リハビリテーションというエイジング・ケア | リハビリ茶屋

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理学療法士/抗加齢指導士のエイジング情報

抗加齢指導士のma-bo-です。





変化することがあまり好まれない日本の文化の中で、


最近の日本医療・介護の現場では、常に変化を求められます。


例え変化が好きでなくても、変化しようとしている事象の脚を引っ張るかのように見える時は、かなりこの文化に情けなさと悲しさを感じます。


変化しないことが悪いことではなく、変化することが必ずしもイイことでもない。






God, give us grace to accept with serenity the things that cannot be changed, courage to change the things that should be changed, and the wisdom to distinguish the one from the other. (Reinhold Neibuhr )

おお神よ、我らに与えたまえ。変えることのできないものを受け入れる平静さを。変えるべきものを変えるだけの勇気を。そして、変えられることと変えられないことを見分ける知恵を。(ラインホルド・ニーバー))







10年前の本↓


リハビリ茶屋-where is a cheese

『チーズはどこへ消えた?』 (スペンサージョンソン.扶桑社,2000.)






高齢の方々は、リハビリ室や療法士が傍にいるときに出来ていた動作能力も、


生活内に戻ったりすると種々の環境要因により、必ず全く同じように出来るとは限らない。


筋力増強や神経ネットワークの再構成は運動・認知刺激を継続する限り続く = 機能向上は続く と考えられるが、エイジング(加齢)現象に打ち勝って初めて、機能向上という結果になるわけです。





リハビリ学校(回復期リハ入院)という時期が終わりに近づくにつれて、


目標や課題を退院後の生活に即したものにシフトしていかなければ、家族や退院後に関わる人々にとってはとてもやりにくい。


「…、入院リハビリでなんだか変な固定観念を学ばれたのか?」


と感じる身体現象をされた方が、なんだか多い気がします。


筋肉(四肢)は「このように」動かすもの困難な動作は「頑張って」動作するもの、と意識(大脳皮質脊髄路優位の随意活動)での動作がやたらと多い。


意識を外されたとき(例えば歩いている際に、誰かに声をかけられた時)に、足をつまづかせる可能性があることは、想像がつく。


それは明らかに、障害予防的観点に欠けるリハビリテーションの提供ではなかったのか、と思ってしまうワタシ。






「加齢現象」については、高齢者を対象に仕事をさせていただく限り、経験則だけではなく、それなりに学んでおくと落ち着いて対応出来ます。


歳を重ねるにつれてクライアントがどのような身体の不調が起きるか、またはどの程度の機能回復の可能性を語れるか、そのための手段は…など、潜在能力の予測を立てることが出来ます。





エイジングケアというと、最近は若い女性を対象にした美容のコマーシャルや広告でその名が認知されてきていますが、


リハビリって、障害からの「復権」だけでなく、基本的にエイジング(加齢)にブレーキをかけるためのケアとも言えるでしょうね。








▼リハビリテーションの定義(WHO 1981)▼


リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。 リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。 そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。







Masa