初渡米の折、池田会長がアメリカの日系人メンバーに「市民権の取得」「自動車免許の取得」「英語の取得」の三指針を示したことは知られている。
日系の著名人が述べている。
「どうすればアメリカ社会に根付くことができるのか。私たちは何十年も考え抜いてきた。その末に導き出した結論と同じです」
英字による独自の機関紙発刊を提案した。
自分たちの国の言葉で、学会の指導を読み、仏法を学びたい。日本からの”出先機関”ではなく──メンバーの率直な思いであろう。
アメリカに行く日本の幹部に言い聞かせた。
「アメリカ人から学んできなさい」
教義や指導を押し付けるのではない。アメリカ人を尊敬する。その長所を尊重する。そうでなければ、東洋発の宗教は根づかない。
日本の宗教がアメリカで浸透することは難事である。
特に南部の保守的な地域では「警戒するべき異教」という考えが今も根深い。仏教徒の家に爆弾が投げ込まれる事件まで起きた。
事実、アメリカの国情、国民感情を顧みずに、いたずらに社会問題を起こした教団もあった。珍妙な布教方式、医学の否定。賭博の温床となった教団まであった。
浄土真宗など既成仏教宗派の布教も、日系人社会の枠内にとどまっていた。神道とて同じである。日本人以外への布教を試みた教団はあったが、黒人やメキシコ人は敬遠した。教団内での白人系信者の反発が予想されたからである。