先日、在宅リハビリテーション栄養という本が出版されました。
多岐にわたる医療専門職が各章を担当されている構成とその内容を拝読して感じたことは、
改めてリハビリ栄養という分野はあらゆる医療関連職が関わって成立するものなのだなぁ、ということと、
在宅環境でリハビリ×栄養の実践を実現するためには、それぞれの融合が必要なんだと感じました。
融合?そのためには相手を(相手の懐まで入り込んで)、知らないと、知ろうとしないと、そんな願いは叶いませんけど。
(リハビリテーションは軽度者と重症者のみが対象ではないことをつくづく言いたい。リハ栄養の対象も。)今日、新規のリハビリ(ご利用)希望の依頼をケアマネから受けた患者さま。
心臓の「手術」後で、医師からは「階段や坂道を登ったりしてはいけない」との指示とのこと。
でも、「生活」してたらそんな環境場面には少なからず出会うわけだし、必要あらば階段は「登る」しかない。どの程度「いけない」状態なのか、分かりませんねぇ、、??と担当ケアマネと話していたところでした。
実際に、生活を続けるということは、医療機関で注意される指示があいまいで迷ったり、実生活の習慣内では厳守することが難しかったりすることが多い。
当然、医学的観点では注意が必要、という状態だとしても、ライフプランに配慮していないかのように、「ガイドライン」に記載されているであろう注意文面だけをクライアント(対象者)に放り投げて安易に退院させてこないでほしいものです。
でも、リハビリ(運動)しないと廃用症候群へまっしぐら。
希望は、いつも行っていた散歩コースを回れる程度の体力回復。
だから、在宅施設側は、正直言うと「やるしかない」んです。リスク管理の下、それ相応程度の運動の実施を。
そんな時、有効なのが栄養情報だと、思うのです。
以前と今の食習慣は。なぜそのような習慣か。(決して 「どんな栄養状態なのか?」 は評価の優先順位としては先ではない。あとで知れたら良いのダ。)
そのような評価が、運動負荷量の設定と回復の期待値、もしくはリスクを把握するために非常に有効になってくると感じます。
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例えばタンパク質が少ない食生活であれば、血管(このケースの場合は心臓血管)が脆いかもしれない、もしくは血球の形が維持できないタイプかもしれない。
鉄分を筆頭にミネラルやビタミンが少なそうであれば、血液をはじめとする組織の構成体に弱さがあるかもしれない。
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しょせん、推測の域を越えないけども、ある程度の身体組織の構成要素の状態を把握しておけます。
そのことで、リハビリ中の「疲労」現象が、休ませたほうが良いのかハタマタ改善するために耐えるべき疲労なのか、判断する材料が持てることになる。
すげ場当たり的な感じでもあるけど、
結局在宅リハ栄養って、そーゆーことだと思う。
この本を読んで改めてそう思いました。
(医歯薬出版HP ⇒在宅リハビリテーション栄養 )
そんな地域があれば強いなぁ。
Masa