せきらら性教育 -9ページ目

明日はGood Fridayです。

え? キリストが磔にされたのに、何でGOODなの?

だんな、答えていわく、

「だからさ、自分の罪について考えられるからいい事が出来るでしょ」

ほほお。

「ほれ、そやから、あんたも自分のことよおおおく反省しよし」
「それは、

おかあでしょ」

いいやがったなあ!

親子で仲良く、イースターエッグを作りました。ゆで卵に絵を描きました。


素朴な味わいの作品です。







Day and Night
芸術の粋を凝らした作品と申せましょう。


誰がどれを作ったかは、申すまでもありませんね?

もうすぐイースターです

クリスチャンではないんですが、その辺は適当に、イースターをお祝いする罰当たりな一家です。

もともとは、土着の春の農作業開始のお祭りだったようです。

だから、卵でウサギなんですな。

「え、何で?」
「卵は、そこからひよこが生まれてくるやろ。そやから、新しい始まりで、豊作のお祈りやな」
「ウサギは?」
「ウサギは、ぽこぽこぽこぽこ、セックスをしては子供をぼんぼん生むンや。春らしいやろ」
「ああ、だから、昨日・・・」

ここから先、検閲が入りました。言論の自由の弾圧です












































って、弾圧すると、余計に想像が働いて、いらんことを考えるので、しないほうがいいです。

ですから、再録。

「ああ、だから昨日、お店でたくさんウサギの人形を売ってたんだね」

皆さん、ナニを想像しましたね(笑)。

先生の二の舞か・・・・?!

昨日の夜は、息子の所属しているオーケストラの吹奏部のコンサートでした。

朝、学校に行く前にWhen I’m 64を

「ちょっくら練習するかな?」

といって、フルートを吹いているのをきいていたら、間違えまくり・・・。

「お前、大丈夫なんやろな?」
「大丈夫だって。間違えても誰にも聞こえないからさ」
「そやけど、お前・・・最後のジャズ・ブルースはソロがあるやないか・・・」
「ああ、だって、あのソロはぼくの作曲で即興なんだから、間違ったって誰も気がつかないって」

ああ、この楽天ぶり先生の二の舞になったらどうする気やな。

ジャズの曲の場合、ソロ、というのは一人で演奏するだけじゃなくて、即興が基本。もちろん、事前に自分なりの曲を作っていくんだけど、そのたびに少しずつ変えたり、変えなかったり。

そして、夕方。コンサートは始まった。

けっこう上手でしたね、12歳以下のグループのくせに。

最後、運命のジャズ・ブルース・・・。まずはクラリネットのソロ。そして、息子が立ち上がる・・・。

うー、もう、見てられへん! 心臓がばくばくして、は、吐きそう! 

が、母親を父親の心配をよそに、間違えもせずに無事にソロを終えて、観客ににっこりと息子は笑いかけたのでした。

この、根性。 

褒めてとらせる。




フルートって、やっておられる方はご存知だと思うんですけど、唇の形で音が出るんです。ものすごい筋力が必要で、顔面大リーグ矯正ギブスがほしくなります。それで、緊張したりすると、リッププレートが滑ったり、唇が硬くなったりして、あわわわわ・・・。息が続かなくなったりもするし・・・。

ただものではないですね、うちの息子は。わたしの負けです。

資本主義のくねくね説明4


資本くね説、なんか新しい学説のようでかっこいい。

初めての方はこちらからご覧ください。

フェアートレードについて語る

資本くね説1

資本くね説2

資本くね説3




資本主義は「儲けたもん勝ち」であるから、どうしてもいろんなところでケチろうとする。それで、たいてい一番ケチられるのは一番弱い立場にある人たちだ。つまり、農業生産をする人たちや労働をする人たち。強いのは、企業。特に大きければ大きいほど、強い。そして、どんなに働いても、稼いだ外貨は、借金の返済や借金の利子の返済に流れてしまう。国は貧しいまま。働く人たちはいつまでたっても貧乏なままだ。

