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警戒の3月4週について

米銀は手元資金(リザーブ)を厚くしている。BTFPによる緊急流動性の拡大が報じられているが、従来からの貸出ファシリティの利用が目立つ。(貸出ファシリティの対象行は健全行)。 結果、想定以上のスピードでFedのバランスシートは反発し拡大。

 

BTFP利用額は15日時点で119.4億ドル、従来型の連銀窓口による貸し出しが1528.5億ドル。バランスシート自体は3月8日時点の8.34兆ドルから15日には8.64兆ドルとなっている。

 

ここの、ラストリゾート(Lender of Last Resort)としての貸し付けがリーマン時を超えた、と一部報道を見かけたが、そもそもここの金利はリーマン時より高くなっているものの、FFレートとのスプレッドは縮小されており、銀行にとっては使い勝手が良くなっている。つまり流動性が行き渡りやすく、危機回避に役立っている、ということになる。

 

平時ではFFレートに+100bps(1.00%)の幅で設定されていたが、それはもうリーマン前の常識?であり、リーマンやコロナを経て100bpの厚みは無くなった。

 

システミックリスクにマクロプルーデンスといえばリーマン時の再来のようだが、中銀によるプルーデンス政策の機能は当時より強化されている、ということ。中銀はコロナも経験している。

 

で、22日(会合)はどうなるの?といわれればハッキリ言ってわからない。前回お伝えしたようにインフレ対策として金利を引き上げを継続(25bp)すれば、BTFP利用額が増加しQTの取り組みと矛盾する。しかし流動性を供給するので一時停止、ということであれば金利政策としては整合的だといえる。マクロプルーデンスとインフレ対策としての金利政策は別物、という論調も見かけたが、それは原則論であって今回の件に限っては、一旦様子見姿勢がベターのように思えるのだが。

 

それとも25bp引き上げは継続するものの、23年末の政策金利予想を低く見積もり、温和な政策姿勢をアピールするとか?ECB、というわけではないが先々の金利にコミットしない、という方法もある。