耳年齢診断というサイトがあった。
 https://sleepfreaks-dtm.com/elementary-knowledge/hearing-diagnosis/

 PCにUSBボートにから「REIYIN DA-DD」というコンバーターを繋ぎ、そこに直接ヘッドフォンをつないで自分の耳年齢をチェックした。しないでも答えは分かっていたが、案の定、ぎりぎりカスカスの上限は10000㎐。まあ60歳レベルの聴力のようだ。9000㎐から急に聞こえがダウンした。何年か前までは、14000㎐くらいまでぎりぎり聞こえたのだが、かなり加齢したので、その水準が10000以下にダウンした。10000㎐というと、20000㎐の半分だから、かなり低レベルの耳に劣化したように思う人がいるかもしれないが、その差はたったの1オクターブに過ぎない。ととりあえず自分の耳を慰めた。

 さてだ。そんな老人耳の私が、ハイレゾがどうのとほざいても、だれも見向きもしてくれないかもしれないが、それでも私の自覚には、ハイレゾ音の違いは分かるつもりでいる。
 こんな実験をやってみた。

 音源は、1975年録音、山崎ハコ姫の『飛・び・ま・す』CD。この46年も昔の録音だが、リメイクされたCD音は飛び抜けて高品質で、立ち上がりが鋭く繊細な超ハイファイで驚いた。もっと新しい録音で、ぼやけたものがたくさんあるのに、16Bitでここまでの音質なら,言うことはないほど。このCDをリッピングして、24bitのFLAGに変換した。一つは44.1k㎐、もう一つは176K㎐のサンプリングレートで。

 比較するのは次の3つ。
 1)CD音(16Bit):メディアプレーヤーで再生
 2)FLAG/24Bit/44.1k㎐:Grooveミュージックで再生
 3)FLAG/24Bit/176k㎐:Grooveミュージックで再生

 PCに「REIYIN DA-DD」コンバーターをUSB接続して、そこからヘッドフォンで聞いた。
 Windows10のサウンドで、コンバーターの音デバイスのプロパティを開き、さらに追加のデバイスを起して、詳細で出力デバイスを、24Bit/96k㎐にセット。ヘッドフォンからの音は、Windows10とコンバーターによるアルゴリズムに従って、24Bit/96k㎐で出力されるはずである。音源が16Bitは24Bitで、サンプリングレートが低くても高くても96k㎐に調整されるはずである。
 正直、ここで「サンプリングレートがどうのこうの」と書いている私には、正確にはその意味するところが分かっていない。なんとなく知ったかぶりで書いているわけである。問題は、聴感で差があるかどうかだ。

 1)と2)の比較。これは大きな差がない。正直、音質の明確な差が分からなかった。この実験では、再生は24Bit/96k㎐化されるので、どちらも似た状態になって聞こえるはずなので、予測どおりであった。
 1)と3)の比較。これは明確な差がある。1)のCD音は16Bitだが、コンバーターで24Bit化され、さらに96k㎐にアップサンプリングされているはずである。そして3)は、176k㎐にアップサンプリングされた大きなデータだが、再生では96K㎐にダウンサイジングされるはずである。だとしたら、差がでないはずなのだ。が、明確な差があったということは、音源として、FLAG/24Bit/176k㎐のハイレゾ音にデータ化することは、高音質で再生することに、大いに寄与することが明確になった。

 老人耳の私だが、FLAG/24Bit/176k㎐のハイレゾの再生音には、個々の楽器やボーカルに、透明の薄いヴェールを何層か被せたような広がりがあるように聴こえる。輪郭に美しい影ができる感じだ。CD音だけだと、とても良い音ではあるが、ハイレゾと比べるとベッタリ感があり、平面的な感じになる。逆に言えば、CD音はシンプルに断捨離された感じを好ましく思うかもしれない。ハイレゾは音源の周囲になにやら表現しにくい余分なオーラの広がりを感じる。人によっては、それを歪みや蛇足として嫌うかもしれない。確かに、データ量として数倍も大きいハイレゾが再生させる音は、オリジナル音にさまざまなアルゴリズムで付加した空気音ではないだろうか? それは決して超高音ではない。数千㎐から2万㎐のふわりとした響きのように聴こえた。好みの問題もあるかもしれないが、私の老人耳は、明確にハイレゾ音が好みである。音楽が生き生きと鳴って感動的になるからだ。当分はハイレゾ音遊びで忙しくなる。