「もっとお給料を上げてください」
「そんなことを言うならクビね。ほかにも働きたい人はいるのよ」

「もっと高く買ってください」
「そんなことを言うなら買わない。ほかにも安く売ってくれる人はいるのよ」

だから、ユニオンまたは組合が必要になる。日本を始めとした先進国ではこの組合を作ることが労働者の権利として認められている。団体交渉権ってやつ。

「そやから、やたら安う働かせたろ、とか、安う買いたたいたろ、とかしてもできひんねん。みんなで一緒に、『そんなもん、絶対に言うこときかへんでえ。めちゃめちゃいうんやったら一発かましたるで!』って、企業に言うことが出来るンや」

しかし、資本主義の後発国では、こういった法制度が整っていないのが現状だ。しかも、工場などの場合、安全基準などもなきに等しい。保障制度もなきに等しい。だから、たとえばインドのBhopalでのユニオン・カーバイドの事故のようなものが起きるわけだ。そして、こういった事故が起きた場合、企業は責任を取らずに言い逃れる。企業の本国は経済力などを利用して自国の企業を守る。

「それは、ひどいと思うよ。悪いことをしたら、いけないんだよ」
「そうなんやけどな、悪いことってゆうても法律がちゃんとしてへんかったら、犠牲になった人らは何にもできひんねん」
「ねえ、じゃあ、自分の国でしたって良いんじゃないの?」
「そやけど、こういった大きな企業のある国は、たいてい法律がしっかりしてて、ジャーナリズムもしっかりしてるさかい、悪いことしたらえらいことになるンや」
「でも、よその人の国で悪いことをしちゃいけないでしょ」
「そうや、よその家に行って、そこの風呂場を壊したり、立っておしっこしたりしたらあかんのと同じや」
「でも、してるの?」
「そうやねん・・・」

だから、フェアートレードなんかが大事なんや。フェアートレードの関係の農場やら工場やらで働く人は、ちゃんとしたお給料がもらえるようになってるねん。儲けるのは、企業やなくて、働いてる人たちになるようになってるねん。働いてる人らが暮らしていけるように、そこで生活できるように、考えられてるンや。

「ソンでな、大事なんは、企業よりも強いやつらがいてる、ゆうことや」
「プレジデント・ブッシュ?」
「アホゆうたらあかん。あんなおっさんは豆腐に頭ぶつけて死んだらええねん。プレッツをのどに引っ掛けたときに死んだらよかったんや。あのな、一番強いのは、おかあやおとうやあんたや。物を買う人、消費者なんや」
「何で?」
「そんなん、みんなで、ユニオンカーバイドの製品は買いませーん、ってゆうてみ、どうなる?」
「お金が儲からなくなるね」
「そや、企業は困る。そやから、消費者の言うことを聞かなあかんようになるやろ。最近のマクドナルドのメニューの改善が良い例やな」

そやから、カッコええ、とか、みんなが持ってる、とか、そういった事で物を買ってはあかん。自分がほしいものを無責任に買ったらあかん。これを買うことで誰が儲けて、誰がひどいことになってるのかよう考えてから、お買い。

ええか、これから世の中がどうなっていくかは、あんたがどう行動するかに左右されるンや。おかあは別に、アフリカに行って井戸掘って来い、とか、今日から完全に自給自足や、とか、そういったことはいわへん。あんまり過激なことしてもうまいこといかへんさかい。過激になりすぎて、テロみたいなことをする人らもいてるけど、おかあはそれには反対や。目的がどんなもんでも、テロはあかん。言葉を使うことが大事やねん。ちょっとでもたくさんの人がこういうことを知って、考えてくれはったら、いつか、きっと、世界はよくなる。

言うだけか、って言われるかも知れへん。行動すんのは大事やって。そやけど、行動ゆうてテロをせんでも、ちょっとした事やったらできるやろ。たとえば、フェアートレードのものしか買わん、とか。

