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昨日はノルウェーの総選挙があった。
学校と酒屋が休み
この日は、学校そして何故か酒屋も休みとなる。学校は投票場所になるからわかるとして、酒屋については、酔っぱらって選挙の妨害をした場合は、その人を追放できることが選挙法で定められているらしい。ただし、2015年からは、一部の酒屋での販売が可能となったようだ。
私達外国人は国政への選挙権がないので、あまり興味を持ってみていなかったのだが、ブログに書くネタとして、今年は少し勉強してみた。(うっ、政治には実は疎い私)
ちなみに、地方選の選挙権はあるが、未だかつて投票したことがない。
引き続き右派の勝利
結果は、現政権である保守党と進歩党の連立政権の勝利。
職場のノルウェー人に聞くと、多くが「安堵した」様子だった。
今の政権に満足しているということだろう。
「Borgerligの勝利」という言葉が色々な新聞で使われていたが、これは社会主義に対峙するブルジョワ(中産階級、資本主義)ということらしい。農村部ではなく、都市部に住む中産階級の勝利とでも言えるだろうか。
今後、貧富の格差が広がっていけば、また労働党の時代がくるのかもしれない。
上記を見ると一目瞭然。左派勢力が優勢なのは、田舎の山間部、右派勢力が強いのは、都市部と石油産業や漁業が盛んな西海岸と南岸部にスパっと分かれている。
政権交代のあった2013年
前回の2013年には、労働党から現在の右派政権への交代があったのは記憶に新しい。
その2年前に、オスロで連続テロがあった。当初はイスラム過激派の犯行かと思われていたが、犯人は同じノルウェー人、しかも単独犯。
どうして、ノルウェー人が同胞を殺すのか?と当初は誰もが困惑した。
その後、当時の政権を握っていた労働党の首相は、市民を集めて犠牲者を追悼し、国民の心が一つになる素晴らしいスピーチを残した。
だが、2年後、そんな労働党の政権は長くは続かず、右派へと政権は交代した。
ノルウェー人の知人は、「皮肉な話だが、ブレイヴィック(犯人)は完全犯罪を成立させたことになる。」と言った。
多くのノルウェー人は、将来の労働力として、国際社会の責任として、人道的な観点からも、移民や難民を受け入れることは必要とは思っているが、脅威を感じているのも事実。
彼の犯罪によって、その潜在的な声を目覚めさせたということらしい。
3大政党は苦戦、中央党が躍進
ただ、今回は、前回と比べて保守党、進歩党あわせて5席、労働党は6席を失っている。一方で、票を伸ばしたのが、中央党(9席)と社会主義左翼党(4席)である。
ノルウェーの議席数169のうち、19(選挙区の数)議席は、修正サン=ラグ方式というのを採用している。
これは、泡沫政党に有利な制度で、
ノルウェー語では、Utjevningsmandatと言う。
簡単に言うと、各選挙区で議席をとれなかった政党のうち、得票率4%未満の政党を排除し、それ以外で得票率が高い政党に1議席与えるというもの。
その中で中央党が議席数を伸ばした。
「羊を殺す狼の殺処分を推進する」という政策が、羊農家や狼の被害に苦しむ住民らに支持された結果、地方の選挙区で議席を得ることに成功したようだ。
非常にわかりやすい、政党の配分とその議席数
- 左側にあるほど、左翼思想が強く色は赤で記され、
- 右側にいくほど右翼思想が強く色は青で記される。
- 黄色が、キリスト教民主党で、より中道に近い右派となる。
- 議会は、下記の計9政党で構成される。
画像は全てVG.noのサイトより借用
- Jonasは労働党党首、Ernaは保守党党首の名前。
- それぞれ左派80議席、右派88議席、残り1席は、緑の党。