通勤は、地下鉄で約14分。
会社から駅までと、駅から自宅までは、それぞれ徒歩2分ほど。
ドアツードアで20分もあれば通勤ができる。
それでも、私は仕事が終われば、一目散に家に帰りたいタイプ。
若い頃は、会社帰りに習い事や友達との待ち合わせなど、何かイベントがないと嫌だったのに、長い主婦生活を経て、おうち大好き人間になってしまった。
先日は、娘の誕生日だったので、ちょっと奮発してケーキでも買って帰ろうかと、レストランの検索アプリ、Yelpでケーキ屋さんを探してみた。
日本のデパ地下に売っているような、フランス風デコレーションケーキを売る店はオスロでは少なく、しかも値段もかなりお高いので、ほとんど買ったことはないが、以下の4店を見つける。
- Sebastien Bruno オスロに8店舗あり
- Pascal オスロに5店舗
- L'ardoise St.Hanshaugenに2015年にオープンしたばかり
- Sverre Sætre Konditori シェフは、各種の賞を受賞
最初の2つは、店舗も多く昔から知っていたが、3番目と4番目は初めて聞く名前だ。
最後の、Sverre Sætre Konditoriに行ってみようと、Yelpで住所を探し、グーグルマップで行き方を調べる。
ケーキ屋にしては、オスロのおしゃれなエリアから外れたところにあるのも興味深い。
電車で中央駅まで行き、37番のバスで5つ目の停留所とある。
バスに乗り込み座席に座っていると、途中で、初老のご婦人が、スーツケースを引きずり、背中には楽器らしきものを背負い、両手に袋を持って乗り込んできた。
当然周りの人は席を譲ろうとする。
何人かが彼女に声をかける。
しかし、背中に荷物があるから座ると邪魔になるとその親切を丁寧に断っていた。
それでも、なんだか気の毒に思えて仕方がない。
バスが揺れて、スーツケースが動き出す。
私の隣に座っていた女性がそれを見かねて、スーツケースを抑えてあげた。
咄嗟に私も、手に持っている荷物を持ちましょうかという勇気が持てた。
本人は助けはいらないというので手を差し伸べるのを躊躇していたのだ。
心なしか車内が和やかな雰囲気に包まれた。
そうこうしているうちに、バスが目的地に着いた。
地図に従って、Yelpに記載の住所に行くが店らしきものが全く見当たらない。
店のウェブサイトを確認すると、Yelpとは違う住所だった。
住所は町の西側になっていた。
あの住所はいったい何だったんだろうか?
この日は仕方なく諦めて、そのままバスを乗り継いで家に帰ることに。
少しコースはずれるが、見慣れない景色を眺めながら家路に向かった。
なんだかちょっとだけ、わくわくする気分を味わえた。
ケーキは買いそびれたが、たまに寄り道して、違う空気を吸うのも悪くないかも。