今な、おかあやあんたは良い生活してるやろ。それは、誰かがひどい目にあってるからなんや。それをちょっとでも正しいバランスに戻せるんやったら、フェアートレードの綿の洋服を年に一着しか買わへんかってもええと思う。ファッションの先端の服なんか一着もいらんとおかあは思う。それで、あんたの着てる服はかっこ悪い、言われてもかまへん。

「おかあ、どっちにしてもいつでも同じ洋服しか着てないじゃない」

・・・・ええやん、別に。めんどくさいんやもん。




くねくねした話ですが、何とか終わりました。最後、息子につっこみを入れられました(笑)。

文中、インドのBhopalでの事故の話が出ています。ユニオンカーバイドの声明ですが、これは事実に完全に反します。現状をリポートしているサイトをよろしければごらんください。

ユニオン・カーバイドの嘘八百

Bhopalの20周年

Bhopal事件の被害者を支援するサイト


マクドナルド云々は、EUでマクドナルドの食べ物が塩分油分過多でしかも純正な材料を使っていないことをたたかれたので、「チキンナゲットの肉の量が増えた」とか宣伝してるんですね。とにかく、マクドナルドはたたかれまくりで、良い気味、です。子供をターゲットにして、悪い食べ物を売って儲ける根性が気に食わない。熱帯雨林を切り開いて、安いビーフを作らせて、搾取と環境破壊をする根性が気に食わない。こういったジャンク・フードをたたく映画ができましたね。是非みたいです。

ジャンクフードをたたく映画「Super Size Me」

子供に関しての問題(ちょっとふるいニュースですが)

ジャンクフードのカロリー表(絶対食べないぞって思いますね!)



文中、触れることが出来ませんでしたが、自国では安く使い倒されるので、いっそ先進国に行って働こうと考える経済難民が増えています。こういった人たちは違法滞在者であるため、法の保護を受けることが出来ません。ひどい搾取をされるばかりです。最近、イギリスのMorecambe Bayでアサリを拾う仕事をしていた中国人23名が満ち潮に巻き込まれなくなったニュースが記憶に新しいです。彼らは1日のお給料は1ポンド(200円くらい)だったそうです。

そして、安い労働力である経済難民に仕事を奪われる労働者たちの怒りも無視できません。これが発展して、今、西ヨーロッパ中で人種間の憎しみが無視できない状態になってきています。たとえば、ドイツではトルコ人の住んでいる地区で「釘爆弾(爆弾に釘を詰めたもの)」による爆撃事件などありました。

最後になりましたが、くねくねに最後までお付き合いいただいてありがとうございました。

それから、これを書くために、質問をしまくって、迷惑をたくさんかけちゃった人たちがいます。ごめんなさい。そして、どうもありがとう。







Rhapsody in Red

友人が数名参加しているアマチュア(実はセミプロ)のオーケストラのコンサートに行ってきました。息子のフルートの先生も、クラリネットで参加しています。

演目は、小品が二つ(ウィーンワルツとか)に、ラプソディインブルーと、ショスタコビッチの交響曲を一発。ものすごい野望のプログラムです。

でも、実はとってもおもしろかったです。息子も、ラプソディーインブルーのピアノを見て感激をしていたし、ショスタコビッチもCDを買って、日曜の午後に聞こうとは思いませんが、生演奏で聞くとほんとに楽しめます。

そして、息子の先生は、ラプソディインブルーで初めのクラリネットのソロをすることになっていました。

ぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぱぁ~ぱぱぱぱぱぱぱぁ~


彼はとっても上手です。息子も憧れの目で見ていました。そうしたら・・・・いきなり

まちがえた~

でもうまいこと

ごまかした~

「練習不足かな?」
「いや、ちゃうで。練習してても間違えるときは間違えるんや。そやけど、ちゃんと練習してたら、間違ってもごまかせるんや」

もう、先生ったら!



資本くね説は今日は休みます。ラグビーやらコンサートやらで疲れました・・・。天気がよかったから、遊んじゃったし。皆さんもよい週末を過ごされました?


