堅調なマクロをすっ飛ばす「米利下げ」を煽る勇み足勢力、市場参加者はクレバーにウォッチすべき | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

堅調なマクロをすっ飛ばす「米利下げ」を煽る勇み足勢力、市場参加者はクレバーにウォッチすべき

昨年来、本当にしつこいようだが「利下げ論」というのは本当に後ずれしていく一方なんですよね。

 

FOMC議事録を見ても、参加者の中にはマクロ分析をわかっていない、若しくはFRBのスタッフに全てを任せている政治家が、ただ漠然とした金利予想を上げているだけなので、ドットプロット自体を過大評価しすぎなんですよね。これはもう、何年も前から言っている内容になるわけです。

 

拙著(カラクリ2版)でもお伝えしているが、ドットプロットというのはFRB自身が「単なる予想なのでFRBの公式見解ではない」と否定しているでしょう?

 

にもかかわらず、マスコミが「FRBの見解は年内何度利下げ」、なんて報道するものだからおかしな誘導みたいになっちゃうんですよね。ドットプロットって皆が思っている以上にいい加減なんですよ。

まぁ利下げ後退論、というか「1月にも可能性あり」みたいな勇み足報道は昨年から続いていたわけですが、 、

 

まず米着工件数が昨年8月を底に上昇基調というか崩れることは無く、先日のISMも市場予想を上回ったでしょう?M2自体はQTとともに縮小しているが、回転率(企業や個人の支出の支払い速度)はゼンゼン低下していない。これは経済活動のモメンタムが減速していないことを表しているわけです。

 

細かい統計を言い出せばキリがないが、こーいう統計の数々は労働参加率や賃金伸び率(平均値ではなく中央値)に表れていて、

政策金利が5.5%にも関わらず、ターゲットとしているコアインフレ指標は横ばいが続きそうな気配。今までのようにトントン拍子には下がらない、あるいは、下がったとしてもターゲットレートである2.0%までは長い道のり。そんな中、なぜ利下げをしなくてはならないのか?というのが個人的、というか合理的な結論が存在する。

 

これを昨年来、繰り返し述べているわけです。

 

パウエルが講演で口にする、いわゆる「コア労働参加率=経済を押し上げる中核参加率」は、常に25‐54歳労働参加率であって、直近12月も83.2%だった。

相変わらずパンデミック前の高値83.1(20年1月)を上回っており、高金利にも関わらず衰えていないものだから連銀調査の賃金中央値もパンデミック前を上回ったまま。下手すると?再上昇の可能性すら帯びている。

 

ちなみに、世間一般でいわれる「労働参加率」は短期的な景気動向を測るうえで、上記「25‐54歳、ゴールデンエイジ参加率」と比較しさほど意味が無いことがわかってきた。マスコミが伝える労働参加率は、直近12月が62.5%で3年ぶりの大幅低下、利下げに一歩前進、といった意味合いのものでしょう? 

あくまで個人的な感覚だが、連銀も当てにしていないように映るし時代錯誤なのかも。

 

海運関連の景気指標も全般的にはコロナ後の回復から安定期に差し掛かっている。景気が落ち込んできたので利下げ、というのは感じられず、あったとしても地区連銀株主である金融機関の要望に応じて「取り敢えず一度下げてみるか」みたいな印象しか受けない。

 

つまりマクロ経済の視点から観れば景気は強く、もしくは安定しておりどちらかといえば利上げや量的引き締めをすべき環境にあるわけです。だからこそQTは長期的に進行している。

2%目標を前提にしているからこそ矛盾が生じる。景気の強さを考え2.5‐3.0%をターゲットにする、ということであれば利下げはあっていいんじゃないですか?それでも遠いが。

 

現状は大体こんなもんです

 

 

 

※ウーン、こういう内容を砕けて話せる場を模索している。福岡市内ですが。 マーケットのことを詳しく、そして楽しく話せる場があれば国が掲げる投資へ、というものも有意義なものになると思われ。

 

肩書の分厚い誰かが一方的に教える、というのは時代錯誤なんですよね。教わる側?のほうが教える側より詳しいというのも普通だし、本当の意味で教わる、というのは自分の経験のみ、マーケットからのみ教わることができるわけです。

 

誰でも気楽に立ち寄ることができ、堅苦しいのはダメ。ウーン、どうしたものか?