FRBのボラ抑制は「実質3月6日(金)がリミット」、3月会合ではないその理由。 | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

FRBのボラ抑制は「実質3月6日(金)がリミット」、3月会合ではないその理由。

NYの取引終了間際にブログを更新する事は基本ないわけだけど、事態が事態なので、来週3月1週について触れておこう。

 

3月1週まで(3月6日まで)、金融当局(ここではFed)が「米国のファンダメンタルズは堅調だ(よって利下げの判断は時期尚早)」、と言わんばかりの態度だとすれば乱高下は継続する、と既にお伝えした。

 

反対解釈すれば、FF金利先物市場から算出される利下げ確率が高まってきた今、FOMCメンバーは、それまでの「利下げナシ」の姿勢から180度変更し、何らかの緩和メッセージを発信しないと乱高下は収まらない、ということ。

 

ここからは具体論になるが、この尋常でない歴史的暴落に対してFRB高官は無関心を装う事はできないし、「判断は時期尚早」なんて数日前に言っていたことを、即座に修正しなくてはいけない。少なくともそういう風に見せかけなくてはいけないとも言った。(当ブログ)メディアへのリークレベルでもいい。

 

で、誤解を招かないようにいえば(ここからが重要)、3月FOMCは17日‐18日なのだが、実質的にはここが勝負というわけではない。本日を起算日とすれば政策決定の18日までにまだ2週間あるわけでしょう?その間、指をくわえているだけで何もしないという事になれば当日緩和しても、下げ切っている可能性があるわけです。今流行りの「初動」の判断力がFRBに求められている。

 

 

被害を最小限に食い止めるFRBの初期対応は?

 

初期対応とはどうすれば?つまり、FRBにとっての勝負の期間は3月6日(金)まで。

なぜか?拙著カラクリ(p.184)にも書いてあるし、そして皆さんどこか頭の隅に入っているFOMCのブラックアウト期間は3月7日(土)からなので、3月1週の期間(3月6日まで)でFRB議長含む高官、ならびに各地区連銀総裁たちが今までの態度を、昨年1月4日のパウエルのように180度、フレキシブルに修正しなくては市場の乱高下を止める事はできない

 

参考:"gradual"から "patient"へ -今週は10日議長討論会と副議長スピーチ‐ /2019年1月7日記事

 

つまり25bpの利下げを示唆するだけでなく、人(FOMC参加者たち)によっては50bpでもいいし、バランスシート拡大とセットならもっといい。昨年見られたようにFFレートを調整するためにTビルを買い込んだ結果、バランスシートは拡大した。 そしてそれを量的緩和と見做す人がいたわけでしょう? 

 

であるならば尚の事、「連続利下げ」「1度に50bpの利下げ」「バランスシートも拡大する」など、 、ウイルス対策ではないが、大胆かつ手のひら返し的な初動、アナウンスを発信すれば3月1週で抑え込む可能性は残されている。

 

「残されている」、というのはマーケットとは無関係な人たちの新型ウイルスに対するパニック状態が拡大していけば(緊急事態宣言をする自治体の拡大など)、金融政策では抑え込む事ができないわけであって、当ブログがお伝えできるのは財務省や中央銀行のできることをお伝えし、ちょっとでもポジションに不安な人はそこに注目して欲しい、という事。そしてそれは3月会合ではなく、3月6日(金)がリミット、という事です。

 

ちなみに、ブラックアウト期間というのはFOMC前週にグリーンブックやブルーブックといったFOMCでの討議用資料がFOMC参加者に配布される期間であることが関係しており、情報漏洩を防ぐためのものである。これについても拙著カラクリp196を参考にしていただければ。(持っている人向け、営業ではないです)

 

結論としては6日までに「利下げ時期尚早」なんて言っていれば酷い惨状の可能性もあり、ということ。金融政策だけで物事は測れないが基調的にはそういうことです。来週はマクロではない、そのあたりに注視。また更新します。