これを悔しがった人物が、かつてスペイン領であったフィリピンにいた。
ホセ・リサール協会の会長キアンバオ。旧宗主国の君主との会見を実現したい。一案を巡らせた。
1998年(平成10年)、リサール協会はフアン・カルロス国王に「リサール大十字勲章」の受章を決定した。そのプレゼンターを、池田会長に要請したのである。
池田会長も同勲章の受章者である。おりしも同協会第一号の「リサール国際平和賞」の受賞のためフィリピンに滞在していた。
2月11日。会場のマニラホテル。
キアンパオは、池田会長の装いを見て、にこにこした。
フィリピン男性の正装「バロン・タガログ」ではないか。よく似合っている。並んで国王を迎えた。
会長の第一声。「創価学会の池田です」
”池田会長は、いつもと全く変わらない”とキアンパオ。
国王との念願の橋渡しができた。こんなにうれしいことはない。
相手が誰であれ変わらない。
こんな場面があった。
1975年1月、ワシントン。米国務長官キッシンジャーとの会見前夜。創価学会会長としてのスタンスが話題になった。
「今回は、文化・教育次元での交流だから、あえて宗教は表に出さないほうがいい」との声もあった。
ひと通り、スタッフの意見を聞いた上で、会長の結論は明快だった。
「相手が誰だろうと、どういう場面だろうと、私は創価学会だ。私が創価学会だ。それでいいじゃないか。隠す必要なんかない。『アイ・アム・ザ・ソウカガッカイ』堂々と胸を張っていこうじゃないか」