昔、まだ自分が小学生の頃

祖母の家、

お秀茶屋には移動販売の八百屋さんがよく来ていました。

トラックの荷台にはたくさんの果物と野菜。

少年の私は八百屋さんがいる時間が好きでした。

何故だかはわからないけど

そこには優しくて暖かい波動が出ていたのだと思う。


思い返したら、

気が付いたら

八百屋さん夫婦はもうお秀茶屋には来ていません。

どうして最近になって思い出したのだろう。




どうして、もう来ないの?

母に聞いたら

喧嘩別れ。


祖母が留守の間に娘さんに野菜を買っておいてほしいと

頼んだのだそうです。

言葉通り、頼まれたものを買ったのですが

八百屋さんのおかみさんは料金を受け取っていないと主張し

娘さん(私の叔母)は確かに渡したと主張し、

どちらも譲らず、それっきりだそうです。

何が真実でも祖母は料金を渡しました。

八百屋のおかみさんはアルツハイマーにかかっていたそうです。


この話を聞いてちょっと寂しくなりました。



小さかったけど、私は二人の顔を鮮明に覚えています。

いつもいつも笑顔でした。


今どうしているのか、遠くから来ていたらわからないけど

元気でいてくれたら嬉しいです。