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ブログの題材にできないかと新聞を開いてみると、ノルウェーの経済紙DNで面白い記事を見つけた。
タイトルに目が止まった。
"Bedriften bestemte seg for kun å ansette folk med aspergers. Har tjent penger fra dag én"
「会社はアスペルガー症候群の人だけを採用することを決めた。そして1日目から利益をあげている。」
↑「IT産業では、変わり者は僕だけじゃないんだよ!」
というもの。
ここに登場するオラフ君は、ベルゲン大学で数学を専攻し、教師を目指したが、すぐに自分は教師に向いていないことがわかった。
何故なら、彼はアスペルガー症候群という発達障害をもっているからだ。
Wikipediaによれば、
「アスペルガー症候群は、特定の分野については驚異的なまでの集中力と知識を持ち、空気を読む行為が苦手、細かい部分にこだわる、感情表現が困難といった特徴を持つ。」とある。
記事によると、250人に1人あるいは、1万人に1人の割合でこの症状をもつ子がいる。女子よりも男子の方が、3-10倍の確率で多いそうだ。
ノルウェーにも、「自閉症協会」という組織があり、そこと職業安定所にあたる「NAV」との連携により、教師を辞めたオラフ君にこの会社を紹介したそうだ。
社名はUNICUSというITコンサルタント会社である。
社会問題を解決するための社会的企業(ソーシャル・エンタープライズ)であるFerdという会社がその株式を一部保有する。
- 2009年設立。
- 本社はオスロ市の西にあるリーサーケルという町にある。
- 従業員数は35名。
- スウェーデンのストックホルム、ノルウェーのスタヴァンゲルにもオフィスがある。
ノルウェーでは名だたる一流企業が主な顧客となる。
- Telenor(情報通信)、
- Statoil(石油)、
- Nordea、DNB(銀行)
- Hafslund(電力)、
- Gjensidige(保険)、
- Møller Gruppen(自動車関連)
設立以来の6年間で6倍の収益をあげている。素晴らしい実績だ。
ITという、忍耐、正確さ、頭脳の明晰さ、が必要な職種に、アスペルガー症候群の人がぴったりとはまったのだ。
会社のウェブサイトには、
「私達は普通の会社ではありません。アスペルガー症候群の人のみを雇います。彼らは、他人とのコミュニケーションが上手ではありません、でも、その代わり、ある特定の興味ある分野に関しては素晴らしい才能を発揮します。。。」
というようなことが、堂々と書いてある。
「社会生活が難しい人を人助けのために企業の責任として雇います。」
という感じの後ろ向きの考え方じゃなくて、
(アスペルガー症候群の人が持つ)普通の人と違う長所を生かし、それで利益をあげるという思い切った雇い方、経営方法に驚いた。
且つ、きちんと結果をだしているところが凄い。
「懐が大きい」ノルウェー社会の一例である。