資本主義についてのくねくね説明3

次のものの続きです

フェアートレードについて語る


資本主義についてのくねくね説明1


資本主義についてのくねくね説明2





自分たちが作ったカカオを使ったチョコレートは、カカオ園で働く人たちには食べることが出来ないものだ。彼らには必要もないものだ。それを食べるのは、わたしであり息子である。

「ほんまやったら、カカオを作ってる人らはなにをせなあかんと思う?」
「家にいて子供といっしょに暮らすこと? 愛情って大事だよね。おかあは少ないんじゃない?」・・・ウルサイ(怒)
「いや・・・それはまあ、そうやけど。そやけど、愛情は食えへんで。おかあが聞きたいのは、食うためにはどんな仕事したらええか、ゆうことや」
「コンピューター作るの。きれいでさ、そんなにきつくないよ」
「あのなあ・・・コンピューター作ってどうすんねん。第一、コンピューターは食えへんやろ。カカオかってそれ食って生きてくわけにはいかんやろ」
「・・・・?」
「あのな、誰が食べ物作るんや?」
「さあ・・・でも、スーパーに行って買ってくれば良いじゃない」
「その売ってるもんはどこからくるんや?」
「外国?」
「どうやって買うんや?」
「お金」
「そのお金はどこからくるんや?」
「あ、知ってる。銀行で印刷するの」

良いですか、お金、紙幣というのは、それがある程度のものと交換できるから使えるのです。だから、銀行でばかすか印刷しても、お金がたくさんあることにはなりません。

「・・・?」

国と国との間で売った買ったするときはな、まあ、単純な話をしたらやな、アメリカのドルを使うねん。そやから、このドルがないことにはほかの国から物を買われへんねん。そやから、カカオ売ってドルをかせぐんや。

「ほんで、そのドルで外国から食べ物買うんやけど。よう考えてみ、よそから買うて来るのと、自分で作るのとどっちが安い?」
「自分で作るほう」
「そや。そやからほんまやったら、カカオ屋さんで働いてる人らは自分の畑で麦やらなんやら作ったらええねん」
「どうしてそうしないの?」
「土地を金持ちが自分らだけで持ってるからや。そんで、金持ちはお金稼ぎたいから、自分らで食べる食料はつくらへんねん。外国に売ってドルになるものしかつくらへんねん。こういう食えへんカカオやらコーヒーやらをな、商品作物、ゆうんや。そんで、商品作物を作って、売って、ドルをかせぐんやけど、自分ところで食料作ってへんさかい食べ物がなくなるねん。こういうのを、飢餓輸出、ゆうんや」
「じゃあ、ドルでさ、食糧買えば良いじゃない」
「それがなあ、また、めんどくさいんやけど、こういう貧乏な国は金持ちの国からお金借りてるやろ。そやから、せっかく稼いだドルでこの借金かえさなあかんねん。そやからせっかく稼いだドルなんやけど・・・」



「ちょっとまって」

だんな登場。

「話をまとめたほうが良いんじゃない? あっちこっち、くねくねして、分からなくなってきたんだけど」

いつもながらに、冷静なアドバイスをどうも。話を補足しつつ、まとめてみよう。背景は資本主義。儲けたもん勝ちの論理。

1) 安いものでないと売れないので、安く作るシステム(奴隷制など)が出来る。
2) 売れるものは商品作物だから、食糧生産をしなくなる。
2) 商品作物を作って飢餓輸出をする。
3) 稼いだドルで借金を返すので、食料を輸入できない。
4) だから借金をする。借金が増える。
5) 借金を返すためにお金を稼がなければいけなくなる。
6) だから売れる品物を作ろうとする。
7) 安くしろと圧力がかかる。
8) 1へ戻る・・・

そして、この副産物として奴隷制や子供を労働させるなどの人権侵害が起きる。

ここでしている説明はものすごく単純化しています。コメントでcomplexologistさんが言っておられましたが、関税については無視しています。為替についても基本的には無視しています。

