書店とブックオフをはしごして4作品を購入。


  『誇りと復讐』 ジェフリー・アーチャー

  『弁護側の証人』 小泉喜美子

  『リピート』 乾くるみ

  『春期限定いちごタルト事件』 米澤穂信



衝撃だったのがジェフリー・アーチャーの新刊!



新刊を出してたこと自体知らずにふと立ち寄った書店で見つけて即購入。


これがあるから、買う気はなくても書店に行きたくなるんですよね。


書店内でも結構目立つ位置に置かれていたのがファンとして嬉しい。


今回も上・下巻に分かれた長編。


一体どんな人物のどんな人生をどんな風に描いたか楽しみ。



『弁護側の証人』は評判を耳にしていたので購入、

『リピート』と『春期限定~』はその場の気分で買っちゃいました。



『ケインとアベル』へ
【内容】

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。

そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない

“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を

次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞

奨励賞受賞。(「BOOK」データベースより)



【感想】

古典部シリーズの第1作目。古典部に纏わる謎についてがストーリーの中心。

米澤作品は『インシミテル』から入ってしまった為、どうしても本格色のイメージから抜け出せなかったが、

本作でも良い味を出していた。殺人や犯人探しといった要素は皆無で、学校内や古典部に関する謎を

まったりと解いていく。ページ数も少なく、さくっと気軽に読める。


小説にありがちの、登場人物が妙に文学少年のような言い回しを好み、

「実際にこんな人いないでしょ」と思わせるキャラばかり。

シリーズ物ではストーリー以上にキャラ設定が重要だと思う。

森博嗣のS&Mシリーズが一番印象的だった。

本書でもなかなか濃いキャラが登場する。

灰色人生を好む省エネ主人公・ホータローや好奇心旺盛な千反田、データベースの里志に

まだキャラ立ちし切れていない伊原。

これからこの4人を中心にシリーズが展開されていくと思うが、

恐らく全てのストーリーは千反田の好奇心がトリガーになるのではと思う。


カンヤ祭の由来については直ぐに気づいたが、氷菓の方は言われるまで気づかなかった。

そもそも"氷菓"と聞いたときにアイスクリームではなく、イチゴにシロップをかけたものやカキ氷を

イメージしていたので、気づけるはずもなかったよ。英語力が低すぎた。。。

『ケインとアベル』へ
【内容】

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。(「BOOK」データベースより)



【感想】

初めての乙一作品。カバーからはホラー臭がプンプンしたが、まったくそんな要素はなかった。

視覚障害のミチルと電車の線路に人を突き落としたとして容疑者となったアキヒロ、

孤独に生きてきた二人の出会いと成長を描いた作品。

他人とのコミュニケーションを極端に避け、暗闇の中を一人で生きてきた二人が出会った。


視覚障害で外出することを恐れ、家でじっと死を待つ様な生き方をするミチル。

アキヒロとの同棲により、かつて父と暮らした日々を思い出し、一人で生きていこうとした

自身の弱さを認め、徐々に心を開いていく。

人とコミュニケーションをとろうとすると少なからず嫌な思いもしてしまう。

それを避けていては成長することはできない。

何故なら人は他人を見て自分を見つめ直す生き物だと思うから。

成長することができないと、自信の存在価値、果ては生きる意味を見失うことになるのだろう。

『ケインとアベル』へ
【内容】

大好きなのに、いつまでも一緒にいたいと思ったのに、ぼくの心を一瞬で奪った君は“消えてしまった”。君の存在を証明するのはたった数分のビデオテープだけ。それが無ければ、君の顔さえ思い出せない。世界中の人が忘れても、ぼくだけは忘れないと誓ったのに―。避けられない運命に向かって必死にもがくふたり。日本ファンタジーノベル大賞受賞作家による、切ない恋の物語。 (「BOOK」データベースより)



