「ジャクソンホール前夜」 | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

「ジャクソンホール前夜」

7月FOMC議事録では早期利上げの議論が盛んになっていたようだが、結論だけいえばやはり「利上げ時期については経済状況の改善次第」といったものだった。


見誤った、という訳ではないと思うが、ドル相場が反応したのは、議事録の中で①「労働市場が正常な水準に著しく近付いた」といった想定以上の改善状況について触れていた事、さいきん流行っていたワード、②「労働市場のたるみ、スラック」といった表現を変更する可能性が指摘されていた事、さらにはこれは個人的見解であるが③FFレートの引き上げにIOERを活用すべき、といった技術的な利上げ方法論が(以前より)強まってきた事、などによって早期利上げが意識された事による。これにドル相場は反応。

ただし繰り返しになるが、冒頭のとおり、早期利上げの可能性が明記されていたものの、あくまで経済指標の改善次第、といったところになる。


結論としては同じなのだが、しかし市場が「やや利上げに傾いている」といったニュアンスで捉えるのは当然だろう、ただし矛盾するようではあるが、本当に早期利上げが実現するのか、といえば明言はしていないという事。


ジャクソンホール以降


ジャクソンホールのイエレン講演はドル相場のモメンタムを維持できるか否か、といった視点で外為市場参加者から注目される事になるが、イエレン自身は雇用情勢の中の一要素、長期失業者などの改善状況を認めつつ も(下)、不完全雇用率、とりわけパートタイマーの多さに懸念を抱いているだろう。



結果、というわけではないが、利上げ開始時期等が示唆される可能性は低いと考える。利上げ時期に関しては投資家の文言解釈によるだろう。


利上げ開始時期に触れない中で、(利上げ)手掛かりが仮にあるとすれば、今まで連呼してきた「労働市場のたるみ(スラック)」といった表現に、議事録を踏襲する形で、何かしらの変化が見られた時になるだろう。イエレン議長が今まで通り、労働市場のたるみ(スラック)を強調するだろうか?軟化すればそれは労働市場に対する心境の変化を表す事になり、「利上げ材料」として市場からは捉えられる事だろう。上記のとおり、議事録では修正を加える必要性が指摘されたとの事。ここらあたり(スラック)の文言・ニュアンスの変化が仮にあるとすれば、それは政策変更のメッセージとして捉えられる可能性が残される。議長は今まで「至る所にたるみ(スラック)がある」といってきた。今回はどうだろうか?


どちらにしても議事録でこのような議論が活発化してきた事を踏まえれば、9月FOMCでも同じような議論が深まっていくだろう。それを考えれば、仮にジャクソンホールが無風で調整が入ったとしても、議事録発表のたびに(調整を挟みながら)ドル高が期待される といった数ヵ月スパンのジリトレンドになるかも知れない。


ただし市場が前掛かりになり過ぎて金利が急騰すればタカ的会合も再度ハト的に後退するかも知れない。FRBはその辺の舵取りを上手くこなす事を心掛けている事だろう。



追記: そのー、矛盾するようだが「低金利を長期化する」という文言に経済改善効果があるので、現状で利上げを示唆すれば、前進してきた経済状況も後退する可能性があるという事。それを踏まえれば、今回も利上げ時期をはぐらかす、といった所見になる。