日本人事 山本喜一のブログ -5ページ目

東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A ③

【診療費関係】

Q1 仕事中に被災してケガをしたので医療機関に受診したいのですが、津波により事業場が
 無くなりました。この場合でも受診できますか。

A1 今回の震災では、労災請求される場合に
  ① 任意の様式で請求できること
  ② 事業主や診療した医師の証明がなくても受け付けること
 などの弾力的な運用をしています。
  病院に行かれた場合には、労災で受診したいと医療機関に申し出てください。
  また、労災保険に関する総合的な出張相談を実施しています。この相談窓口で必要な用紙や
 書き方の説明の外に請求書も受け付けていますのでご活用ください。


Q2 労災指定されている医療機関はどこで確認すればよいですか。

A2 今回の震災では、労災保険に関する総合的な出張相談を実施しています。この相談窓口で
 労災指定医療機関の場所や名前が分かります。


Q3 会社から避難中にケガをし、保険証もなかったので全額自己負担で受診しました。今から
 労災申請できますか。

A3 仕事中に避難し、その途中でケガをされた場合には業務上として労災保険の療養が
 受けられます。既に自己負担されていても、その自己負担分が労災保険から支払われますので、
 自己負担した金額が確認できる領収書などを添付して請求することとなります。
  今回の震災では、労災請求される場合に
  ① 任意の様式で請求できること
  ② 事業主や診療した医師の証明がなくても受け付けること
 などの弾力的な運用をしています。
  また、請求書の提出方法についても
  ① 最寄の監督署への提出
  ② 出張相談を利用しての提出
 を可能としていますのでご活用ください。


Q4 地震で最寄の病院が閉鎖し、受診できなくなりました。他の病院に通院していますが
 遠いので交通費が負担になっています。どうにかなりませんか。

A4 労災保険では、片道が2km以上の通院については、交通費(通院費)の支給ができます。
 通院費が支給されるのは、
  ① お住まいと同一の市町村の適切な医療機関
  ② 同一市町村に適切な医療機関がない場合は、近隣地町村の適切な医療機関
  ③ ①②に適切な医療機関がない場合は最寄の適切な医療機関
 となっています。
  今回の震災では、労災保険に関する総合的な出張相談を実施しています。この相談窓口や
 監督署、労働局で通院費支給のための請求書の書き方などの相談を受け付けていますので
 ご活用ください。


厚生労働省「東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A」より

東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A ②

【通勤災害関係】


Q1 自宅が津波により被災したため、避難所から会社へ通勤していますが、その途上でケガをした
 場合、通勤災害になりますか。

A1 地震や津波により自宅が倒壊や押し流されたりしたために避難所で生活をされている方は、
 避難所が「住居」となりますので、「住居」から会社へ向かう際の災害は通勤災害として
 認められます。


Q2 父親が会社を出て帰宅途中と思われる時間帯に、津波に遭い亡くなりました。通勤経路や、
 どのあたりで被災したかはわかりませんが、労災請求できますか。

A2 被災の状況がわからない場合であっても、明らかに通勤とは別の行為を行っているということ
 でなければ通勤災害として認定されます。ご自分で判断ができない場合についても、請求書を
 受け付けて調査しますので、労災請求をお勧めします。


Q3 会社からの帰宅途上で、津波警報が出たため、自宅に向かわず避難場所へ移動する際にケガを
 しました、この場合通勤災害になりますか。

A3 通勤中に警報が出たため避難することは通勤に通常伴う行為ですので、通勤災害として
 認定されます。


Q4 いつも電車で通勤していますが、地震のため電車のダイヤが大幅に乱れているため、通常より
 2時間以上早く自宅を出て会社へ向かっている際に怪我をした場合、通勤災害になりますか。


A4 会社に早く行かなければいけない事情がある場合には、その事情の範囲内で早めに出勤しても
 通勤として認められます。
  なお、この場合でも途中で逸脱や中断をした場合は通勤ではなくなりますので、気をつけて
 ください。


Q5 いつも電車で通勤していますが、電車が復旧しません。会社はオートバイでの通勤を認めて
 いませんが、渋滞が激しく、オートバイを使わざるを得ません。このオートバイで通勤中に
 ケガをした場合、補償の対象となるでしょうか。

A5 会社へ届け出をしていない又は承認を受けていない場合であっても、合理的な経路・方法の
 通勤であれば補償を受けることができます。



Q6 地震で電車が止まってしまったので、4時間歩いて家に帰りました。その時にケガをした場合、
 通勤災害になりますか。

A6 普段通勤に使用している電車等がその運行状況によって使用できずに、歩いて帰らざるを得ない
 状況であれば、通勤と認められます。
  なお、この場合でも途中で逸脱や中断をした場合は通勤ではなくなりますので、気をつけて
 ください。


