受流。
英信流正座の部、六本目の技。
正面に対しわれ右45度斜め向きに座し居たるとき、対敵正面上位より斬りこみ来たるを、我立ち上がりながら斬り込み来たる敵刀を受け流して、我が体を捻りながら、体の流れ来たる対敵の首へ(角度によっては肩へ)斬り下ろして勝つ意也。
この技以外にも敵の刀を受けて反撃する技がある。
しかし、私はこういった受け技があまり得意ではない…
ただ説明通りに立ち上がり、刀を抜き、足を動かすだけでは結局ただのチャンバラダンスだ。
敵が振り下ろしてきた刀を実際に受け、流したときの動きをしなければならない。
それが難しい。
なかなか刀を受け流す動作が出来ない私に痺れを切らせた先輩・岡本のおっちゃんは、
「木刀を持て!俺が打ち込むから先生や俺が教えてきたように受け流してみろ!」
そう言って私に鞘付の木刀を渡した。
抜刀したら下から刀をかちあげ受ける、そして流す。
いざ、おっちゃんに打ち込んでもらうとなると、怖くて緊張が走る。
いつもとは違う…打ち込んでくる敵がいる…打たれると痛い…来るぞ…左斜め前から敵が来る…
刀を抜こうとしてる…来た!…危ない!
実際に打ち込まれてみると受け流せていたのである。
居合刀を抜いて振るだけでは、教えてもらった技がどのように作用するか、それがどうしても想像できなかった。
刀を置きに行くのではない。刀を置きに行くだけでは敵の斬り下しを受け流すことはできない。
実際に打たれてみて、受けてみて。
やってみなくてはわからない。