【書名】世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編
【著者】とく
【発行日】2021年8月31日
【出版社等】発行:秀和システム
【学んだ所】
・SD(販売管理)モジュールは、製品の販売を管理すためのモジュール。
・SDモジュールには、受注と出荷と請求の3つの機能がある。
・受注は、得意先(お客様)からの注文を受け付けること。⇒受注では、受注伝票を登録する。受注伝票には、品目、数量、納入日付、受注先、出荷先の情報を入力する。⇒この受注を登録することにより、生産計画と出荷日程計画の2つの計画が立てられるようになる。
- 生産計画:受注生産型の場合は、受注伝票の品目・数量・納入日付をもとにMPS・MRP(所要量計画)が立てられる。
- 出荷日程計画:いつ自社から出荷すると納入日付に間に合うかを逆算して算出する。
・出荷は、得意先(お客様)に製品をお届けする業務。⇒出荷では、出荷指示伝票を登録する。出荷指示伝票には、品目、数量、出荷プラント・保管場所、納入日付、出荷先の情報が登録される。⇒出荷指示伝票は、基本的に受注伝票からコピーされて登録される。
・請求は、得意先(お客様)にお金の請求をする業務。⇒請求では、請求伝票を登録する。請求後、お金をいただければ、FIモジュールにて入金処理をする。⇒請求伝票は、受注伝票や出荷指示伝票からコピーされて登録される。⇒SAPでは、請求処理をすると、売掛金が計上される。売掛金の計上は、将来、得意先からお金の支払いをしてもらうことを示すもの。そして、お金の支払いが行なわれると、売掛金が消し込まれ、現金が計上される。
・FI(財務会計)モジュールは、社外に会社の財務状況を報告するためのモジュール。⇒社外に報告するために、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)といったレポートを最終的に作成する。FIモジュールは、経営に必要な財務情報が集まってくるモジュール。
・FIモジュールには、債権と債務と総勘定元帳と固定資産の4つの機能がある。
・債権とは、「お金をもらう権利」のこと。会社が商品を販売すると、お客様からお金をもらう権利(債権)が発生する。⇒お客様がツケで商品代金を支払った=売掛金⇒売掛金とは、モノを売ったので、これからいくらかお金が入ってきますよ、ということを示すもの。そして後日、お客様からツケ分の現金を支払ってもらう。⇒売掛金は、将来回収しないといけないお金があるということを示すもの。債権の業務では、経理担当がお客様からもらった現金をシステムに計上し、売掛金を消し込んだり、売掛金のまま残っていたら、支払ってもらうように督促をしたりする。⇒債権の勘定には売掛金以外にも、受取手形、未収入金などがある。
・債務は債権と逆で、「お金を支払う義務」のこと。会社では、材料やサービスを買うと、お金を支払う義務(債務)が発生する。⇒会社がツケで材料を買った=買掛金⇒ツケは、いずれお金の支払いをしないといけないので、仕入先とあらかじめ契約で決めておいた期日までに現金支払いをする。⇒債務の勘定には買掛金以外にも、支払手形、未払金などがある。
・総勘定元帳では、会社のすべての会計取引を記録する。⇒期末には、総勘定元帳をもとに決算処理し、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)を出力する。
・固定資産とは、会社の土地や建物、製造設備、ソフトウェア、特許権など、長期にわたって所有し、事業を行うために使用する資産のこと。⇒固定資産の業務では、固定資産の取得、減価償却、売却/除却などの取引を記録する。⇒減価償却とは、設備取得などの費用を一定期間に配分すること。
・CO(管理会計)モジュールは、社内の経営に役立てるレポートを作ることが目的。⇒COモジュールは社内の経営に役立てるための原価や収益性のレポートのため、百社百様なのが特徴。そのため、COモジュールを使いこなす企業が経営に強い企業だと言える。
・COモジュールは、間接費管理と製造原価と収益性分析の3つの機能がある。
・間接費管理:総原価は、「製造原価」と「販売管理費および一般管理費」に分けられる。⇒また、製造原価は、「直接費」と「間接費」に分けられる。
- 直接費は、どの部門で使ったコストなのかが分かるコスト。一方で、間接費は、どの部門で使ったコストなのか明確に分からない。⇒そのため、SAPでは配賦という機能を使って、間接費を部門ごとに配分する。⇒配賦とは、間接費は会社全体(または事業部全体など)で使った費用だから、「関わった人みんなで按分しようね」という考えで使われる。
- 配賦するためには、ルール(配分する割合)が必要。配賦のルールは、それぞれの会社環境に合わせて決めることができる。
- 間接費は、誰が使った費用かが明確に分からない。そのため、間接費管理では、「間接費を費用科目ごとに集計すること」、「集計した間接費を関連する部門に配賦すること」の2つを行う。
・製造原価とは、モノを作るのにかかったコストのこと。⇒モノを作るには、材料費と加工費がかかる。
・製造原価には、標準原価と実際原価の2種類がある。
- 標準原価:これくらいのコストがかかるという理論上の原価。
- 実際原価:実際にかかったコスト。
- 実際原価計算をすると、標準原価との差異が見られるようになる。=この差異を原価差異という。⇒原価差異が見られると、コストベースでどこの製造実績が悪いのか、どの購買実績が悪いのかが一目で分かる。⇒コストベースの原価差異分析をすることによって、製造や調達の改善活動につなげられる。
・収益性分析では、売上や原価情報をもとに、品目や国、地域、販売組織、得意先などごとに収益の多次元分析ができるのが特徴。⇒SAPの収益性分析は、会社側で見たい軸の収益レポートを作ることができ、経営判断に活かせる機能。