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うちの会社では、毎週金曜日にはワッフルがふるまわれる。
ノルウェーに移り住んで初めて買った電気機器がワッフルメーカーだ。このワッフルメーカーは、ノルウェーの食卓にはかかせない。
焼き立てのワッフルに、いちごジャムとノルウェー名物のブラウンチーズの組み合わせは、最高だ。
ランチタイムにワッフルをほおばりながら、数少ない外国人スタッフである、中国人のリー君と雑談をしていた。
彼は、数カ月前に入社してきた若い中国人スタッフだ。ノルウェーの大学を卒業しているので、ノルウェー語は問題ないが、やはり英語で話す方が快適らしい。
おしゃべりだし話題も豊富な好青年である。
この前日本に行った時に、「ワサビ味のキットカット」を頼まれた。
数カ月前、日本に遊びに行った時に食べた「お好み焼き」がおいしかったと言っていた。
日本の番組も中国で見れるし、日本にはとても親近感を持ってくれているようだ。
このリー君と、今日は歴史問題について、かなり直接的なやりとりをした。
「中国人は日本人に対していい印象は持っていないよね?やはり、それは歴史教育がそうさせているの?」と私が訪ねる。
「個人レベルでは、お互いに親近感を持っているけど、政治的な立ち位置は相いれないものがあるよね。特に、Shrine(靖国神社)のことが気になるよ。」と彼。
「小泉首相が靖国を参拝したことが、許せない。戦争犯罪人、即ち、間違った戦争をした人が祀られている場所を、首相が参るのはおかしい。」と、正にメディアで聞くのと同じことを主張していた。
「戦争は、負けたから犯罪人と認定されるのであって、戦争にいい悪いもないでしょう?」と私。
「私達にとっては、戦争犯罪人と言われた人も、祖国のために戦った先祖になる訳だし、その人たちを祀るのは間違っていない。ましてや、外国である中国がそれを干渉し、批判するのはおかしいと思うと言っている人が多いよね。」と続ける。
「確かに、君の言っていることは一理ある。でも、間違った戦争というのは、中国を侵略したという意味だ。中国の領土を奪ったということが間違っているということだ。」
そもそも、宗教観というか考え方が違うのでお互いに理解するのは難しいねということで、その話題を終えた。
中国と日本の政府が仲が悪いというのは、ノルウェーでもよく知られていて、私にもあるエピソードがある。
数年前に、中国人スタッフを採用することが決まったらしい。その際に、当時の社長が一社員の私を自分の部屋に呼んで、
「実は、中国人スタッフを新たに雇う予定だが、問題ないかな?」と私に聞いてくれた。
最初意味がよくわからなかったが、日本と中国の関係を配慮してのことだったらしい。勿論、「全く問題ないですよ。」と答えた。
思いもよらない気遣いをしてくれることに、正直驚いたが、そんな細かな心配りがなんとなく嬉しかった。
リー君に話は戻るが、彼は、ノルウェーでの暮らしは気に入っているけれど、近い将来は家族のいる中国に戻るつもりだそうだ。
勿論、中国は生活水準など、多くにおいて、ノルウェーと比べると遅れているけれど、国自体は、うまくまとまっているし、今の政府の方針は間違っていない、ここ十数年の経済成長を見ればその実績がよくわかる。
民主主義ではないけど、共産主義であるが故に、一つの方向に向かって進むことができると思う、と続けた。
アジア人同士ということで、彼にはなんとなく親近感を覚えてしまう。
