3日前に、日本にいる長女から、大学入試の結果発表があったと連絡があった。
結果発表:
ウェブサイトでは、7月20日とあったので予定より数日早い公表だ。
行く大学によっては、親元を離れる可能性があるので、私もどきどきしていた。
結果は、第1志望の学部には、あえなく惨敗。
ウェイティングリストの順位も、希望が持てるものではなかった。
最終試験で、ノルウェー語とニーノシュク(西ノルウェーで話されているノルウェー語、娘曰く死語に近い。古典みたいなもの)の成績が、想像以上に芳しくなかったので心配していたが、それが足かせになったのだろう。やはりだめだったか。
それでも、滑り止めとして申請した学部は合格したそうだ。
気になる費用のこと:
授業料は、公立の場合基本無料だし、学生ローンも借りることができる。無事進学できれば、一部奨学金となるので返す必要はない。
ローンの金利は市中金利とそれほど変わらない。
親がお金を出せないから、進学できないということはあまりなく、学生が自分の名義で学生ローンを借りて、就職したら返していくというのが一般的だ。
職が見つかるまで、返済を待ってくれるというありがたい仕組み。
オスロから離れる場合は、生活費もかかかるし大変だなあという話をすると、誰もが
「学生ローンもあるし、バイトもできるから大丈夫だよ」と言う。
その辺は、さすが福祉国家であるし、自立しているなと思った。
そんな訳で娘もそのつもりでいるらしい。
親としてはありがたいが、自宅通学でなければ親が援助しない訳にはいかないと思う。
受験方法:
ノルウェーの大学の申請方法はユニークで、なんと10校(厳密には10コース)まで申請ができるのだ。
自分の成績よりも合格ラインが低いコースに申請しておけば、ほぼ確実に進学はできる。
大学も普通の国立大学から、ホイスコーレと呼ばれる短大もしくは専門学校(みたいなもの?)まで、学科やコースの数も豊富である。
日本のような受験会場での一発試験ではなく、過去の成績と試験が加味されたものとなっている。
このシステム、娘に聞いてもピンとこなくて、結果、彼女に任せっきりだった。
親としても一応勉強しておくべきだろうと、ノルウェー国内の大学や短大入試を取り仕切る
「Samordna opptak」のウェブサイトを読んでみることにした。
簡単な流れ:
- 個人情報を入力するIDポータルサイトにログイン
- 申請用紙に記入
- 希望学科を10コースまで入力
- その優先順位を決定
- 申請書を送付
- 必要書類(成績証明等)をダウンロード
- 締切は3月1日あるは4月15日
- 書類が不備な場合は、連絡がある
- 7月20日、結果通知
- 7月26日までに返事をする。
- 7月29日に補欠募集の情報がくる。
補欠募集:
合格者が他のコースを選んだりして入学辞退した場合に、空きがでれば、ウェイティングリストの上位者から入学のオファーが来る。例えば、第1希望がウェイティングで、第2希望に合格した場合、入学する意思を示しても、追加募集で第1希望に合格できれば、そちらを優先することができる。
合格基準:
基本的にポイント制。今までの成績と3年生における試験の成績が基準となる。それ以外にKvote(ポイント加算や特別枠)がある。例えば、
*ポイント加算:
- 語学、理系学科、新卒者、徴兵の経験者などに加算される。
- 男女の割合を均等にするためのものでコースによっては男性あるは女性にポイントが加算されるもの。
*特別枠:
- サーメ人枠、
- 工科大学における女子枠、
- ジャーナリズムの実務経験者枠、
- 体育大学では、軍隊出身者枠、オリンピアトッペン(オリンピック強化選手?)枠
などがあるようだ。
留学生向け:
上記は、ノルウェー人学生向けのものだが、
勿論、海外からの留学生向けにも同サイト上で情報は提供されている。
留学生については、ノルウェー語や英語の要件が更に課される。
今後:
娘の第一希望、実はオスロ大学にある学科で、ここに合格したら、自宅通学もできるし、散歩も可能なので、ご褒美に「犬を飼う」予定だったのだが、その夢が遠のいてしまった。
「犬を飼う」ために、長女がオスロに残ってくれるのを願っていた次女、彼女にはまだこの報告はしていない。きっと、がっかりするだろう。
補欠募集に望みを託したいが、リストの上位ではなかったので、まあ難しいだろうな。
娘は、合格目指して一生懸命頑張っていたのを知っているから、そっとしておこう。
人生は山あり谷あり。
こういうこともあるさ。
そういう親の心配をよそに、娘は京都での滞在を大いに楽しんでいるようだ。
ちょっとほっとした。
でも、オスロに通えないとなったら、住居を探したり、引っ越したりとかなり忙しくなりそうだ。
(全く関係ないですが、)家から車で10分ほど行ったところにある森の中の小さな湖にて。