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子供達が小さい頃の大きな楽しみとして、友達の誕生日会へのお呼ばれと自分の誕生日会がある。
それこそ、誰がいつ誕生日かというのは、子供達の間で全て把握している。
幼稚園では、自分の誕生日には、クラス全員にケーキをふるまい、先生がきれいな王冠を紙で作ってプレゼントしてくれる。その日は、王様、王女様気分を味わうことができるのだ。
こんな感じ↓
画像はネットから借用したもの
そのお誕生日会にも、ノルウェーならではの
暗黙のルールと儀式のようなものが存在する。
- 時間は2時間
- 送り迎えは時間厳守
- お誕生日の子を中心にぐるっと囲んで座り、プレゼントをひとつひとつ開けていく
- その場合、空のペットボトルを床の上でくるっと回して、尖がっている部分が示す方向にいる子が持ってきたものを開ける
- それを開けるときは、豪快に包装紙をびりびりっと破く(日本人って包装紙も丁寧にはがして、きちんと折りたたんで後で何かに使えるかなって考えるんだけどそれはNG)
- 少し遊ばせてから、料理となる。
- 料理は、ホットドッグ、タコス、ピザが定番。
- 飲み物は、コーラにオレンジのソフトドリンク
- デザートは、チョコケーキかマフィンであればOK、夏ならばアイスクリーム。
- ケーキを食べる前に、ノルウェー版バースデーソングを歌う。
- ゲームやクイズ、工作などちょっとしたイベントを用意する人もいる
- 最後に、手土産としてゴッテリ(お菓子の袋)を持たせる
- 招待する人数は、年齢が上がるにつれて少なくなっていく
というもの。
今は知りませんよ、昔はそうでした
娘が確か小3くらいの時に
あるショッキングな出来事があった。
その時はサッカーを習っていて、クラスの女子のほとんどがチームに入っていた。
ある日、練習の後、一人の女の子が誕生日会の招待状を皆に配った。
(1-2週間前に招待状を配るのも定番なのだ。)
だが、なぜか娘には配られなかった。
その場でもらわなかったのは彼女だけ。
あとでわかったのだが、招待したのはノルウェー人のみ。厳密には、親がノルウェー人の子のみ。
ちなみに中国からの養子(親はノルウェー人)の子は、呼ばれていた。
呼ばれなかったのは、
- 娘
- お母さんはノルウェー人だがお父さんがアフリカ系で少し肌が浅黒い女の子
- あとは、中東系の移民の子供達が数人
明らかに、人種差別と言われてもおかしくない。
しかもそれを子供の誕生日会でやるとは。
私は「これは放置できないでしょう」ということで、父母総会で話し合うように提案した。
その子は、かなりの問題児で、どうやら原因は、そのお母さんにあるようだ。
思い通りにならないと暴力をふるう、すぐにすねる、勉強も運動も極めてできが悪い、おまけに肥満ときた。親は料理をあまりせず、好きなお菓子ばかり食べさせているそうだ。
だから、子供達の間でも
「XXちゃんは可哀そうなんだよ。きちんと親が見てくれないから。」ということで通っていた。
心理学者として働くあるお母さんは、
「XXちゃんは、Barnevern**(児童相談所のようなもの)に預かってもらった方がいいのかもしれない。」
と本気で心配していたそうだ。
他のお母さん方もそれは承知で、今回の件も、
「またまた、やってくれるよな。」的な反応だった。
先生もまた然り。
ノルウェー人は、
「レーシスト =人種差別主義者」
と呼ばれるのを特に嫌がるので、そのお母さんは、父母総会でやり玉に挙げられた。
だが、ノルウェーのことなので、名指しで攻撃という感じではなかった。
それでも、「あっら。ごめんなさいね。」という態度で全く悪びれない。
その父母総会を経て、新たなルールができた。
- ケーキは学校に持ってこないこと
- 誕生日会は、クラスの全員あるいは女子か男子全員を呼ぶこと
- 数人だけ呼びたい場合は、過半数以下にすること
- プレゼントは100クローネ以下にすること
このお母さんのように良識がない人がいるので、ルールを作らざるを得ないのだ。情けない話である。
嫌な思い出のひとつだが、数は少ないものの、そういう人がいるということも避けて通れない事実である。
**BARNEVERNのウェブサイト(英語)
