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今日もご訪問ありがとうございます。

 

ブログ読者の方から、

 

「今度ノルウェーに住むことになるので、日本との違い、主に教育や考え方、生き方について教えてください。」

 

という内容のメッセージをいただいた。

 

私のブログの主テーマとする部分であり、ノルウェーの社会や暮らしについては、このブログで折に触れて書いているとは思う。

 

が、せっかくなのでもう一度見直してみよう。

 

ノルウェーがユニークなのか、日本が特殊なのか、文化比較は実に興味深い。

 

私は、国際結婚組ではないので、ノルウェー人家庭に入り込んで、その違いを垣間見ることはできないが、

ノルウェー生活を通じて感じたことを、主観もはいるが、まとめたいと思う。

 

教育編学校

  • 幼い頃から自立させている。

添い寝の習慣はなく、赤ちゃんの時でも別室あるいはベビーベッドで寝かしつけるということが普通。国際結婚した人の間では、添い寝をさせたい日本人母親と、そうではないノルウェー人父親との間で意見が食い違うケースも多いそうだ。

 

成人は18歳であるが、大学生になれば、自分の名義で学生ローンを借りて、基本的には自立し、親元から離れて暮らすのが一般的という考えの人が多い。

 

  • 体罰はご法度。

親が子供を叱る時には、絶対に叩いたりしてはいけない。これは他の欧米諸国も同じだろう。泣きわめく制御不能な子供を、根気よく言葉で言い聞かせるノルウェー人の親達を見ると、頭が下がる。我が家は、これはできなかったな。「うちは違うのよ!」と子供に言い聞かせ、「悪いものは悪い!」と、ピシャっとやることもあった。これは愛の鞭ともいえるが、自分の感情を抑えきれないこともあったので、反省すべき点である。子育てとは、自己鍛錬なのだろう。

 

  • 整理整頓に力を注がない。

小学校に子供が通い始めたときに、子供たちの学校に置いてある持ち物があまりにも散らかっているのに驚いた。未だにうちの子たちは、整理整頓が下手くそである。服をぐちゃぐちゃに丸めて、その中に、靴をそのまま同じカバンにいれるなんて平気である。

それでも、ノルウェー人の友達の中では自分は綺麗にしている方だという自負があるようだ。

日本の学校で子供たちに掃除をさせるという文化は、素晴らしいと思う。大人になっても、デスクの上が書類で山積みの人は結構多いし、週一回、家の掃除を頼んでいるって人もいる。日本人の、躾の一環としての、「身の回りを清潔に保ち、整理整頓する」っていうのは素晴らしいと思う。

 

  • 能動的な教育。

ノルウェーの学校では、自分の意見を言えない子供への評価はとても低い。日本では出しゃばりと言われるくらいが丁度いいかもしれない。授業では、プレゼンをすることも多く、そういった能力は、大人を見ていてもすごいなと思う。日本は、暗記中心、反復練習し体に覚えさせて、知識を習得させる教育が中心であると感じるが、こちらは、自分の意見や考えに同意してもらえるように他人を説得するために、調べ物をするなど、創造力や考える力を鍛える教育に力をいれていると感じている。自分の意見を理論立てて言えるような練習を日々の学習で行っているのではないだろうか。

生活編船

  • 仕事よりも家庭やプライベートを重視。

会社に忠誠を尽くすなんていう考え方は、こちらの人は皆無かもしれない。権利としての休暇はきちんと主張するし、子供が病気で休んでも誰も非難しないし、上司の顔色をうかがって、残業というのもない。「充実した人生を送るために仕事がある。」という当たり前の考え方が浸透している。勿論、だからと言って仕事がいい加減という訳ではないと思う。いい加減な人もいるにはいるが。

 

  • 他人への干渉が少ない。

日本と比べて、他人との距離が離れている気がする。学校でも会社でも、他人に対するからかいや中傷というのはあまり聞かないし、「人は人」と個を大切にする。反面、「他人に対する思いやり」という部分が欠けている部分があるかもしれない。例えば、私がノルウェー語がわからずにぽつんとつまらなそうにしていても、それを気にかける人はあまりいない。日本なら、気を遣って話しかけたりするのになあ、って思うことがよくあった。でも、逆に、「わからないから教えて!」って言えば、きちんと教えてくれる。あと、子供が友達を連れてきても、色々世話を焼く必要がない。お互い気を遣わずに、勝手にやってくれるのが気楽である。

 

  • 自然と近い生活。

私がこちらに来て一番変わったのは、「散歩が楽しい。」と思えるようになったこと。少し歩けば森や湖が近く、自然に恵まれた地形。人口も少なく、人と群れるよりは、一人あるいは家族と自然に触れているということに幸せを感じるようになった。ますます人混みが苦手になった。

 

 

  • 何かしら体を鍛えるノルウェー人。

ノルウェー人の同僚を見回してみると、ほとんどの人が定期的に運動をしている。犬を飼う人も多く、そうすれば、散歩は日に何度もする必要がある。スポーツジムに週2-3回通うという人も多い。週末は、やることがなければ森の中を散歩というのもお約束である。夏場は、会社や地域をあげて、自転車通勤を推奨している。通勤はジョギングという人もいる。北国で元気に生きるためには、丈夫な体が不可欠なのだろう。それによって、精神の安定も保たれるのか。こちらの暮らしが長くなると、その必要性を切に感じる私である。

