「FRBとコアPCEインフレの長い戦い」がはじまる | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

「FRBとコアPCEインフレの長い戦い」がはじまる

6月相場は本日で終了、7月の(金融)政策はその直前のマクロに左右される、とパウエルは言い切った。

 

ここのところパウエルならびに他連銀総裁がお伝えしているように、リーマン以降金利政策のベンチマークはPCEデフレーター(前年同月比)だったが、PCEコアがそれに取って代わる。そのPCEコアデフレーター(5月分)は、日本時間今夜21時30分に公表される。

 

前回4月分が4.7%、今回の5月分予想も4.7%で「根強いインフレ」の様相を呈している。

 

仮に、結果がよもやの4%近くだとマーケットは浮揚、4.5%だったとすれば7月は6月の一旦停止を経て利上げ、ということになるだろう。ここから2%(目標)到達まで、その構成品目を考慮すれば鈍化?または不確実性高く時期的な目途がつきにくい。

 

今までマーケットはCPI含むヘッドライン(総合値)で一喜一憂していた。今後、FRBは根強いコア値と戦うことになる。マーケットには、断続的に襲ってくる「利上げ疲れ」が慢性化してしまうかもしれない。

 

7月に金利を引き上げたとして、コアPCEインフレがFOMC参加者が予想している通りに3%台(3.9%台)に突入したとすれば御の字、ということになるだろう。それでも目標値である2%の2倍である。「あと1周」「もう少し」、という言葉が延々と繰り返され、結局疲労が蓄積されるというシナリオである。

 

根強く頑固なインフレ(persistent inflation)がフォーカスされるのは今からであるということを市場参加者は意識したうえで判断を下さなくてはいけない。厳しい米国のインフレ状況ならびに政策状況を、ぬるく報道しているのはメディアだけである。

 

ドットチャートは、なぜかその時々のものばかりがフォーカスされるが、ドットチャート自体を時系列的に並べてみた方がいい。会合ごとに予想中央値のボリュームゾーンは高く押し上げられている。そして今後もそれは続く、と想定している。

 

 

 

※校正しています