【日々の事例】
★電子帳簿保存法への対応(1)
電子帳簿保存法の対応をされている会社も多いかと思います。
弊社では、消耗品などをネットショッピングで買ったりしているので、その領収書や明細などを、電子にて保存する対応をしているだけの状況です。
消費税の絡みで、まだ、紙ベースと電子ベースの両方を保存しないといけないですが、今から対応しておいたら、税務調査で突っ込まれることは無いでしょう。
ただ、現在、対応に悩んでいることがあります。
それは、日頃の業務における仕入先様からの納品書・請求書の電子化対応です。
弊社は、卸売業ですので、仕入先様が100社以上あります。
そんな仕入先様が、それぞれ、様々な方法により、納品書・請求書を電子化を進めているのです。
1:メールにてPDFを送付
2:メールにて暗号化フォルダを送付し、パスワードで解凍
3:メールでリンクが貼られ、そのリンク先で閲覧、ダウンロード
4:ID・パスワードを交付され、専用サイトで閲覧、ダウンロード
主だった手法はこんな感じですね。
こんな手法の中で、納品書だけ対応されたり、請求書だけ対応されたり、納品書と請求書の双方を対応されたりと、仕入先様により、電子化スピードがマチマチな上、もちろん電子化未対応の仕入先様も多く、弊社の事務処理が混乱しそうです。
今考えている上記の電子化対応は、こんな感じです。
会社データサーバーに、電子保存用のフォルダを作成し、その中に階層分けし、納品書や請求書を保存していこうかと考えています。
電子保存>請求年月>仕入先様名>該当ファイル
納品書は、年月日や通番で保存。
請求書は、年月のみで保存。
なんにしても、手間が増えます。
発行側は、システム化され、手間が無くなるでしょう。
手間が無くなることで、人件費の削減ができるでしょうね。
しかし、弊社側では、手間が増え、人件費が上昇します。
仕入先様の言い分は、紙ベースのファイリングが、データ保存に変わるので、紙資源の削減と、手間が減り、納品書・請求書の到着日が速くなるということです。
確かに、仕入先様がその1社だけでしたら、省力化となるでしょう。
しかし、未対応の仕入先様が、まだまだ多いですので、紙とデータの混合保存となっていまう状況なのです。
今の電子化状況ですと、結局、納品書も請求書もプリントアウトし、紙ベースでのファイリングをしなくては、弊社側のデータ管理としては、一括管理できません。
つまり、
弊社側では、紙資源の削減にはならないどころか、弊社側でプリントアウトすることになるので、紙コストやトナーコストが増大する上、手間が増える分人件費が上昇します。
また、仕入先様によって、納品書や請求書対応がマチマチで、データ入手方法も異なるため、仕入先様ごとの発行手法を、弊社社員が把握しなくてはならないため、事務処理が煩雑化するのです。
他にも、
納品書や請求書が紙で届くと、弊社のシステム上にその単価等の情報を反映させていく作業があります。
この作業上、弊社システムに反映した処理済である証として、該当の納品書や請求書に、処理した社員のハンコを押しておりました。
電子化されると、このハンコが押せません。
電子化された納品書の単価を反映させた時、保存名を変更したり、別のフォルダに移したり、PDFに書き込めるソフトを導入したりして、未処理か処理済かがわかる何らかのアクションが必要になることでしょう。
(PDFに書き込むということは、データの改ざんになるのかな?)
こうなってくると、統一規格が欲しいですね。
JISやJASのように、日本での商品流通において、デジタル庁で互換情報の基本規格を決めて欲しいです。
電子帳簿保存法を制定し、適格請求書保存方式(インボイス制度)を推進するのでしたら、その統一規格は当然必要だと思うのです。
EDIにしても、基本規格が決まっていないから、システム互換ができなく発展しないのです。
仕入先様A、仕入先様Bが、統一規格により納品書・請求書を作成し、データを弊社に送付してくる。
統一規格にのっとっているので、たくさんの仕入先様から来るデータを取り込むことができ、弊社システムに反映させる。
そして、
弊社においても、統一規格にのっとって、お客様側に納品書・請求書のデータを送付でき、お客様側でもシステムに反映させる。
表計算におけるCSVみたいなものですね。
こうなれば、業界全体で省力化できます。
各会社でシステムは違うでしょう。
そして、そんな会社ごとのシステムを、国は指定や制限することはできません。
しかし、違うシステム同士が互換できるように、納品書・請求書業務における、データレコードの統一規格を制定することはできるはずです。
そうして、皆が省力化できることが判れば、一気に電子化は進むことでしょう。
そして、国にとってもメリットを作ることができます。
統一規格によるデータで、税務調査を省力化できたり、不正を見つけることだってできるでしょう。
法人番号と連動させることで、脱税や粉飾が見抜けやすくなり、正常な企業活動が推進できますし、税金を投入するべき未来ある企業が見つけやすくなるでしょう。
企業側も、正常な企業活動が推進されることで、企業信用情報の精度が上がり、銀行による適正な資金融通も期待できる上、急な倒産による売掛の未回収も減ることでしょう。
DXと叫ばれていますが、産学官が協力しあって、取り組まなければならないと思います。
日本という国が世界から置いていかれないため、企業の生産性を上げていくためにも、取り組んで欲しいですね。