【感想】

宮部みゆきの『蒲生邸事件』のようなタイムトラベルもので、

読後中にノスタルジックな気分にさせ、最後は少し切ないラブストーリー。

最後の少女のビデオテープでの独白は、『蒲生邸事件』でのそれに酷似している。


但し本書はそれだけでない。唯の恋愛小説のようにも思えるが、

人間の"記憶"をテーマに如何にそれが危ういものかを提示している。

記憶にあるものを忘れないようにするため、人は記録する。忘れた場合には記録を見直せばよい。

では記録したこと自体を記憶からなり、忘れてしまった場合には、

その何かを思い出すことはできるのだろうか。

ましてや、記録した記憶もないのに、その記録を見させられても、

「それは本当に自分が書いたものだろうか」、「自分の妄想なのではないだろうか」という問題が付きまとう。

記録したこと自体を記憶から消えてしまっては、存在しないのと同義だろう。

人の記憶にあるからこそ、存在していると言えるのかもしれない。


人の記憶から"消え"ていってしまう少女・織部あずさを消すまいと躍起になる主人公・タカシ。

物語は日記を読んでいるかのようにタカシの一人称で進んでいく。

タイトルにあるように、あずさに会っている間タカシはあずさの事を忘れないと誓うが、

あずさが一時的に"消え"てしまった後、タカシはその誓いを忘れてしまう。


設定自体はファンタジーだが、情報化社会である現代では記憶にとどめることよりも

記録・ログに残そうとする傾向にある。人の思い出さえも記憶に留められない現代人への警鐘である。


『ケインとアベル』へ
【内容】

大学の同窓会で七人の旧友が館に集まった。“あそこなら完璧な密室をつくることができる…”伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。自殺説も浮上し、犯行は成功したかにみえた。しかし、碓氷優佳だけは疑問を抱く。開かない扉を前に、息詰まる頭脳戦が始まった…。 (「BOOK」データベースより)


【感想】

冒頭で犯人とその犯行内容を明示した倒叙ミステリ。

犯人当てやトリックがわかった状態で読む為、探偵役の謎解きや犯行動機に重点を置いている。


単純な犯行(殺人)だけでなく、臓器移植をさせない為に死後10時間以上見つからないでいる

制限を織り交ぜたことでストーリーの最後まで謎解きを楽しむことができた。

最後の最後まで扉が閉ざされたままで、警察の介入シーン等の描写を一切無くしたこともプラスしている。


但し犯人・伏見亮輔と探偵役・碓氷優佳との頭脳戦という触れ込みは如何なものかと。

犯人は防戦一方だったよ。探偵役が切れ者すぎるでしょ。


『ケインとアベル』へ

【内容】

高校二年の夏休み、同級生の女の子が死んだ。刑事の父親と二人で暮らすぼくは、友達の麻子と調べに乗り出したが…。開高健から「風俗描写が、とくにその“かるみ”が、しなやかで、的確であり、抜群の出来である」と絶賛され、サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した、青春ミステリーの歴史的名作。 (「BOOK」データベースより)



【感想】

久しぶりに本1冊を1日で読みきった。普段は1週間近くかけるので内容を覚えていないことがしばしば。


20年以上前に書き下ろされたのにまったく色褪せず、描写が現代と一致している。
序盤からテンポ良く話が進むが、文学的要素が薄い為か深みが感じられない。
でも読者をノスタルジックな気分にさせてくれる。


ただのクラスメートだった戸川春一と酒井麻子が一人のクラスメートの死により
ホームズ&ワトソンのような探偵役を演じ、関係を深めていく。
時が経つごとに、酒井の仕草から心理を察する戸川の描写を混ぜ、
二人の距離感がどんどん近くなっていることを読者に感じさせる。
大人びた戸川春一とその父親の関係も何か微笑ましい。


ストーリー全体も含めてだが、クラスメートの死を軽く扱っている印象を受けた。
主人公である戸川春一が人から「無感情」と呼ばれ、その主人公の視点から
ストーリーが展開される所以か。

エイクの読書

【内容】

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。

きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、

彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。

「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。

あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

(「BOOK」データベースより)



【感想】

これまで道尾秀介の作品は単行本でしか読んでおらず、

本屋に行った時に文庫化された本書を見つけて衝動買いしてしまった。


『ラットマン』や『片眼の猿』他を読破済みだった為、

今回もあっと言わせてくれるだろうと期待感たっぷりで読んだがその通りになった。


死んだら虫になって生き返るという転生設定、

小学生(主人公)、幼稚園児(妹)とは思えない考え方をする登場人物、

そしてトカゲになった妹を溺愛する母と、非現実的な設定を考え付くことが○。

但し純粋な犯人探しをする推理小説としては楽しみ難い。