昭和39年12月6日、一本のテレビ番組が放送された。
「未知への挑戦
人間革命」
一人の学会員を主人公に据えて、本当に人間革命は可能なのか迫ろうという企画であった。
企画したのは、当時、東京12チャンネルのディレクター、田原総一朗であった。
一人の女子部員を主人公に、3ヶ月にわたって取材。
座談会をはじめ、十数カ所の会合に訪れた。
女子部員の家族、心理学者、高校時代の恩師などにも話を聞き、45分の番組にまとめた。
田原は取材過程で、池田会長を取材。田原は
「宗教なんだから、権威的で厳かな講話だろうか」と想像していた。
しかし、全く違った。
気さく。威勢のいい江戸っ子口調。ユーモアに次ぐユーモア。約2万人の会場は沸きに沸いた。旺盛なサービス精神に驚いた。
田原氏に、戦後日本社会で創価学会が果たした役割を訪ねた。
「それは『座談会』ですよ」
「誰でも集まれて、何でも悩みを話し合い、絶望しかけた人が前向きになる、貴重な場だと思った。
取材後も、学会員の方々と付き合うなかでも、貧しい人、病気の人など不幸な人達が、どんどん幸せになっていくと感じた」
公明党議員が閣僚が選ばれた時、学会の会合で池田会長が「大臣は皆さんの部下です」と発言した。
池田会長は「議員や大臣は公僕でしょう。大臣より国民の方が偉いは当然だ。田原さんは、大臣の方が上で国民が下だと思われますか。大臣だって自分の選挙区にいけば、選挙区民に最敬礼しているではありませんか」
池田さんは「公明党閣僚は創価学会の幹部の子分だ」という意味で、そういったわけですか。
「とんでもない!権力者のいいなりになっては絶対にいけないという意味だ。議員や大臣を先生呼ばわりして偉くさせすぎてはいけないと思う。いつも選ばれた人に威張られて、選んだ人がばかにされてはかわいそうだ」
「池田さんはごまかさない。逃げない。真っ直ぐに答える。『ああ、本物だ』と感じました」
「今、不況の日本しか知らない若者世代が増えている。幸福とは何か。何のために生きるのか。本気になって国中が考えなければならない時代になった。
学会は、特に若者達に方向を示し、『新しい幸せのかたち』をつくる役割を課されていると思う。そんな力は、民主党にも自民党にもない。残念ながら、それは公明党の仕事でもない」
ぎろりと睨んで、畳かけた。
「今こそ創価学会の出番だと思いますよ」と、田原は語った。