってますけど救命処置しますか?』

こんな言われ方をされたらカチンときますからね…やはり人同士の関わりです、相手の気持ちになって、丁寧に説明すれば理解を得られるはずですから。



最後に雑学。
DNRって単語が浸透してますが、DNRの意味は蘇生するな!です。救急隊としてはDNAR(do not attempt resuscitate)=蘇生を試みないで!の方が適切でありましょう…つまりDNARと言う呼び方が◎なのです。

久しぶりの更新なので、長々といっちゃいました…ではまた、アディオ~ス👋