さて、ではなにが出来るのか・・・。続きます。うっひゃー。疲れてきたぞ・・・。教師根性もでてきたし・・・。

資本主義についてのくねくね説明2

「たとえば、カカオ屋さんからチョコレート屋さんまで100km離れてたとするやろ。この距離は変えられへん。この距離を走る車のガソリンの量も変えられへん。カカオにあげる肥料の量をケチってもあかんやろ」
「うん」
「そしたら、結局、働いてる人にはらってる給料が安いところが安うに物を売れることになるんや」

人間はケチである。お金には限りがある。だから、なるべく安いものを買おうとする。

「そやけど、働くんやったら、お給料たくさん払ってくれるところとそうでないところ、どっちがええ?」
「もちろん、たくさん払ってくれるほう」
「そやけど、たくさん払ってるカカオ屋さんはカカオ高うなってが売れへんさかいあかんようになってしまうやろ」

だから、どこでも安い労働力を使おうとする。安ければ安いほど良い。高くお給料をもらおうとすると誰も働かせてくれない。雇うほうは、ただであればもっと良い。だから、

「奴隷を使うんや」

でも、奴隷だって、給料を払っていないけど、買ってきているわけだから、そこで払った分を取り返そうとする。だからめちゃくちゃに働かせる。死ぬまで働かせる。最低限必要なものだけを与えて働かせる。

「そやなかったら、安い給料で働く人がいるところに工場を作るんや。洋服見てみ、どこで作ってる?」
「ベトナム、タイ、中国・・・」
「ひどい話や」
「ねえ、じゃあ、奴隷で働いている人の家族はどうなるの? 誰がお給料を持ってくるの?」
「誰も。そやから、家族はお金がなくなって、ひどい目にあうんや。たとえば、お母ちゃんは、畑もない、工場で働いても奴隷よりはちょっとましなくらいでぜんぜんお給料がもらえへん。子供なんか育てられへん。そやから、男の人に体を売る。売春や。そんで、エイズをうつされる。お母ちゃんは死ぬ。子供も結局は奴隷に売られる。そんで安いカカオを作る」
「安いチョコレートが出来るんだね」
「その安いチョコレートは誰がたべるんや? カカオ屋さんで働いてる人らは食べるんやろか? 奴隷の人の子供は食べるんやろか? エイズで死んでいくおかあちゃんは食べるんやろか?」
「・・・・」



続きます。ひえ~。

「国境なき医師団」の人がTVでこんな話をしていました。

父親はいなくなり(たぶん奴隷にされたのでしょう)、母親は売春をして子を養い、ついにエイズで死んでしまった。5歳の子供が母親の死体の隣でぼくに言った。

「誰におなかがすいたって言えばいいの?」


kayoさんがコメントにこう書かれました。

それで、コーヒーやチョコレートの値段が倍になったとしてもいいです。
そうしたら、摂取量を半分にしますから。


どうしてそれが出来ないのか。自分に問いただしたい。

資本主義についてのくねくね説明1

資本主義はややこしい概念ではあるが、簡単に言ってしまうと、「儲かったもん勝ち」である。

「あのな、高いチョコレートと安いチョコレートやったらどっちを買う?」
「フェアートレードの」
「いや、それは横に置いといて・・・。どっちがええ?」
「安いのは入ってる材料がよくないんでしょ」
「いや、それも横に置いといて・・・」
「だったら、安いのかな?」
「うん、100円と120円やったら、100円のを買うやろ。そやけど、チョコレート屋さんはチョコレート売って、儲けなあかん。もし、チョコレートの材料が80円やったら、儲けはどんだけある?」
「100円のは20円で、120円のは40円」
「よくできました。そしたら、100円のチョコレート売ってるチョコレート屋さんは困るやろ。20円しか儲からへんねん。そやけど40円儲けたいんや。どうしたらええと思う?」
「高く売る?」
「まあ、それも手やけど・・・。100円のほうが売れるやろ。そやからあんまり売れへんよ、高くしたら」
「ものすごく高くしたら? 一個を500円くらいで売るの。そうしたら、すごい儲かるよ」
「どこのどいつがそんなアホみたいに高いチョコレート買うねん・・・お前くらいや。もう、よう考え。100円で売って儲けようとしたら、この80円をどうしたらええと思う?」
「少なくするの?」
「そう」

そうすると、チョコレートの材料のカカオを作ってる人のところに行って、チョコレート屋さんが、「まかりまへんかぁ」って聞くんやな。そやけど、カカオ作ってる人かって、そう簡単に安うはできひんやろ。カカオ育てんのにもお金かかるし、カカオの世話する人にお金も払わなあかん。カカオ屋さんが「安うできません」ってゆうたら、チョコレート屋さんは「そうですか」ってゆうて高いカカオ買うと思うか?

