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本日は、ノルウェーの公立高校の受験について語りたいと思います。
というのも、下の娘がこの秋から高校生になるので、その経緯も含めて書き留めたいと思ったからです。
「高校受験」といっても、こちらは一発試験ではなく、3年生の年間の成績と学年末試験の結果が基準となるので、日本の受験とは少し違います。
明日は最終試験の科目発表があり、そして卒業式はもう来週に迫っていますが、のんびり屋の娘からは、どうも緊張感が感じられず、親としても、今一つ実感が沸きません。
さて、オスロの公立高校は、全部で23校あります。
さらに認可を受けた私立高校12校が加わります。
それ以外にも、大人を対象としたものなど、多くの学校があるようです。
コースは大きく分けて二つ
大学進学コースと職業コースに分かれます。
職業コースであれば、3年生になると、選択した職業の実習が授業にも含まれます。
学業よりも、実践的な仕事や手に職をつけたい人には向いています。
学校も、適材適所を推奨しており、生徒それぞれの適正にあった道を選ぶようにアドバイスしています。
中学3年になると、何度か保護者向けの説明会もあり、自分の進むコースを選ぶためのガイダンスや授業が行われます。
まず大学進学コースですが、以下の5つのコースに分かれます。
- 芸術、デザイン、建築科
- メディア、コミュニケーション科
- 音楽、ダンス、ドラマ科
- スポーツ、体育科
- 一般教養あるいは普通科←アカデミックな勉強をしたい人の多くがこのコースを選択します。ノルウェー語では、Studiespesialisering コースと言われます。
職業コースは、さらに数が多く、以下の8コースに分かれます。
- 農業、漁業、林業
- 建築
- デザイン、芸術、工芸、メディア作成
- 電気、電子工学
- 保健衛生、児童・青少年育成
- レストラン・食品加工
- サービス・運搬
- 技術・工業生産
もちろん、職業から、大学進学コースへなど、途中で変更することも可能ですが、その場合は、再度必要な教科を取り直すことなどが必要になってきます。
そのために、私立の予備校のようなものもあり、その学校が儲かっているとかで、お金を払えば、単位が取れるような仕組みが問題視されている部分もあるようです。
外国に留学したけど、生活が肌に合わず戻ってきて、編入あるいは1年生から入りなおしたという例もよく聞きます。
あるいは、2年生になって学校を変えるということも可能なようで、かなり門戸は広いという印象です。
成績は?
そうはいっても、やはり高校ですから、成績によって高校もランク付けされています。
オスロ市のウェブサイトには、各学校の前年度入学者の平均点と、最低点の一覧が公表されているため、自分がどの水準にいるかの目安がわかります。中には、点数が表示されていない学校もあるのですが、そういった学校は、成績が悪くてもはいれる学校ということです。
ここで、面白いのが、日本と違って伝統のある学校が、必ずしも成績が上位という訳ではないということです。
どうやら、新設校や、改修したばかりの学校など、施設が新しい学校に人気が集まるという傾向にあり、それは年によって変わってくるようです。そういう意味では、伝統に固執しない国民性が表れているのかもしれません。
申請締め切り日
一部の例外を除くと、一般的な締め切り日は、3月1日になります。新学期は8月中旬から始まるので、かなり早い締め切り日ですね。
申請はネット上で行い、締切日の午後11時59分以降は申請を行うことができません。←またもやのんびり屋の次女は、この日の夜中ぎりぎりになるまで、登録を完了していませんでした。とほほ。
申請方法
Vigo.noというサイトから本人確認によるログインを行った上で、申請登録ができます。
確か各コースにつき7校ずつ選べたのではないでしょうか?←うろ覚えですが…![]()
学校には、必ず優先順位をつけておきます。
結果発表
7月11日頃に、SMSで通知が送られてきます。第一希望の学校に合格できなかった場合でも、ウェイティングリストに「はい」と入力しておけば、チャンスがもらえます。
さらに、8月13日頃に補欠募集が行われます。その際に、第一希望の学校に空きが出た場合などは、その学校に入学することも可能です。
ノルウェーの場合は、自分が行きたい学校に入学することがわりと簡単なようですが、こればっかりは、結果を見ないとわかりませんね。
関連リンク
https://www.vilbli.no/nb/nb/oslo
さて、うちの娘ですが、2015年に新設された町の中心にあるエドワードムンク高校への入学を希望しています。
この学校の建物は、もともと国立芸術学校として1903年に建てられたそうです。その前進であるクリスチャニア時代の王立芸術学校に、あの「叫び」を描いたムンクが生徒として通っていたそうで、それがこの名称の由来のようです。
この学校には、普通科以外に、音楽、デザイン、ダンス科など、様々なコースがあり、設立以来、人気が高まってきているようです。
娘は、数か月前に体験入学をさせてもらった際、学校や在校生の雰囲気がいいととても気に入ったみたいです。
ここに入りたい娘は、希望の上位3校をこの学校で埋め尽くしました。それではいることができなければ、よっぽど成績が悪いか運が悪いかのどちらかでしょう。
娘曰く、「ノルウェーは優しいから、申請書を見て、私がこの学校にはいりたい気持ちが強いのがわかるから、きっといれてくれるよ。」と全く暢気なことを言っています。仲の良いお友達も沢山受験するみたいなので、そうなると競争率も高くなると思うのですが。
さてさて、どうなることやら。![]()
画像はネットからお借りしました。
