リーグ戦 第18節 TFCケルンⅡ戦 | 書き手 吉崎エイジーニョのブログ

リーグ戦 第18節 TFCケルンⅡ戦

2週間の延期のすえ、迎えた後半戦開幕。
ズッド・ヴェストⅡはホームに8位(18日現在)のTFCケルンを迎え、1-1のドローで終えた。

ボランチのオリバーが試合を振り返る。
「うん、まあよかったんじゃない」
前半戦終了時の成績は、2勝4分9敗。
降格圏と勝ち点2の13位につけるチームにとっては、恵みの勝ち点1となった。


3月に入っても寒さの続くケルンで、開幕前に得たトレーニング機会はわずか1度。
雪、零下の気温によりグラウンドが凍結、ピッチコンディション維持のため使用の許可が下りなかった。
このため2人の新加入選手の選手証へのサインも、当日に行う慌ただしさだった。


それまでの曇り空が嘘のような快晴に恵まれた19日、日曜日。
午前中からユースの試合が年代別に行われ、2軍のゲームは13:00にキックオフした。




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クラブハウス前には多くの観客が集まった



新加入のシュミットをFW、エイジーニョを左DFに置き、3-5-2の布陣を敷くズッド・ヴェスト。
前半は「様子を見る」(キャプテン、フローリアン)作戦に出たつもりだったが、前半戦15試合で52失点のチームにそんな余裕はなく、猛攻にさらされてしまう。


自由なポジションチェンジを繰り返す相手の2トップ、トップ下にかき回され、ボランチは無機能状態に。

DFラインは怖いからずるずる下がる。

するとその間のスペースをまたやりたい放題やられる、という悪循環。

10分過ぎから3本立て続けに、ペナルティエリア内からシュートを打たれる。15分には、味方DFのバックパスをGKががっちりキャッチ。間接FKを与えるなど、先制を許すのは時間の問題と思われた。


ところが、25分過ぎ、中央DFフローリアンの「演技」が試合の流れを大きく変える。
右DFのフェリックスがあっさり抜かれると、それをカバーすべく相手9番に猛烈タックル。
ペナルティエリア前で両者は交錯すると、相手9番が軽く肘でフローリアンの体を打つ。


瞬間、フローリアンは顔を抑えて倒れこんだ。巨体を揺さぶり、のたうちまわった。
歩みよる審判。レッドカードの判定が下され、TFCケルンは前線の拠点を失った。



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ケンカをやめて。2人を止めて(By 河合奈保子)。 手前がエイジーニョ


余裕が生まれたズッド・ヴェストは、ロングパスをシュミットに合わせる作戦で、非力な反撃に出る。マークする相手がピッチを去ったDFエイジーニョも調子よく左サイドから攻撃参加。
2度センタリングを試み、シュートも放つなど、持ち場を忘れたかのようなプレーを見せる。

ややズッド・ヴェストペースに傾きかけたところで前半終了。


ハーフタイム、監督のフランクはリベロのフローリアンに、エイジーニョとの位置関係について細かい指示を出した。
「相手が一人退場になったので、4バック気味にしなさい」。

スコアレスドローを狙うのが無難かにみえたが、中央DFを一枚減らし、攻撃に転じる作戦に出た。左DFのエイジーニョはこのドイツ語が理解できなかったが、フローリアンが必死に英語で説明。
外にポジションを取りつつも「DFだということは忘れるな」と指示が出された。


この作戦が功を奏してか、左サイドのミゲル、エイジーニョのコンビが機能しはじめたズッド・ヴェスト。
いわゆる「攻め疲れ」に陥った相手の間延びしたスペースにボールを放り込み、相手ゴールに迫る。
52分には、ゴール前でミゲルがフリーでシュートを放つなど、決定機も何度か生み出した。


ところが、65分、前半戦わずか2勝の脆さを露呈してしまう。パス交換から右サイドへの侵入を許すと、中央に折り返され、そこにTFCの二人が詰める。シュート気味のセンタリングがほぼゴールラインを割ったところで、フローリアンがクリアをミス。先制を許してしまう。


70分、さらなるアクシデントがズッドヴェストに襲い掛かる。左サイドでミゲルと相手選手が交錯。肘が顔面に入ったミゲルが鼻血を出し、そのままピッチを退く。左サイドでのボールの収まりどころを一枚失い、攻撃の勢いが弱まった。


逆に流れを掴んだTFCケルンは、左右をワイドに使い、反撃にでる。75分、右サイドを突破し、中央に折り返す。10番がこれを右に展開すると、エイジーニョと12番が1対1に。リベロのフローリアンは、危機を感じたのか、1対1の勝負を仕掛けているエイジーニョの後方から飛び出し、相手の足元にタックル。相手が倒れこみ、PKが宣告された。


後半戦も黒星スタートか――。 と思われたが、奇跡的に相手がこれをミスする。相手10番が放ったシュートは右ポストをかすめ、枠を外れていった。


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豪快なフォームからのキックミスだった


流れは再びズッド・ヴェストの下へ。80分、ゴール前の直接FK、フローリアンの強引シュートがネットを突き刺し、1-1に。残り10分は撃ち合いの様相を呈したが、ゴールには至らず、そのまま試合は終了した。


なお他会場では、14位のEhrenfeld 65 IIがドローで勝ち点1を獲得。13位ズッド・ヴェストとの勝ち点差は2のまま変らず。エイジーニョの前所属、ボルシア・リンデンタール・ホーエンリンドⅢは0-3で敗れた。