部屋を移動してから、

椅子が合わなくて困っていた。


試験準備で、1日に8時間ぐらい座っていた時は
変な姿勢で勉強していた。


没頭しすぎたので、他はどうでもよくて

不満に思う暇もなかった。

試験が終わって、ゆっくりできるようになったら、椅子が気になる。

 

前に傾斜しているデザインで、

座っていると、体がどんどん前に

滑っていってしまう。

最後は、机の下に 体が潜り込んでしまう。

 

オフィスに、一度言ったけれど、
そういう椅子のデザイン なのだそうだ。


この椅子は新しくて、壊れてない。
前の住人が 象のような巨体の男性だったら、
歪んでいるかもしれないけれど、
それもない。

 

同じデザインなら 他の椅子に変えても同じ。

 

隣室のギリシャ人 PhD博士課程のイリアッド君に、聞いてみた。

 

彼こそ部屋にこもって勉強ばかりしている。

椅子は誰よりも重要なはず。

どうしているのだろう。

 

案の定、彼は、さっさと新しい椅子に 

自費で買い換えていた。

寸暇を惜しんで、1日中勉強しているのだから、

当然か。

キッチンに放置してある椅子は、彼のだった。

 

なので、私は よくキッチンのテーブルで 

パソコンをやっている。

 

今日は、掃除機男子がソファーで休憩していた。

 

今日、館内引っ越しをする人をたくさん見た、

と、言ったら

 

今日と明日の二日間で、

60部屋の移動があると言う。

 

なんで?

 

来週から 未成年の英語サマースクールが

スタートする。

大陸からたくさん 

ティーネージャーがやってくる とな。

 

ティーネージャーと 成人を、

同じフロアに置いて行く事は 

法律違反になるので、

大学生は 今移動しなければいけない らしい。

 

未成年が 変質者の大人に 

被害に遭うケースが あとをたたないもんね〜

 

掃除人の監督をしてるので、

そろそろ行かなくちゃ、

何か僕にできることがあったら 言ってね。

 

ありがとう。ご親切に。

 

あの若者、掃除の監督だったのね。

 

そのあと、ぴん ときた。

 

60室も、移動するんだったら、

その中に、違う種類の椅子があるかも〜?

 

そしたらそれと交換してもらえるかも〜?

 

早速、彼を追いかけた。

 

いない。

 

レセプションの女性に聞いた。

真面目な若いインド人女性。

 

彼はもう帰ったので、

自分が代わりに用事を聞く と言う。

 

この人に言ったら ダメって言いそう〜

躊躇したけど、椅子の交換を聞いてみた。

 

それは週明けに チーフに聞いてみないと

わからない、と言う。

基本、備品の移動はだめです。

 

やっぱりね〜、そう言うと思った。

言わなければよかった。

 

諦めて、部屋に戻ると、

さっきの掃除機男子に ばったり。

 

な〜んだ。 

まだいたのね〜

あのレセプション女性 適当なことを言うなあ〜

 

で、

 

彼に事情を話したら、

即答でオッケーと言う。

 

違う種類の椅子は 少ないけど、

ちょっと待って、今すぐ持ってくる〜

 

5分後、彼は椅子を持って現れた。

やった〜!

 

この椅子 本当に座りやすい。

部屋を移動する前の椅子も これだった。

もう 前に滑っていくこともない。

 

これでよく勉強ができます。

 

しなくちゃ。