「おひとりさまでも、家で死ねますか?」
9月4日(日)NHKBS1で放送されたこの番組の録画を、ようやく観ました。
日ごろ目にする、死に関する情報は事故や事件ばかりですが、少し前までは三世代同居で、おじいちゃんやおばあちゃんを自宅で看取るのは当たり前でした。
それが、今は病院や老人施設で死ぬのが普通になってきたけれど、そこで死ぬことを本当に本人が希望していたのかどうか…ましてや、もう寿命なら。
そんなことを考えずにいられない、事実を淡々と映しながらも見応えある内容でした。
実は、社会学者の上野千鶴子さんの著作にある"おひとりさまシリーズ"(というのか知らないけど🙄)に、番組に出た在宅緩和ケアの医師が何度も登場していて、以前からとても関心を持っていました。
今回、映像で観ることで、本だけでは理解できなかったこと、信じられなかったことがいくつか腑に落ちました。
寄り添う。単にそばに居て見守るのではなく、状態に合わせ最新の機器を投入し、常に本人の意向とスピードを大事にチームを作って先回りして備える。そんな凄くアクティブな言葉だったんだと気付きました。FPも同じだ。
もし事前知識無しで観ても、医療や介護は最後には病院や老人施設で、があまりまえ&本人のためという思い込みを、メリメリと剥がされたと思います。
最後まで独りで、子どもの家庭とは距離感を保った生活を選んだ人。
家族はいるのに音信不通で担当医のチームと最後を迎えた人。
病院で病気は治ったけど寝た切りになり逃げてきた人。
背景は様々ですが、ひとり暮らしだからといって孤独じゃない人も多い。もし孤独でもそれを楽しんで孤立していなければ"可哀想"なんて余計なお世話かもしれないですね。
在宅医療+看護+介護のチームの方々と一緒に自宅でニコニコ笑っている写真を見ると、人生の最後をどうしたいか、自分で選べるならそうしたいと思いました。
でもね、FP的には気になることが山ほどあります💦介護医療サービスのリアルな自己負担額も取り上げていましたが、本人の収入や資産次第でやれることも限りがあります。
もし、おひとりさまから自宅を終の住み処にしたいと相談を受けるとしたら、希望する暮らしのイメージを、まずよーく聴いて理解することが大事だと考えています。マネーの前にライフプラン。
そして、
・収入見込み
・資産と借入金
・支出の優先順位
・いつまで働くか
・今後のライフイベント予定
・年金額の試算
・保険などリスク管理の必要性
などから、100歳までの収支予測を立てて見てもらいます。
家についてなら、今の住居はリフォームが必要か、転居なら賃貸でいくのか購入か、賃貸なら民間か公団やURか、買うなら新築か中古か、ローンを返せる上限額は、立地や広さは…などをケースごとにシミュレーションして提示し、いっしょに選択肢を絞っていきます。
他にも、掛かり付け医の有無や地域とのコミュニケーションの様子、いつまで働くかの意思確認によって難易度や準備は変わります。
身元引受人や成年後見人、死後事務委任契約、相続人や遺言といった「終活」の準備も必要に応じ行うことになるでしょう。
生きているうちにやりたいことを実現する、そのサポートのためにFPがしっかり伴走する。
ということだなと、あらためて思いました。
まだまだたくさん必要なことはありますが、今日はちょっと長くなったのでここまで。疲。
ではまた。