さあ、どうしよう
シーズンの終わりが、少しずつ近づいています。
日曜日の最終節に向け、今日は2-3軍の合同トレーニングがあった。
個人的にはドイツでのラストゲームでの身の振り方を決めなければならない。
1軍―3軍のうち、どこでプレーしたいのかできるだけはやく、意思を伝えよう。
練習最後の紅白戦では、2軍チームに入ってプレーした。
ここでは、やっぱりなかなかパスを出してもらえない。全員が低いラインから、やたらとドリブルで持ち込もうとしたがる。そしてボールを取られ、オレはずっとDF役……この繰り返しだ。最後が近づいているというのに、ちょっとイライラしてしまった。表情にも出ていたと思う。
これはもう、ぶち切れて一軍にいくぞ! と決めた。3軍監督のアンドレにも伝えようとしたのだが…
練習後、みんなでビールを飲んでいるうちに少し気持ちが変わっていった。
ケルンはここのところ天気がずぐついていて、ちょっと肌寒いくらい。
クラブハウス内のアウエーチーム用のロッカールームで、12~3人くらい集まって飲んだ。
これまで何度もこういう飲みがあった。リンデンタールでも、このチームでも同じことだ。
ドイツ語がなかなか理解できないオレは作り笑いを続けるばかりだった。ちょっとつらい時間でもあった。
だけど、もう最後が近いと思うと、ずっとみんなといたい、という気持ちになるもんだ。
チームメイトもシーズンを締めくくろうとしてるんだろう。いつもより長く、1時間くらいああだこうだと話が続いた。
オレもめちゃめちゃ英語、ドイツ語でできるだけ言葉を交わしていった。2軍の何人かは英語をしゃべりたがるので、難しい話は訳してもらったりして。
今になって「ああ、みんなは意外と日本に興味があるんだな」ということに気がつきはじめている。
「ライス・ワイン」について聞かれた。日本酒のことだ。温かくして飲むんだろう? という。
宗教のことも聞かれた。「おまえは何を信じているんだ?」と。うーん、あんまり強い信仰はないんだけど、これがうまく説明できない。まぁ、仏教かなと答える。
前所属チームのリンデンタールのことも聞かれた。「向こうは良かったか?」と。「いや」と一言答えると、大爆笑が起きた。やっぱりウチのチームが一番だろ? と言う。
チームの本拠地が4キロしか離れていないこともあって、リンデンタールの関係者と親しいチームメイトもいた。オレのことを聞いていたらしく「向こうの奴らは、試合出場はノーだって言ってたぞ」と暴露。また笑いが起きた。
別の3軍のチームメイトが続けた。 「Aber wir haben eiji」 英語で言うと「But We have eiji」。うわー、ちょっとウルッと来たよ。3回くらいしか試合に出てないのに…。こんなに可愛がってくれるなんて。
2軍のミゲルは、酔いが回ってこんなことをのたまう。 「ガハハハ、少なくともあと10年はいろよ! そうしたら、全員がピッチで日本語を話すことになるからさ。監督の指示も日本語だ。コンニチハ、オンナ、エッチ…」 最後の2つはオレが教えた重要日本語だ。
さあどうしよう。どのチームでプレーしたいと申し出ようか。
気持ちが揺れ動いている。金曜日に最後の練習があるので、その後に決定します。