韓国・済州島にSGIの研修センターがある。大阪には同島出身者が多い。日韓の架け橋になりたいと願い、ツアーを組んで訪れる。
玄関ホールでバスガイドの若い女性が泣いている。和歌が掲げられていた。
「忘れまじ 日本の原点 済州島 皆さまありて 我らもあるなり」
ガイドの感動は大きかった。
「この池田さんって、誰ですか」「こんなことを言う日本人が、本当にいるんですか」
ある在日の学会員の近所に、韓国人の男が引っ越してきた。
日本に来たばかり。祖国の言葉で話がはずんだ。男が土産話を始めた。
「この前、韓国で聞いたんです。実は、日本には、すごい人がいるんですよ。韓国のことを『日本の兄の国』『文化大恩の国』と称えているんです」
なんという名前だったか、必死で思い出そうとしている。
学会員は吹き出しそうになった。
「それは、僕の師匠ですよ!」
面接調査を終えた、済州大学のチョウ。いくつかの注目すべきポイントがあった。
第一に学会の大衆性。
創価学会は国籍の区別なく、苦悩にあえぐ大衆を救済してきた。学会の組織は、在日コリアンが日本で生き抜く上で、他の在日コミニュティーよりも重要な意味があった。
第二に、社会意識の向上。
学会員は当初、個人の幸福追求を目的としている。ところが、いつしか個人の次元に終わらず、韓国と日本の社会に貢献したいと願いはじめる。行動していく。その過程も、実に無理がなく、自然だった。
第三に、池田会長の存在。
精神的な支柱である。朝鮮半島への認識にしても、これまでの日本人とは、完全に発想が逆転している。日本では他に類を見ない指導者である。
ある時、チョウは、在日三世の男子学生に取材した。彼は「池田会長に続き、韓日を結ぶために働きたい」と胸を張った。
驚いた。「次の次の世代にまで精神が継承されているのか。これは奥深い。まだ調査が足りないな」。
今も大学の研究室で、SGIの謎と格闘する。