「買わない」

そや、ほかのところに行って「安うなりまへんか?」って聞くやろ。そんで安いところから買うな。そやけど、カカオ作るの、そうそう簡単に安うならへん。安くするためにはどうすると思う?

「わからない」
「TVで見たやろ、覚えてへんか?」
「子供の?」

そうや、子供やらさらってきてただで働かせるんや。あのな、人件費、ゆうて、人に払うお金が一番高いんや。そやけど、この高い部分は奴隷やら子供やら使うと簡単に安くなるんや。そうしたら、カカオを安う売ってもカカオ屋さんは儲かるやろ。ほんで、このカカオ屋さんはきちんと働いてる人らにお給料を払ってるカカオ屋さんよりも安うにカカオを売れるやろ。そしたら、チョコレート屋さんはどっちのカカオ屋さんからカカオを買うか、もうわかるな。

「安いカカオ屋さんから」
「そや。そしたら、高いカカオ屋さんは売れへんようになる。そしたら、そのカカオ屋さんはどうしたらええ?」
「・・・奴隷を使うの?」

・・・続く。



息子との会話を再構築してるんですが、長くなる~。続き物になります・・・。

フェアー・トレードについて語る

「今日、学校でチョコレート食べたよ」
「勉強はどないしたんや」
「勉強のために食べたの」
「説明がたりん。ちゃんとはじめからお話し」

息子によれば、フェアー・トレード振興協会(?)の人が学校に来て、いかにチョコレートのカカオの生産者が搾取されていて、それによって、奴隷として過酷な条件で働かされてる人がいるか、ということを習ったらしい。

奴隷の中にはかなりの数の子供がいる。さらわれてきて売られて、一日18時間働かされ、こき使われ。挙句の果てに農場を逃げ出しても、町の路上で生きてゆくだけの力はなく、性的暴力にさらされる子供たち。

「そや、たかがチョコレート、されどチョコレートや。自分とおんなじくらいの子供が鞭でたたかれたりして働かされてるんやで。遊んだり、学校行ったりできひんの、どう思う?」
「よくない・・・」

この町に引っ越してきてとてもうれしかったことは、こういったフェアー・トレードを積極的に支援している個人商店が多いこと。いつも買い物をしている無農薬野菜・有機農産品の専門店は、このフェアー・トレードの商品しか置いていない。もちろん、少し高い。

「でもな、安いのがほしいって言って、ほかの人をその分ひどい目にあわせるのもものすごく変やろ」
「うん」
「そやから、おとうもおかあもなるべくフェアー・トレードのものを買うようにしてるんや。そやけどな、たとえば、お金のない人らもいるな。その人たちにとっては、安いもののほうがええやろ」
「うん。うちはお金あるんだ。じゃあ・・・」
「いや、ないって。そやから、おねだりしてもあかんで。・・・そういう話やなくて、フェアー・トレードっていえるのは、実は贅沢なことなんや。そやから、それが正しいと思ってても、フェアー・トレードのものを買えへん人らもいてるんや。そやから、買えるんやったら買ったらええと思うよ、でも、買えへん人らもいてるから、フェアー・トレードのものを買ってへん人を責めるのもどうかとは思う」

まあ、えげつない金持ちもいますけど。

「ねえ、でもどうしてそんなことになるの? きちんとお給料を払って、みんなフェアー・トレードにしたらいいのに」
「それは、資本主義っちゅう経済構造の問題やねえ・・・」

