こんにちは
いつもお読みいただきありがとうございます
子供が少しでも幸せになってほしい。
できるだけよい学校に進んで、
豊かな人生を歩んでほしい。
そんな願いは、親なら誰もが持つ
「素直な親心」だと思います。
私たちは、子育てにおいて多かれ少なかれ
「こだわり」を持っているものです。
「ちゃんと勉強してほしい」
「○○の習い事は続けさせたい」
「○○高校に行かせたい」など、
その内容はさまざまですが、
すべて子供のためを思ってのことに違いありません。
ところで、「こだわり」という言葉には、
実は少し違った側面があります。
「こだわり」の本来の意味
「○○にこだわり続けて30年」と聞けば、
情熱を持って一つの道を追求する、
職人のようなイメージが浮かびます。
ですが辞書をひもといてみると、
「こだわる」には
「つまらぬことにとらわれる」
「気を使いすぎる」「迷う」「滞る」といった、
ややネガティブな意味が含まれています。
本来の「こだわり」とは、
「執着」や「思い込み」に近い感情なのかもしれません。
本番に弱いスポーツ選手の心理
例えば、スポーツ選手で、練習では良い成績を出せるのに、
本番になると力を発揮できない人がいます。
「よい成績を出したい」「勝たなければならない」
という思いが強くなりすぎると、集中力が途切れ、
「あがる」といわれる心理状態に陥ってしまうのです。
野球なら、バッターボックスに立った瞬間、
「打たなければ」「いい結果を出さなければ」
というこだわりを手放し、一球一球に集中することが求められます。
この考え方は、子育てにも通じるところがあります。
親のこだわりが子どもの視野を狭める
「こうあってほしい」という親の願いが強くなりすぎると、
それはやがて「こうあるべきだ」「こうでなければならない」
という形に変わっていきます。
すると、うまくいかないときに、
「先生が悪い」「学校が悪い」「社会が悪い」と、
他人のせいにしてしまう思考に陥りやすくなります。
そして子どもは、そうした親の姿勢をよく見て育ちます。
他罰的な親のもとで育つ子供は、やはり同じように、
何かうまくいかないと
「先生のせい」「環境のせい」と考えるようになります。
そうして、本来は自分の中にある可能性や力に
目を向けることができなくなってしまうのです。
子どもの「できる」に目を向けよう
「こだわり」は、何かを柔軟に吸収したり、
理解したりしようとする動きとは、
正反対の性質を持っています。
親のこだわりが強すぎると、
それは子どもの成長の足かせになってしまうのです。
親として大切なのは、
「こうなってほしい」と願うことよりも、
「今、できること」に目を向け、
それを温かく見守ること。
その小さな「できた!」の積み重ねが、
子供の自己肯定感を育て、大きな可能性につながっていきます。
一歩引いた視点で、子供の現在地を受け入れてあげましょう。
そこには、未来へつながるたくさんの芽が、
もう育ち始めているかもしれません。