以前の記事↓【保険診療の限界①「癌治療医はとにかく忙しい!」】でも書きましたが
多くの患者さんが来院する癌治療の保険診療では、医師も多忙を極め、患者さん一人に割ける時間には限りがありますよね。
「栄養状態が良ければ、癌治療の成績も向上する、また予後も良くなる」ということが浸透しつつある一方で、現在の保険医療では時間的制約から患者さん個々の栄養状態までカバーするのは難しい、という現実があります。
そして実は、保険診療にはその時間的制約よりももっと大きな問題が存在します。
それは、保険診療の血液検査は、あくまで「異常があるか、ないか」のみを見ていて、「異常なし」なら大事なサインはスルーされてしまうということ。
血液というのは、もちろん異常を検出する大事な手がかりになりますが、私たちが口にしたものがくまなく溶け込んでいて
「栄養状態、健康状態を如実に映し出す鏡」
でもあるのです。
それを分子整合栄養学的に紐解いていくと、驚くぐらい様々なことがわかってきます。
あーだからこんなにつらかったんだ…と本当に目からウロコです。
でも、残念ながらそういった視点は、保険診療には一切ありません…。
とにかく「異常か、異常でないか」「白か黒か、白なら問題なし、以上!」って感じですよね。
実際、どうでしょう?
例えば、ビタミンDの血中濃度。
このような研究も多くあり、ビタミンDは乳がんだけでなく癌免疫にも深く関係すると言われています。
↓
(血中のビタミンD濃度が高ければ、乳がん患者の生存率が高く予後が良好である)
日本人の多くが欠乏状態と言われているビタミンD。特に紫外線をさける傾向がある女性のビタミンD不足は顕著です。
それなのに、保険の血液検査に含まれることはなく、ご自分のビタミンDの血中濃度がどれぐらいあるか、把握している方なんてごくわずかなんじゃないでしょうか?
また血液検査ではおなじみのALT、ASTはどうでしょうか?
LDHは?
主治医に自分の栄養状態のことを聞いて、納得いく答がもらえていますか?
たったこれだけの項目からも栄養欠損のサイン、癌のリスクなど様々な情報が見えてくるのに、血液検査に含まれない項目もあるし、主治医も基準値以下なら問題なしとする場合が多いですよね。
つまり、保険診療の血液検査というのは、体の中のことが一部しか見えておらず「基準値以内は問題なし」とスルーされてしまうため、栄養状態を正しく評価するという点においては、言葉は悪いですが、言ってみれば
「穴だらけ」
なのです。
これは保険診療の限界と言えます。
決して保険医療を否定しているわけではありません。
わたし自身もお世話になっていますし、保険医療で救われることも多いです。
しかし、その限定的な保険診療だけで「癌に対抗できるだけの揺るぎない栄養という土台」をキープしていくのにはどうしても限界がある、ということが言いたいのです。
以前書いたように
①時間的な制約により、医師が患者さんの栄養状態まで手がかけられない保険診療の現状。
+ それに加え
②限られた項目の血液検査と基準値以内なら問題なしとされる保険診療。
①、②が重なってしまうと、せっかくの大事なサインはことごとく見逃され、癌治療が進むにつれ、栄養欠損がどんどん進み、免疫力も下がり、衰弱してしまいます。
そうなってしまう前に
「癌治療に関しては、全面的に信頼して主治医にお任せする」
でも
「保険診療だけではどうしてもカバーしきれない、置き去りにされがちな自分の栄養状態に関しては、自分自身で守っていく」
という前向きな姿勢を持つことは、癌治療においてとても大切なことだと思うのです。
ただ、ここで安易に「それなら、いいと言われている○○のサプリで補って」…みたいな「自己流栄養療法」や「なんちゃって栄養療法」をしてしまうと、癌の体には本当に危険ですよ。
分子整合栄養学の専門医のアドバイスを得ながら、体内利用効率に基づいて設計された医療用サプリメントを使って、癌の住みにくい体を自分自身で作っていきましょう。
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・2021年10月 右乳癌ステージ2B
腫瘍径 1.8cm ER100% PR100% Her2(-) Ki67 30% 核異形度3 ルミナルB 腋窩リンパ節2ヶ所に転移あり
・2021年12月 放射線治療
・2022年 1月 ホルモン療法開始
・2022年 6月 PET 乳腺、腋窩リンパの腫瘍は消失も肝臓2ヶ所、肺、肋骨に転移が判明→乳癌ステージ4
・2022年 8月 免疫療法開始
・2022年 2月 PET 肝臓2ヶ所は縮小
・2022年 3月 肋骨のみ放射線治療
・2022年 3月 肺、肋骨に追加の免疫処置
栄養療法に支えられ、元気に乳がん闘病中
乳がんステージ4でも負けない!
分子整合栄養医学 KYBの栄養療法とは?
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栄養療法(オーソモレキュラー療法)をお届けします。