教育編とも重なるが、幼稚園では、とにかく外遊びをさせる。雪が降ろうが、雨が降ろうが、それなりの服装を着ていれば平気であるという考え方である。さすがにマイナス10度を下回ると外遊びはしないようだが、体の基礎を作るためには、子供にとっては自然の中で遊ぶことが非常に大切だという考え方なのだろう。

 

  • 遠慮は無用。

 

日本人は、ある程度の遠慮は美徳とされるが、日本でも「礼も過ぎれば無礼になる。」ということわざがあるように、他人の親切は素直に受け入れる方が好まれる。家族について、褒められた場合も、日本人は謙遜するが、それもタブー。素直にお礼を言うことが大切だ。日本人の「恥の文化」はこちらでは通用しない。和を重んじ、まわりにあわせるのが得意な日本人であるが、こちらは自分のやりたいことを主張する方が生きやすい社会ではないかと思う。

 

  • 夫婦の財布は別々。

 

我が家は、日本人家庭なので、基本夫婦の財布は同じである。従って、自分が買いたいものがあれば、それを相手にアピールする必要がある。反対の場合もそうだ。ノルウェーに関しては、夫婦の財布は別々という家庭が普通(今は、共働きも増えたので、日本人でもそういう家庭は多いかもしれないが)なので、例えば、「子供のお稽古事は私が払っている。」「これはパパが払う。」などと聞くことがある。それが理由なのか、パートナーに遠慮して、好きなものが買えないってこともあまりないような気がする。ノルウェー人を旦那さんにもつ友人は、夏休みに帰国して帰ってきたら、旦那さんが相談もなくボートを買っていた、と憤慨していた。同じような話はよく聞く。

女友達、男友達同士でよく旅行に出かけるし、親に子供を見てもらって、友達同士や夫婦で食事にでかけるなんてことも、しょっちゅうあるみたい。私なんかは、自分のためにお金を使うことに、どうしても気が引けてしまう。日本では、「財布の紐は奥さんが握る」と言われ、投資の世界では、マーケットに影響を与える主婦を含める個人投資家を「ミセスワタナベ」なんて呼ばれているが、「家計のやりくりは主婦の仕事」というような考え方は、日本独特なのかもしれない。

 

  • なんといっても男女平等。

 

家庭、学校、企業、などあらゆる組織の中で男女平等を貫こうとしている。男女が同じ事をする事が、男女平等ではない。それぞれに適した役割があり、性別に関係なくできることは平等にするという考え方である。例えば、家事や育児、会社の役職など。人を雇う場合も、男女比を考慮して雇うことが義務付けられている。

 

  • 食習慣の違い。
よその国の文化を垣間見るには、スーパーマーケットでどういう食材を売っているのか、そして、その食習慣を見るとよくわかる。ノルウェー人が愛してやまない(と私が感じる)ものに、「フレイヤのミルクチョコ」「ブラウンチーズ」「雑穀入りパン」が挙げられる。そして、「夜食にあたるKveldsmat」についても書きたい。
 
ミルクチョコ(Melkeskjokolade)については、留学中の娘曰く、ノルウェーの友達が帰省すると必ず他の人に頼まれるものがこれである。ノルウェー人はよく森を散歩する、その際に、ポケットからこのミルクチョコを取り出して、疲れたらそれを食べる。冬のクロスカントリーでもチョコは必需品であり、ノルウェー人はどのチョコよりもこの「フレイヤのミルクチョコ」がおいしいと信じて疑わない。
 
ブラウンチーズ(Brunost)については、ヤギチーズの家畜っぽい匂いに困惑する日本人も多い。これをスライスしたものを、パンやワッフルの上にのせ、さらにベリージャムを載せたものが、おやつとして好まれる。私も最初は、この味に馴染めなかったが、何回か食べているうちに、おいしさがわかるようになってきた。山がちなノルウェーでは、山羊の放牧が適している。山羊の普通のチーズはくせがあるので、それをキャラメルと混ぜて甘くしたのがブラウンチーズである。生活の知恵から生まれたノルウェーならではの食べ物だ。
 
ノルウェーで売っているパンは、ほとんどが雑穀入り(Grovt brød) である。白い食パンそして少し甘い菓子パンに慣れている日本人からしたら、ぼそぼそした味気のないパンと最初は思うが、スライスしたパンに、様々な具(Pålegg)を載せて食べるとしっとりそしてどっしりとしてお腹にたまる。ビタミンやミネラルが豊富にはいった雑穀入りというのが重要であり、これで栄養が補える。白いパン(ロフ)をランチに持参するのを禁止している学校もあるくらい、雑穀というのは貴重なミネラル源なのだろう。ノルウェー人が外国に住んで恋しがるもののひとつである。
 
さて、食事であるが、ノルウェー人の典型的な食事は、一日4回。昼食は午前11時ごろ、夕食は午後4時~5時頃と少し早めだ。そして、午後8時頃に夜食(Kveldsmat)を食べる。パンやクラッカー状のパン(Knekkebrød)に、好きな具をのせて食べる軽食である。未だに、我が家はこの習慣を真似することはできないが、早い時間にしっかりとした夕食を食べて、寝る前に軽い夜食を食べる方が、空腹で眠りにつくよりは、ひょっとすると体にいいのかもしれない。