『失われし銀河の天使 ~ エルフィア ~』のお話はけっこう前から構想を練ってまして、どのくらいかというと・・・、そうですねぇ、十年やそこらは前に、既にある程度こんな風なお話を作ってみたいなぁ、なんて思ってました。
ですから、アイデアから数えると、足掛け十年以上なんですよ。
とにかく、お話はロマンスにしようとしたのですが、加えてSFにしちゃおうってことにしました。
SFならなんでもありで、自分だけの世界観を簡単に構築できるからです。
でも、あんまり現実離れした宇宙の存続をかけた戦いとか、神や悪魔というのも話が重くなるし・・・。ちょっとした現実の狭間に起きそうなものにしようと思いました。
それで、近未来、来年、再来年にも可能性があるようなシチュエーションを想定しました。
それと、作るんなら、やっぱり読者の方が安心して読めるようなストーリーにしたいなぁと思いました。
ドキドキ、ハラハラは当然なければ困るんですけど、それがホラーとかじゃなく、あくまでトキメキが中心になるようにです。
お話を読んでなにか暖かいものが残るようなものがいいなぁって・・・。
そういう意味で、テレビアニメのような善玉悪玉のステレオタイプのファイトを前面に出して、自分こそは正義の使者ってのは、かなり抵抗がありました。
なにがなんでも主人公が善玉の戦争の状況を作ることもダメでした。正当防衛の名の下に、敵とはいえばっさばっさと殺しちゃう展開は、このお話には必要ありません。
それで、敵味方に分かれて、そういうイデオロギーを背負った戦争はこのお話にはないんです。生々しい戦闘シーンもできるだけ少なく味付け程度に抑え、ロマンスを中心にしました。
しかしです。
いざ書き始めると、自分で読んで・・・。
だぁーーー!
たんたんと文を続けても、登場人物の個性が埋まってしまうんです。
その人物の登場する意義が見えてこないんです。
そういえば、こういう写実的で台詞を少なくした書き方はハードボイルドじゃん。ロマンスじゃないじゃん・・・。
突然、気がつきました。
だったら、やーめた。
止め、止め!
楽しくて笑えるユーモアたっぷりのものってなんだろう・・・?
その時に、『可愛い魔女ジニー』や『奥様は魔女』のような60年代のアメリカン・ホーム・コメディーを思い出したのです。
主人公がなにかをやってて、後ろで見てる人たちのガハガハ大笑いする声がするって、アレです。
それに語り部も追加しよう。
よぉし、これで行こう!
というわけで、数百ページ分のストーリーを一回全部捨てました。といっても、ディスクには残してますよ。
ロマンスでも、こういう台詞中心のコメディーなら、読者の方もガハガハ笑っていただいたり、クスクス含み笑いしていただいたり、ニタニタ思い出し笑いしていただいたりできる。
うん。
台詞をもっと大胆に増やそう。
ぴっきーーーん。あーーー、これ、『真夏の夜の夢』、シェークスピアじゃない、ひょっとして・・・?
よぉし、状況説明文も徹底的に台詞中心にしよう。
物語調は止め。
なるべく語り部に説明させちゃおう。
お話の紹介文も語り部に話させちゃおう。
無理矢理笑うポイントも挿入しよう。
この辺は、わたしもついぞ見たことのない書き方です。
やりぃ。
オリジナル作風ができたぞってわけです。
それで、すべての描写を登場人物ごとの台詞に書き直しました。
キャラの台詞はすべて今現在風の口語体です。
人物を特徴づけるために、その人物ごとに微妙な言い回しや口調にしました。
結果、キャラが前面に出てきて生き生きしきたような気がします。
でも、女性は品を失わないように、男性陣にはあまりに下品な話し方をさせないように心がけています。
二宮くんや国分寺俊介等も、タメ口はあっても、アニメの特定キャラが話すような『ますですよ』調や『だってばよぉ』調など、普段われわれも使わないような話し方はさせてません。
日本語を習っているエルフィア人やセレアム人のような外国人の方もいっらしゃるかもしれませんからね。
あは。
わたしとしては、変な日本語は覚えてほしくないです。
『失われし銀河の天使 ~ エルフィア ~』が徹底的に台詞にこだわっているのはこういう意図的な理由からです。
最初は抵抗あるかもしれませんが、シェークスピアをマンガで見るような感覚でお楽しみいただければと思います。
笑えるポイントも奮発します。どうぞ、ガハガハ、ムフムフ、ニタニタ、お笑いください。
※ノリックの『失われし銀河の天使 ~ エルフィア ~』
本編は『小説家になろう』に連載中です!