2024年のライブ初めはなんとあのパット・メセニーです。

 

ということで、昨日1/14に札幌文化芸術劇場hitaruで行われた

Pat Metheny Dream Box Solo Tour

のライブレポです。
 
 
このツアーは地方公演6か所、ブルーノート東京で12公演という、約二週間に渡るジャパンツアー。
 
しかも地方公演はソロツアー。ブルーノート東京はベーシストのロン・カーターとドラムスを迎えたトリオ編成とソロでのライブがという、かなり面白い構成のツアーとなってます。
 
札幌公演はツアー初日。ここから、1/16新潟、1/17群馬、1/18愛知、1/19大阪、1/21岩手、ブルーノート東京1/23~28(&ロン・カーター)、1/30~2/4ソロという日程です。
 
パット・メセニーは20代のときに偶然知って、そこから名盤「The Road To You」を知ったり、2010年にリリースした「Orchestrion」を知ることに繋がりました。
 
ジャズ・フュージョンギタリストとして、今でも第一線を行くギタリストです。
 
ツアー初日なんですが、あまりにも素晴らしいライブでしたので、たくさんの方にこのライブを体験してほしいということもあり、ライブレポを書くことにしました。
 
結構ネタバレになってしまうので、これから楽しみにしている方は閲覧ご遠慮ください。
 
そして、行こうか迷っている方は絶対に行ったほうが良いです。信じられないような体験ができるし、何より彼の素晴らしい演奏をじっくりたっぷり聞くことができます。ソロツアー自体彼自身のキャリアで初めてだそうで、そういうツアーに参加できることも良い体験だと思います。
 
まだチケット販売している会場もあるようですので、ぜひこの機会を逃さないように。
 
 
 
ではここからネタバレありのライブレポになりますので、ご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回このライブも偶然に知って、しかも地元北海道の札幌でも公演がある。更にチケ代が破格とも言える額。これは行くしかないと思ってギリギリチケット確保できました。

 

ライブ会場の札幌文化芸術劇場hitaruは札幌創成スクエアというビルにある劇場で、クラシックコンサートやライブ、ミュージカルなどの演目が披露されるような会場です。新しめのホールなので行ってみたいなと思っていたのも理由でした。

 

少し早めに創成スクエアに行ったんですが、まだ人はまばら。16時会場17時開演ということで15時半くらいから徐々に人が集まり始めました。

 

今回の席は2階席の左側。オペラハウスのように階段状に席が配列されているので、2階席でも十分にステージを見ることができます。むしろステージすべてを見渡せたのでかなり良い席だったかなと思いました。

 

17時ほぼ時間通りに開演。最初パット・メセニーからのメッセージ。そして翻訳者からの今回のツアーについて語られました。

 

ステージには何本かアコースティックギターが設置され、椅子は一脚。本当にソロステージだというのがわかります。

 

ナレーションが終わりパット・メセニーが登場。最初はクラシックギターを使って2曲ほど演奏。柔らかい音色とパット・メセニーの素晴らしい演奏が心地よくさせてくれます。ナイロン弦なのでチューニングが狂いやすいということもあり、曲間でチューニングすることもありました。

 

演奏はほぼMCなしで次々と演奏していくスタイルです。次はスティール弦のアコースティックギターでの演奏。こちらもギター一本での演奏。メロディとバッキングのバランスが素晴らしかったですね。

 

ピックを使ったアコギの演奏もあり、そのときにはピックノイズや不協和音を駆使したノイズミュージックのような演奏もありました。

 

このあとのギターがたくさん出てくるのですが、びっくりしたのがパーカッションギターと彼が説明していたギターです。アコギにマンドリンと共鳴弦がくっついているような多弦ギターで、どうやって演奏しているかわからないくらい複雑で豊かな音色を奏でていました。

 

あとナレーションでも説明していたバリトンギターも面白かったですね。ベースとギターの中間くらいの音域で、ギターよりも太く、ベースほど重たくない音色が面白かったです。

 

そして、彼が得意としているセミアコも登場しました。このときにはルーパーを使った多重演奏をしていましたね。ベースフレーズのみルーパーさせていることが多かったので、凄くシンプルで音の重なりがよく分かるような演奏でした。ルーパー使いによくあるバックトラックの組み立てに時間がかかるってことはなかったので、こういう使い方はありだと思いました。

 

演奏曲はDreamBoxの中からだと思いますが、彼の名曲であったり、スタンダードナンバーであったり、ビートルズのナンバーもありました。極を知らなくても全然楽しめたので、このあたりのハードルはないですね。

 

そして、ライブ終盤になります。

 

まずは彼の代名詞であるシンセギターの演奏がありました。そして

 

ステージ後ろの幕があがり、なんとオーケストリオンが登場したんです。

 

オーケストリオンとは、演奏プログラムを組んで自動演奏させるというのはDTMと同じなんですが、実際に楽器を演奏させるというところが大きな違いで、昔ロールピアノというのがあり、ピアノにオルゴールの機構を組み込んで、ドラムやシンバルといった楽器を同時演奏させるという技術がありました。

 

これの現代版といって良いのがオーケストリオンです。2010年にOrchestrionというアルバムをリリースし、2014年にライブアルバムTheOrcestrionProjectをリリースしました。

 

このときのオーケストリオンはかなり大規模だったのですが、今回のはツアー仕様のコンパクトなものでした。

 

個人的にはソロツアーだからアコギ一本での演奏のみと思っていたので、ギターシンセ来たときはやったって思いましたし、オーケストリオンが披露されたときはもう驚きしかありませんでした。

 

会場も驚きと歓声で拍手。演奏しながらバックトラックを組み立てて行くのですが、ステージ上にあった布をパット・メセニーが取るとギタースタンドに設置されていたギターが登場。それがトラックを録音するごとに次々と現れていきます。

 

もう会場は盛り上がり最高潮ですよ。本当にすごかったし、それまでシンプルで癒やしの空間だったのが、一気に華やかなライブ会場に変わりました。

 

演奏が終わると、会場は割れんばかりの拍手喝采。

 

パット・メセニーが会場を去っても拍手は鳴り止みません。そしてアンコール。

クラシックギターでの演奏でした。最初チューニングが合っていなかったようで、チューニングし直しての仕切り直しの演奏という珍しい光景も観れました。

 

演奏が終わるとまた拍手喝采。スタンディングオベーションする方もいました。その後一時会場が明るくなりましたが、再びアンコール演奏。

 

このときは確かビートルズナンバーだったと思いました。

 

そして演奏が終わるとまた拍手喝采。拍手が鳴り止みません。

おそらく想定外だった3度目のアンコールで登場し、本日最後の演奏となりました。

 

約2時間弱。本当に素晴らしい、そしてあっという間の時間でした。

 

初日のライブでしたし、彼自体初のソロツアーということで、どうなるのかなって思っていたかもしれませんが、あの会場の雰囲気でこのツアーは成功するんじゃないかなって自分は思いましたし、パット・メセニー自身もそう感じてもらえたら、この札幌公演が良かったものになるんじゃないかなと思いました。

 

ということで、パット・メセニーソロツアーのライブレポでした。

 

今年のライブ初めにこんな素晴らしいライブに参加できて、今年もいいライブがたくさん観られるんじゃないかなって思いました。

 

もしこのライブレポを読んで、ライブ行ってみたいなって思った方はぜひ行ってくださいね。