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ノルウェーの新聞、私はほとんど斜め読みだが、最近やたら、

リウ・シャオポー氏

に関する記事が多いなあと思っていた。

 

ご存知の方は多いだろうが、

 

彼は2010年にノーベル平和賞を受賞した中国人人権活動家であり、投獄中に末期の肝臓がんに侵され、つい先日の7月14日に死去した。

 

日本をはじめ、各国メディアは、十分に治療を受けさせなかった中国政府の対応を非難しているが、

 

その中でも、この受賞により、多くの圧力を中国から受けてきたノルウェーそしてそのメディアにとっては、様々な思いがあることがうかがえる。

 

彼の受賞以来、中国はノルウェーに対して、あからさまに圧力をかけてきた。

 

事の経緯をよく知らない私でも目に見えてわかったものでは、

 

  • 中国人旅行者をノルウェーに送らなくなり、押し寄せていた中国人ツーリストが一時激減。←それでも中国人旅行者を見かけることはあったたが、どうもそれは本国ではなく多くが台湾や香港のツーリストだったらしい。

 

  • 中国へのサーモンの輸入を禁止。サーモンの輸出先としては、日本も含めて中国は、さらに巨大な一大市場である。ウクライナ問題のロシアのサーモン輸入禁止も含めて、サーモン業界は大きな打撃を受けた。

 

それでも、小国ノルウェーとその政府は堂々としていた。

自分から大国にすり寄ることはしなかった。

 

ノーベル平和賞の委員会は、ノルウェー国会が任命した委員で構成される政治的に独立した機関という位置付である。

 

ノーベル賞はスウェーデンが本家であるが、平和賞だけは、ここノルウェーのオスロで授賞式が行われる。

 

その理由については、諸説あるようだが、要するにスウェーデンとノルウェーの連合国時代に、平和賞を管轄していたのがノルウェーのノーベル委員会で、その後ノルウェーが独立したため、機能がそのまま残ったという説が強いようだ。

 

私が感じる限りにおいて、

 

ノルウェー人は、

平等を好み、

人種差別を軽蔑し、

汚職を嫌い、

特権をできるだけ排除し、

人権を尊重し、

 

それを理想とする国づくりを目指している国民であると感じる。

 

実現しているかどうかは別として、理想としていることは確かだろう。

 

ただ、受賞者の選定については、物議を醸しだすことも多いのは事実である。

 

その結果として、国家にとって政治的あるいは経済的なダメージを与えたとしても、揺るぎない姿勢を維持するというところは、日本政府も見習うべき部分はあるのではないかと思う。

 

と、少し話はそれてしまったが、

 

その中国とノルウェーとの関係もつい最近の昨年12月に正常化することになった。

 

その矢先での、彼の死は何を意味するのだろうか。

 

色々な憶測をせずにはいられない。

オスロにあるノーベル平和センター