というわけで、息子に資本主義を説明するハメになってしまったわたし。うげー、続くんですよ、これ。




フェアー・トレードはわたしたちが毎日している「買い物」を通してよりよい世界に貢献する方法です。世界人権宣言や国際連合憲章、そして日本国憲法にうたわれている「欠乏と恐怖からの自由」をうちたてる為に、豊かな国に暮らしているわたしが取り組まなければいけない一つの社会の動きかな、と思っています。

上で話しているように、フェアー・トレードのコーヒーや紅茶、チョコレート、バナナなどはちょっと高いです。できれば買うようにしています。月末はちょっと苦しいです(笑)。

詳しくはこちらのサイトをどうぞ。
フェアー・トレード・フェデレーション(英語)




 


今年は5月14日がワールド・フェアー・トレード・デイです。いろんなイベントがあります。
 
英語のサイトはこちら

日本語のサイトはこちら

原形・比較級・最上級

息子は音楽競技会でいい成績だったので、みんなからちやほやされている。それで、全国大会は一部TVでダイジェストで流れると聞いて、気分はすっかりTVスター。

浮かれまくり、である。

地に足が着いていない。

有頂天になっている。


有頂天、というのは仏教的世界観で形ある世界であるところの色界の一番上の天であるから、そこに登ったら、もちろん地に足が着かない。

つまり、練習をしない。

息子は毎日、朝学校に行く前の15分、学校から帰ってきてから15分、ピアノの練習をする。フルートは、学校でオーケストラそのほかで週に3回、夕方に毎日30分ほどの練習をする。

練習の中心はピアノは指の練習用の小曲集、フルートはTone Practiceという音階練習の一種。

この退屈な部分をきちんとさせることだけ気を使ってきた。が、有頂天の息子はこれをしないで、楽しく自分の好きな曲だけをしようとする。

「ちゃんと練習しなさい」
(Come on, practice properly, please.)

「してるよ」
(I AM doing that.)

「することしてないでしょ」
(You are not doing what you are supposed to do.)

「する必要ないよ、ぼくはベストなんだから」
(There is no need to do that, since I am the best.)

むっと来た。

あのなあ。そらもしかしたら、大会に出てたほかの子供たちよりは上手やったかもしれんよ。多分、ここの地方では一番上手な演奏をしたかもしれんよ。
Look. You might be a better player than the other participants of the competition. You may even be the best player in this region.

But, you are not good!
GOODではないよ。

息子はしゅんとした。

が、その後、風呂場からでっかい声で歌う鼻歌が聞こえてきた。おかあの言いたいことがわかっとんのかいな・・・。




上に書いたように、実はそんなに長時間は練習させていません。一度にだいたい15分から30分です。ただ、毎日させます。これは、ピアノやフルートをはじめたときに習慣になるようにしました。わたしたちがしたことといえば、この習慣づけだけ。

それで、音楽に関してはだんなが教えています。わたしが教えるとさらに醜い事態になるので。だって頭に来るんだも~ん。いい加減なことをするから。

教えていてけんかになることもあれば、息子が泣くこともあります。自分が間違っていることを認めない息子にまちがいを認めさせるのに一苦労もします。怒鳴ったりもするし、怒っちゃうこともしばしばです。とりあえず、教える際にやってはいけないことをみんなしています(汗)。

それで、音楽が嫌いになるかな~、とも思ったんですが、そうはならなかったです。うーん、わたしだったら、とっくの昔にやめている(笑)。

ピアノはクラシックではなくて、ジャズをしているので、楽しいんだと思います。わたしだって、ジャズピアノが習いたかったぞ、おい。

フルートはオーケストラに入ったり、演奏会に出たりする楽しみがたまらないみたい。

でも、やっぱり、先生たちがすごく素敵な方たちで。息子は先生たちが大好きで、先生たちのようになりたい、と思っているようです。そういう音楽の喜びを教えてくれる人たちに出会えたことが一番大きいかな。

要するに、親は最悪、でも先生は最高。この落差がよかったのか(爆)。