民衆こそ王者ー池田大作とその時代 先駆者たち──中南米篇(3) 14 | EIKOの気まぐれ闘病日記

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   大統領と会う条件 ②


 「やはりトップ同士が会うことが大事だ。どんな国でも同じだね」。フィゲイレドとの会見を終えた池田は、同席した幹部に語っている。「大統領は賢明な方だった」。その後、池田はアブレウ文官長と会見した。『生の選択』を手にしたアブレウが、笑顔で池田と握手する映像が残っている。愛読してきた対談集を机に置き、アブレウは「この本の著者と意見交換できることは私の生涯の思い出です」と語った。池田と大統領の会見はNHKトップニュースでも報道された。

 池田はブラジリア総合大学での図書贈呈、教育文化大臣や外務大臣との会見を終え、23日、サンパウロに戻った。コウサカたちに難癖をつけた軍幹部らとも会い、「更迭されたメンバーがSGIの会合に出席してもよい」という約束をとりつけた。さらにコウサカは「日本から来た取材班を手伝ってほしい」と頼まれた。

「悔しい思いをしていた私が自由に動けるように心を砕いてくださった。あの時ばかりは涙をこらえられなかった」とコウサカは語る。

 サンパウロに住む大滝葵はこの日、宿舎で池田とバッタリ会った。親善交流団の受け入れをはじめ、さまざまな雑務を手伝っていた。

「当時、夫が建設会社のブラジル駐在員でした。いつまでブラジルに滞在するかわからず、2歳の娘をどう育てればいいか悩んでいました」。

 「娘さんに何かあげたいな」。大滝の話を聞いた池田は、日本から持参した童話『少年とさくら』の表紙を開き、サインペンを手に少し考えた。

 「おかあさんのいうことをよくききなさい。おおきくなったならばにほんのがっこうにいらっしゃいね。せんせいより まさこちゃんに」

 すべてひらがなで書き、紙風船と一緒に手渡した。母である大滝には「ここ(=ブラジル)で闘ったら必ず境涯が開けるよ」と励ました。「先生から『題目をあげて、あげ抜いていくんだ。唱えた題目は全部、自分のものだよ』と言われ、もやもやしていた悩みが吹っ切れました」。

 池田から『少年とさくら』をもらった大滝正子は、のちに関西創価高校、創価大学を卒業。京都の私立大学で国際関係学の博士号をとり、「経済と環境」をテーマに研究を続けている。