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7月FOMC前夜 ‐会見直後、追記あり‐

米国における直近のインフレ率は、6月CPIが総合値3.0%でコアが4.8%,5月PCEデフレーターが総合3.8%にコアは4.6%

 

これにより7月FOMC(26日政策公表)では25bpの利上げ、声明文(第3パラグラフ)には以下の文言が挿入されることになる。

 

the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 5-1/4  to 5-1/2 percent.

 

つまり根強いコアインフレを2%目標にもっていくため、今後も利上げを継続する。しかし議長の言っていることが本当なのであれば、スキップしながら金利を上げるということなので、そこが市場参加者の不安感を幾分払拭している。いわんや、会合ごとのインターバルを挟んで利上げするという、いわば緩やかな利上げである。少なくとも、現時点での当局者の戦略はこんなところになる。

 

尚、健全行への連銀窓口の貸出金利も同時に引き上げられ(5.50)、IORBも同様だといえる。(5.40)そしてリバースレポレートは5.30%.(繰り返しになるが、これらは為替レートにとって重要な要素になる) FFレートを挟み込むことにより、結果として為替相場を安定化させる意図も(いつもながらに)含まれている。

 

しかしドル円レートに関しては当然ながら日本要因もあり、金融政策決定会合後、28日には展望レポートが公表される。物価上昇見通しは2%といわれているが、将来的なYCC修正、長期金利上昇による引き締め円高想定もチラホラと噂されている。

 

日銀の植田総裁は7月における政策修正を否定しているが、物価上昇の想定が高くなれば、市場参加者としてはどうしても将来的な引き締めを想定してしてしまう。そのときFEDの緩やかな利上げが終焉を迎える、という連想が働けば?年後半は円高基調、がしかし、コア値が根強く落ちてこないことを踏まえるとそう簡単にはいかない。

 

あくまで状況次第、何しろ当局者もこの推移につき誰もわかっていないのだから。

 

 

 

追記(7/27 4:28) :議長会見で印象に残ったのは、1回おきに利上げをするとは決めていない、という事だった。2、3回おきかも知れない、という事や、利下げは25年くらいかも、あるいは来年の可能性もあるが違う可能性もある、と言った事。

 

賃金インフレや実質賃金の話も多かったが、結局のところ2%目標に強い意思を表明する限り、政策視点からいえば細かいマクロの話は意味をなさなかった印象を受けた。詳しい方にしてみれば、今回は退屈な印象を覚えたかも知れない。

 

ただ、深刻な景気後退をもたらすことなく2%を達成することは可能で、つまるところリセッションを想定せずソフトランディングを実現することにつき議長は自信をのぞかせた。 以上、クイックレポ?