滞在8日め <密着マークに遭う!!> | 書き手 吉崎エイジーニョのブログ

滞在8日め <密着マークに遭う!!>



06264

若者の密着マークに遭いました


日・月と「Number」執筆のため、プレーを休んだ。


「復帰戦」の今日、5日前に2ゴールを決めた公園へ出向いた。

「道場破りに成功したから、もう行かない」とは書いたんだが、2日のブランクでちょっとナーバスになっていた。


知った顔がいれば、確実にプレーできると思い、ここを選んだ。

これまで2度ほど、公園に足を運んでも、プレーできないことがあったからね。


17時30分、オシム・ジャパンのアジアカップ開幕戦のキックオフ時間前に公園に到着。

この時間帯、じつはかなり涼しい!


5日前に会ったおじさんがおり、「オー、ナカタ」の一言で軽くピッチに入れた。


狭いピッチには、前回いなかった顔ぶれがたくさんいた。

計20人くらいかな。知らない顔もいたので「ナカタ」と挨拶。


ピッチに入った途端、角刈りの若者に密着マークされた。

望むところよ! 東南アジアで密着マークされるなんて、そうそうないだろう。


v1


角刈りくん、ものすごい細身の子だった。

押したら、勝っちゃうんだ。


ただ、ホントにずっとついてくるからこっちもプレッシャーを感じる。

アーリークロスの場面で。

サイドに流れても。

ずっとついてくる。

向こうは裸で、ヌルッと滑っちゃうのもいやだった。


v4


v3


日本の草サッカーじゃ、密着マークなんてあんまり経験しないからね。

こっちも角刈りくんのマークに押され、サイドに逃げちゃう。

まぁ、負けてるんだよね。


いいセンタリングを上げても、なんの意味もない。

こっちは10ゴールを決めるために来てるんだ。


06262

エイジーニョ(24)のすぐ横が、角刈りくん


角刈りくんは、サイドに流れても、ただ黙々とついてくる。


はじめて言葉を交わすまで、15分ほどかかった。

こっちが思いっきり打ったシュートが、角刈りくんの腹に当たった時だった。


「おー、大丈夫か?」とこちらから話しかけた。

大丈夫、とはじめて笑った。


その後からは、少しだけお互いのことを聞いた。


何歳か? と向こうから聞いてきた。

33だよ、と答えた。

彼は、15歳だと。おお、半分以下。


なんでオレをマークするのか聞いてみたかったけど、プレーに夢中で余裕がなかった。

角刈りくんはドリブルで抜けるんだけど、GKが上手くてね。

5本くらい決定機を外していた。


v5


06265
左が角刈りくん。右、シュートを外したエイジーニョ


06261
シュートを外しまくった

4度めの決定機を逃したときだったかな?

落ち込んでいると、角刈りくんがぼそっとつぶやいた。


「Vietnam win Japan」


アジアカップのことを言ってんのか? と聞き返したが、無反応。


たぶん、そんなことはどうでもいいんだろう。

たんに日本人が来たから、ぶつかってみようってことなんだ。


きっと、家に帰ったら家族に自慢するんだろう。

「オレ、今日は日本人を止めたぞ」って。

明日は学校でも話すだろうな。


悔しいが、今日は角刈りくんに負けた。

こうやって、自分でポジションを選択して、向かってくる闘志がいいじゃないか。


角刈りくんはこっちだけを見てたけど、こちらはじつのところ、ちょっと別のことを考えていたんだ。

・・・東京の社長から、「企画書を急いで送れ」とメールが入った・・・


まぁ、お互い、事情はあるわな。

今日は、キミの勝ちだ。

明日はわかんないぞ。


―ここまで、3/10ゴール―