テレビのニュースを見ていたら、某大手企業が駅ビルに新オフィスを構えたと放送していた。
そこに市長が訪問し、こんなコメントをしていた。
「若い人に来てもらえる、若い人が活躍できる体制が整っていますね」と。
用意されたコメントなのかも知れないが、違和感が拭えなかった。
この件に限ったことではないが、何故市長なり、企業というのは「若い」に拘るのだろうか?
実際、企業の戦力となるのは「若い人」ではなく経験豊富な「中堅層」だ。
経験値のない若者は育てなければ戦力にはならない。
加えてその企業に「育てる環境」がなければ「若い人」は育たず、そのまま退職してしまうリスクがある。
だが、いつの時代も企業は「若い人」を求める傾向にあるし、オフィスや福利厚生も「若者向け」を狙っているのか、若者に好まれるように寄せる傾向がある。
初任給40万とか、社員食堂利用若者は無料とか。
そして私はいつも思う。
「なんでいつも若い人限定なの?」と。
それでなくても若者は、就職できる場所がたくさんある。
企業が彼ら彼女らに寄せなくても、その企業で仕事をしたいという意志があれば彼ら彼女らはおのずとその企業を選ぶだろう。
彼ら彼女らには未来も人生もまだまだある。
むしろ企業や国や行政が心を寄せるべきは若者ではなく「中堅層」なのだ。
税金も社会保険料も、多く支払って国を支えているのは「中堅層」なんだよ。
中堅層が潰れたら国も潰れるんだよ。
なのに何故企業や国は「若者優遇」に走る?
自分たちの未来を支えてくれるのが若者だから?
本当にそうなのか?
今支払っている年金は本当に自分が生きているうちに支払われるのか?
私達が納めた税金は、未来で有効利用されるのか?
そうしてくれるかどうかも判らないのに、不確かな若者の未来に期待し、企業は採用すらも若者優遇しているようだが、実際はどうなるかなんて予想もつかない。
私は思いがけず長年勤めた会社が倒産の憂き目に遭い、次に勤めた所は「パワハラ、カスハラ」が横行するとんでもない職場だった。
次の仕事を探すも、企業からは「年齢」で偏見を持たれたり、断られたりして頼みのハローワークも役に立たなかった。
そして幾つかの派遣会社に登録して、どうにかこうにか仕事にありつけたものの、就職までとても苦労した。
今でも「何とか」派遣社員として働いている。
仕事量は正社員以上でも「年齢理由で」正社員にはなれない。
企業は「不出来な若者」を「正社員登用」する余裕はあるのに、一度退職した者も何かがあって退職せざるを得なかった者も、年齢が高ければ同様に「ワケアリ」と見なし採用を見送るきらいがある。
良い企業は若者を採用すれば、そこで長く働くから中堅層はそこに入る隙間はない。
結局中堅層に残っているのは、パワハラやカスハラや労働条件が劣悪である等の曰く付きの職場。
そう、中堅層には若者のような「受け皿」がないのだ。
だからこそ企業や国や行政は「若者」にばかり目を向けるのではなく、即戦力を活かせる「中堅層」の受け皿をしっかり作って欲しいと切に願う。