第28節 Mungersdorf I 戦 ●1-3 3軍に回りました…

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13時キックオフのアウエーゲームに向け、1時間前にクラブハウスに到着した。

チームメイトと談笑している時、ふとGKのザシャが切り出した。

「こいつは今日、どのチームでプレーするんだ？　1軍、2軍、それとも3軍？」

監督のフランクが慌てる「…ああ、誰も言ってなかったの？　1軍かな、3軍かな？」

ここ最近、エイジーニョの置かれる厳しい立場を伺わせるシーンだった。

話し合いの末、2軍の試合と同時刻にホームでキックオフする3軍でプレーすることが決まった。「人数が少ない」という理由だった。

リーグ戦で中位につけるMungersdorf I との対戦。14チーム中10位につけるズッド・ヴェスト3軍は格上の相手をホームに迎えた。

監督のアンドレが2軍FWとして出場のため、指揮官不在の中での試合。MFフィリップが遅刻でキックオフ時に11人が揃わないなど、昇格・降格がかからないチームの緊張感のなさを感じさせる状況となった。それでも2軍より選手のポテンシャルの高いメンバーを揃えるチームは、前半を1－1で凌ぐ。

エイジーニョも左MFで先発し、FWとのコンビネーションで多くのチャンスを創る。前半20分には右サイドに流れ、細かいステップから、中央にターン。左足でDFラインの頭越しに絶妙のクロスを通したが、ゴールには至らなかった。

ところが、後半に入ると徐々に相手にペースを奪われ、2失点。守備面にやや不安を見せた関係もあり、後半20分過ぎからはFWにポジション・チェンジを指示される。主に右サイドでボールを受ける動きを繰り返したが、ロングボールが飛び交う展開にほとんどボールに触れず。チームは1－3で敗退した。

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試合前に、なかなか厳しい出来事がありました。

これまでも2軍のメンバーから外れることはあったんですが、試合の前日までに監督のフランクから携帯メールに連絡があった。ところが今日は、忘れられていたんですから！　

その後、3軍監督アンドレの奥さんがクラブハウスに現れて、降格に関する情報を教えてくれた。

彼女は「2軍の状況がチームにとって一番大事なのよ」と言う。

聞くと、2軍が降格してしまうと、その「身代わり」として3軍が降格しないといけないのだそう。

3軍も同じく10部リーグにいるのですが、リーグに「Tweite（2軍）」「Dritte（3軍）」として協会に登録している以上、規約上で下のチームが降格しなければならない。

2軍は3軍にすごく迷惑をかけている状況でもあるんです。ここ数試合、2軍は3軍から主力の何人かを借りている。だから、3軍行きはチーム全体の事情だと納得するしかない。合わせて、書き手としてはどんな状況でも見たこと・経験したことを伝えていく姿勢を失ってはなりません。

何より、自分に力があれば、2軍で必要とされるわけですから。

この状況では、エンジョイ志向でプレーしている3軍のために、少しでも力とならければならない。もちろん、自分もエンジョイしながらです。

試合前に、アウエーゲームに出かける2軍の選手を見送りました。

最近すごく仲良くなっている、セバスチャン、ミゲル、ミヒャエルと、セバスチャンの彼女ナンシーが一緒に車で去っていくとき、すんごく悲しい気持ちになった。

監督のフランクには「頑張って」と声をかけつつ、クラブハウスから彼の車まで一緒に歩いた。

このとき、ドイツには上下関係がほとんどないんだなと改めて感じた。話している間、監督と肩を組んでいるんですから！

こうなったら、楽しもう。試合前、チームメイトと笑いながらアップをするエイジーニョ

3軍の試合では、アンドレの奥さんがずっとワーキャー騒ぎながらチームに声援を送っていた。

この人は黙っていりゃなかなかいい女なんですが、「逆のスペースが空いている」「マークをちゃんと掴まえなさい」なんてひっきりなしに叫んでいる。

周りの男たちに、説明をしているんです。うん、だからこそいい女だとも言えるんですが。

前半、最初はトップ下に入るように言われたんですが、途中、遅刻していたフィリップが10分過ぎにピッチに入ると左MFに移りました。

3軍は前線の選手がすごくしっかりしていて、やりやすいチームでもあります。

キープしている間にスペースに飛び込めるし、後ろの選手も信じてボールを預けてくれる。まぁ、2軍よりも上手いですね…　上手いんだけど、あまりキツいことはやりたくないっていう考えでやっているようです。

ただ、今日は後半から疲れが出て、ぐっとパフォーマンスが落ちてしまった。守備の面でマンツーマンのマークをしきれなくなる場面がいくつか出てきた。

FWに移ってからは、打つ手なしです。ボールが入らなくなったし、相手のマンツーマンディフェンスにも苦しんだ。もし、僕のように日本の草サッカープレーヤーがドイツに移籍したら、対人マークには苦しむでしょうね。攻撃でも守備でもこれはイヤなもんです。

あるいは、「続けて左サイドでやらせてくれ」と言うべきだったのかもしれません。

左サイドをぶっちぎるエイジーニョ

せめて、初ゴールを。想いは叶わなかった…

試合前のロッカールームはこんな感じです。1軍と2軍だと、撮影しにくい雰囲気だったので