福岡ダービーを前に | 書き手 吉崎エイジーニョのブログ

福岡ダービーを前に

いよいよ明日、ギラヴァンツ北九州がアビスパ福岡との対戦を迎えます。

J2に昇格して、2度めの福岡ダービーです。


「福岡県のチームを観るために」。

そんな理由で、何度も何度も足を運んだ博多の森にアウエーチームとして乗り込める。

試合前にあんまり言いたくないけれど、感慨深いものがあります。


サッカーを描く職業を選んで以降、周囲からこんなアドバイスを受けてきました。

「どこかひとつ、常に追いかけているJリーグクラブを決めるべきじゃないか」

だったら、アビスパがいいんじゃないか。そう思ったことが何度もあります。本当に、何度も、何度も。


でも、スタンドから「博多の男なら~」という歌が聞こえるたびに

「あー、こりゃ違う」と思った。オレ、博多の男じゃないしなぁと。


だからこそ、自分たちの街のチームが上のカテゴリーに上がり、

こうやって対戦できることを、幸せに感じる。

なかなか、全国の他エリアの読者の方々には伝わらないでしょうか。この感覚は。


とにかく、アビスパにJ2に残ってもらうよう、ギラヴァンツとしては全力を尽くしたいところ。

「J1昇格圏ギリギリのクラブに、最下位チームが一泡吹かせようと乗り込むダービー」

全国の皆様にも、ぜひ注目していただきたいです。熱いものをお見せできますので。


もうひとつ、この試合の重要性を感じているポイントがあります。

オトンです。

試合の2週間前に電話をかけてきて、「24日、博多に行くぞ」と言ってきた。


昨年10月にオトンとギラヴァンツを描いた本を出して以降、いろんなことがあった。


オレはできるだけ放っといて、オトンが自ら楽しんで、サッカー場に行ってくれる事に賭けた。


いっぽうで、オトンは少しだけ体調を崩した。去年の冬、短い期間だけど入院して手術をした。

さらに(本のなかで書いたように)車をバイクに買い換えたことは、結果的にオトンをサッカー場から遠ざけた。

雨が降る、夜は暗くなる、遠い、と言っては、再び一人の世界に篭っていった。

時折、サポーターのみんなと食事をしたりしているようだけれど。


やっぱり気持ちは伝わらないのか。はたまた、オレが現れて「行こう」と誘わない限り興味を

持ってもらえないのか。失望と、ちょっとした怒りを感じていたころに、オトンから「ダービーを

見に行きたい」という電話があった。


もうホント、通常の2億パーセント増くらいの大声で叫んで、やっと、1か2伝わるという世界ですな。

粘り強く、粘り強く伝えて、ようやく少しだけ気づいてもらえる。

本当に何度も何度も、「アビスパに勝つぞー」という話をしてきたから。

今回、「ダービー」というキーワードにオトンが引っかかったことを嬉しく思っています。

あんまりサッカーの分からないオトンにも「隣町と戦う」という話が重要に思えたのだから。


明日のダービーは、久々にオトンとの時間をゆっくりと楽しみます。



エイジーニョ・ブログ

22日夕方、ギラ番長さんがNHK北九州のニュース番組「こんばんは北九州」に出演しました

編成の都合上「収録を生放送風にやる」という出演方法でした。8分くらい、出たぞ!!

VIVA! ギラヴァンツというコーナーで、福岡ダービーの重要性について、じっくり説明した。

垂水アナ!(中央)、よくぞ不良のギラ番長さんを受け入れていただきました。


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オンエアは、小倉北区を流れる紫川沿いの「リバーウォーク」の大スクリーンで見た

変な感じです。道行く女子高生に「ホラ、あれ見て、オレだから」と話しかけたら、変な人と

思われた。


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「ギラヴァンツがあるからこそ、郷里に帰ってくる時間が楽しくなった」とギラ番長さんはいう

ギラ番長さんは36才(高校20年生)であり、ご学友はみんな結婚して、なかなか会いにづらくもなっている。

だからこそ、ギラヴァンツを通じて様々な人と出会うことは貴重な機会だ。

特に、八幡、戸畑、若松、門司といった他区の方々に会えることが。

18歳でこの街を離れた彼は、小倉の街しか知らず、18年を過ごした。

もしかして、街に残っていれば他区の人にも簡単に出会えたかもしれない。

しかし現実には、彼は若干インターナショナルな道を選んだ。

そういう意味では――彼は言う。「ギラヴァンツを通じて、故郷との失った18年を取り戻しているのだ」と。