2016年リオオリンピックの日本柔道メダルラッシュの立役者の一人、選手の肉体改造を実施したトレーナー(現役ボディビルダー、最近出演されてるホンマでっかTVでは『骨格筋評論家』笑)の岡田さんと昨年の暮れに会った時に聞いた話から、
改めて“筋肉”について考える日々が続いてます。
自分の筋肉を改造するヒントも得たけど、
リハビリテーション担当の利用者さん(高齢者、片麻痺の方、中・重度の要介護状態の方)の筋肉は、どうあるべきなのか
またどう関わるとみんなハッピーになれるのか。
考える材料をたくさん貰いました。
脳の機能や認知科学の観点からの治療(? リハビリテーション)とか、
福祉用具やリハビリ機器のロボット化・IT化、要はイノベーションとか、
今後もっと取り入れられるであろうことは理解できるけども、
人間の動きの基本は筋肉の機能という戻るべき原点、そんなことに興味が湧くわけです。
特に大怪我で後遺症の残る人や麻痺の方でskillfulに生活してる人なんてのは、自己身体の取扱い方を熟知し管理する能力についてはアスリート以上なのではないか、と感じたりする瞬間があります。
そういう方々(要はいわゆる維持期に該当する対象者)の能力向上に、
かつての【介護のイメージ】で穏やか~に負荷をかけていても、強化にはならんのであります。
(介護の軽度者を対象にした考察ではないので当然、医学的評価と管理が前提のもと)
明らかに不使用に陥っているであろう筋肉を『徹底的に』(これでもか、というくらい徹底的に)使って、組織に血を届けてあげる必要があるのだと、思っていたここ近年に、
自らもボディビルダーで鍛え上げている岡田さんの話が非常に腑に落ちるわけです。
“ボディビルダーの観賞用筋肉もスポーツする筋肉も命令を出す脳を鍛えるという意味では、使える筋肉・使えない筋肉なんてのはない”
“筋肉があればあるほど、高いパフォーマンスを出せる数を増やせるわけで、その筋肉は出来るだけ早い段階で獲得しといてその後スキルの練習に時間を充てたい”
後遺症の残る身体に機能改善トレーニングをする対象は高齢者(いわゆる年寄りイメージ)というのは過去の話で、
今や対象者は若年化、もしくは高齢でも身体組織(細胞?)が元気な方が多い気がしますゆえ。
期待に応えていく準備をしておきたいものです。
ボディビルダーのような身体を目指すには食事のコントロールもシビアにする必要があるのでかなりキツイのは確か。(5年前には夜中まで一緒に呑んだ岡田氏も、ボディビルにハマった2年前からは酒や甘いものなど、“筋肉に無駄な栄養は要らない”と…!タンパク源は3時間おきに補給。。ストイック!さすが突き抜けてます。私は糖分を食べてしまう…と痛感した次第)
高齢者にボディビルダーのような食事を、とは要求しません(できません)が、
筋肉があって初めて機能が働くという理屈は、臨床現場的にもよく分かりますし、
実際、重度な麻痺の方でも少しずつ改善が見られるような。
ここで考えた内容の対象者は、
フィットネスクラブで運動できそうな軽度弱化傾向の高齢者ではなくて、
保険期限切れで退院 →改善を期待して老健施設で数ヶ月(ほんの少しの“リハビリ”を実施) →なんとか自宅復帰も廃用症候群で家族の全介助レベルの中〜重度な後遺症が残る方でも同じ。。
多分、この思考方向は、間違ってない気がする…たぶん。
それでは、実施『環境』設定を、どうやってしますか、ということが、
本当の介護重度化予防の課題のような気がします。これについては、ただいま毎日模索・試行錯誤して開発中でございます。
簡単には、いかない。お客さんに諦めてもらえば直ぐに可能でしょうけどそんな業界はダメでしょう、と退けない部分の気がします。
Masa