Q7 電車が止まっていたため、その日は会社近くのホテルに宿泊し、翌朝ホテルから出勤する
 途上でケガをしました。この場合通勤災害になりますか。

A7 地震によって電車が運休し、自宅に帰ることができずに会社近くのホテルに泊まった場合には、
 宿泊したホテルを「住居」として認められます。したがって、翌日、会社に勤務のために向かう
 行為は通勤と認められます。
  なお、この場合でも途中で逸脱や中断をした場合は通勤ではなくなりますので、気をつけて
 ください。


Q8 地震のため電車が動いておらず、職場で一晩とまってから翌朝帰宅しました。帰宅途中に
 ケガをした場合、通勤災害になりますか。

A8 電車が動かないというようなやむを得ない事情がある場合、職場に宿泊してから帰宅する際の
 ケガは通勤災害として認定されます。
  なお、この場合でも途中で逸脱や中断をした場合は通勤ではなくなりますので、気をつけて
 ください。


Q9 地震でケガをして入院している妻の看護のために、寝泊りしている病院から出勤する途中で
 ケガをしましたが、通勤災害になりますか。

A9 看護のために病院で寝泊りをしている場合、病院から会社へ行く際のケガは通勤災害として
 認定されます。


Q10 地震で自宅が倒壊したため、その後は友人の家に一時的に住まわせてもらっています。
 友人の家から会社まで行く際のケガは通勤災害になりますか。

A10 お尋ねのような事情がある場合には、友人宅が「住居」と認められますので、通勤災害と
 して認定されます。



厚生労働省「東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A」より

東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A ①

【業務災害関係】

Q1 仕事中に地震や津波に遭遇して、ケガをしたのですが、労災保険が適用されますか?

A1 仕事中に地震やつなみに遭い、怪我をされた(死亡された)場合には、
 通常、業務災害として労災保険給付を受けることができます。
  これは、地震によって建物が倒壊したり、津波にのみ込まれるという
 危険な環境下で仕事をしていたと認められるからです。
 「通常」としていますのは、仕事以外の私的な行為をしていた場合を除くためです。



Q2 仕事中に地震にあって、会社にある地域に避難指示が出たので避難している最中に
 津波によりケガをした(死亡した)場合は、労災保険が適用されますか。

A2 仕事中に地震があり避難することには、仕事に付随する行為となります。
 したがって、津波に限らず、避難行為中に怪我をされた場合は、通常、業務災害と
 して労災保険給付が受けられます。
  基本的な考え方はQ1と同じです。


Q3 仕事中に津波にあって未だ行方不明の場合、行方不明の方の家族は労災保険の
 請求はできるのでしょうか。

A3 震災により行方不明となった方については、警察の調査により死亡が判明した場合、
 あるいは、民法の規定により行方不明となった時から一年後に死亡と見なされた場合、
 労災保険の遺族補償給付の請求ができます。
  なお、今回の震災により行方がわからない方については、特例的に民法に規定する
 一年よりも短い期間で労災認定ができるようにすることを検討中です。


Q4 被災地へ出張していた際、出張用務中に地震や津波に遭い、ケガをした(死亡した)場合、
 労災保険が適用されるのでしょうか。

A4 出張は、開始から終了まで業務遂行性(業務命令に服している状態)があると
 されていますので、この間に地震や津波などの災害に遭った場合には、私的行為中などを
 除いて、労災保険の適用があります。


Q5 業界団体からの要請に基づいて従業員を被災地へ派遣(在籍出向・転籍出向)させる場合、
 赴任途上も含めて現地での業務・通勤に労災保険は適用されるのでしょうか。

A5 お尋ねの場合では、出向先までの赴任途中の災害については、原則、出向先の労災保険が
 適用されます。
  また、出向先での勤務が始まった場合には、通常の勤務となるので業務災害や通勤災害の適用が
 あります。
  なお、出向ではなく、出張として派遣されたときは、出張開始から終了までに起こった災害は、
 私的行為中などを除いて、労災保険が適用されます。


Q6 休憩時間中に地震や津波に遭って負傷した場合、労災保険は適用されるのでしょうか。

A6 休憩時間中でも事業場の管理する施設(会社の建物の中など)にいる時に、地震や津波があり、
 建物が倒壊したり押し流されたりして被災した場合には、仕事中と同じ考え方(Q1)で業務上の
 災害として労災保険給付が受けられます。


Q7 外回りの営業に出ていた従業員が地震や津波で死亡した場合、労災保険は適用されるので
 しょうか。

A7 事業場の外で勤務しているときに地震や津波に遭遇し、被災した場合には、その時に明らかに
 私的行為中でない限り、危険な環境で仕事をしていたとして業務災害と認められ、労災保険給付が
 受けられます。



厚生労働省「東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A」より